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自縄自縛な僕・三人の女神   作者: 松永 もっこり
13/27

咲人カメラマン編 下


沙奈はだめだったか。

他にいい被写体があるとは

あまり考えにくいけれど...。


「おーい、咲人。剣道部を

撮りに来てくれたのか?」


あれはこの学園でも貴重な常識人

吉原 誠君じゃないか!


誠はどちらかというと

武道と言うよりかはサッカーや

バスケが似合いそうな顔なのだが

元がいいと何でも似合ってしまう。


決して着崩れてない袴はより誠の

雰囲気と顔を引き立たせる。


「やあ、誠。剣道部だったのか。

写真撮ってもいいのかい?」


「もちろんさ、咲人。

僕と咲人の仲じゃないかっ」


「やっぱり誠!お前は俺の親友だ!」


「大げさだよ、このくらい咲人の

頼みならわけないさ!」


「じゃあ、誠。お前を撮らせてくれ。

誠は普通に練習してていいからさ。」


「そんなんでいいのかい?

分かった。普通にしてるよ。」


それから咲人は撮ることに集中する。


誠、やっぱり何でも出来るんだな。

あの足さばき、竹刀の

扱いは只者じゃない。


見ているこっちが緊張し手に汗握る

武道独特の静寂に誠と相手の

声と竹刀のぶつかる音だけが

響くのが余計に咲人を緊張させる。


誠の極められた動き一つ一つに

迫力がある。素人の咲人が撮った

写真ですら、まるで静止画には

見えない。今にも動きそうだ。


「面っ!!」

誠の気迫こもる太刀筋

が相手の面を捉える。


ここだ!咲人も誠に負け時と

シャッターを切る。


竹刀と面の乾いた激しい音が

道場いっぱいに響いた。


「一本!勝者吉原 誠!礼!」


「ありがとうございました!」





「いや〜、いい写真撮らせて

もらったよ。それにしても

あれが練習か?まるで本当の試合

みたいだったぞ。」


「あぁ、実はね。今度の試合の

選手を選抜するための試合

だったんだよ。だから、試合みたい

じゃなくて正真正銘の試合だね。」


さっきまで竹刀をふっていた

人の顔とは思えない爽やかな笑顔だ。


「え?試合だったのか?そうか

すまんな。勝ったから良かったものを

大事な試合を摂るだなんて。

気が散らなかったか?」


「そんなことないよ!むしろ咲人に

見られてると思ったらさ、負けたら

カッコ悪いなと思っていい緊張感

のなか戦えたよ。」


「そうか!それならいいんだ。

そうだ、今度その大会見にくるよ

また写真撮らせてくれ」


「僕でよければいつでもいいさ」



はぁ、沙奈が撮れなかったのが

唯一のダメポイントかな〜。

チアリーダーの沙奈撮りたかったな〜

でも、奈津美や誠の写真が

撮れたしいいや!

ん?綺麗な夕焼け空だな。

学園に転校してきてから空なんて

見なかったけどこんなに鮮やかな

ものなんだな。


まだ暑い太陽の日差しが夏独特の

入道雲と合わさっている。


たまにはこんなのも悪かないと

思う咲人だった。







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