美しいあの人は私のもの〜ノータリィーナ(残念エルフ)
なんなのよなんなのよなんなのよーーー!!
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく!!!!
なんで、私とサイジュ様の逢瀬を邪魔するのよ!?
私の隣には、絶対あの美しいサイジュ様が必要なのに。
サイジュ様だって、困るって言いながら、いつも優しい笑顔で答えてくれるんだから!
きっと何か事情があって、今はまだ私のことを受け入れられないだけ。
絶対にそう。
それじゃなきゃ、この可愛い私の誘いを断るわけないでしょ?
それなら、私はどこまでもついていくわよ。
光栄に思ってちょうだいね?
サイジュ様がアシーダの町を出たことを知った私は、もちろん急いで追いかけてきてあげたわよ?
この私がよ?
次の村までの半分くらいのところで、追いつけたわ。
「サイジュ様!私をおいてどこに行くのですか?」
さぁ、来てくれてありがとうって、抱きしめてちょうだい?
ほら、早く。
サイジュ様は止まらずに歩いている。
あら?聞こえなかったかしら?
私のこの可愛い声が?
「サイジュ様?」
「サイジュ様ったら!」
やっと止まってくれたわ。
サイジュ様は、振り向いて言った。
「いいかげんにしてくれっ!」
どうしたのかしら?
いきなり声を荒げたりして?
いいかげんにって、何をかしら?
きっと何かイヤなことがあったんだわ。
それじゃなきゃ、私に向かってあんなこと言うなんてありえないじゃない!
「俺はこれから友達と合流するんだ。あんたは必要ない」
ちょっと何を言ってるの?
必要ないって、まさか私のことじゃないわよね?
違うに決まってるじゃない。
「でも、今はいないんでしょ!?私が同行してあげると言っているじゃないの!素直に頷いたらいいじゃない!」
そうよ、ここまで来たら誰も見てないんだから、気兼ねせずに私に想いを告げてもいいのよ?
「おい、残念エルフ!サイジュが困ってるだろうがっ!」
突然、残念エルフと言われて、カッとなって文句を言いながら、振り向いた先にいた人族を見て、悲鳴をあげた。
「誰が残念エルフよっ、ヒィーーーーッッ」
なんで、こいつがここにいるのよ!?
っていうか、こいつの視界に入ったら白金貨1枚とかじゃなかった!?
払わないわよ。
そんなお金ないわよ。
何言ってんのよ!?
私を借金奴隷にするですって?
ちょっとサイジュ様なんとか言ってよ。
はっ!?
サイジュ様まで奴隷が妥当だと言うの!?
なぜ!?
あなたの最愛の私が奴隷落ちになろうとしてるのに!?
なぜ、かばってくれないの!?
ちょっと、こいつ残念エルフ残念エルフってうるさいわね。
残念エルフじゃないんだから。
この私の価値をわからないこいつの方が残念っていうのよ!
あら、わかってるじゃない。
そうよ、罰金なんて払う必要ないじゃない?
えぇ、わかってるわよ。
どうせ次回だってお金ないって言えば、折れてくれるんでしょ?
だから、こいつの条件に了承したのよ。
なんなのよなんなのよなんなのよ。
この手首の痣は、いったいなんなのよ!?
何をしたのよ?
契約!?
そんなのしてない。
もしかしてさっき了承したから!?
どうするのよ。
奴隷なんてイヤよ。
サイジュ様に会えないなんてイヤよ。
でもこいつがサイジュ様と行動を共にするなら、今のままなら間違いなく奴隷落ちになる。
それは困る。
いったん引くわ。
人族の目では見えない距離で、着いていくわ。
サイジュ様たちって、歩くのが早いわ。
付いて行くのもやっとよ。
水も食料もないわ。
そもそも持って来てないのよ。
だってサイジュ様と一緒にいる予定だったんだもの。
でも大丈夫。
優しいサイジュ様が、気にかけてくれるわ。
大丈夫よ。
ちょっと、待ってぇ!?
なんでこんなところに、魔物の群れが!?
逃げなきゃ。
サイジュ様助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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