アシーダのお祭り騒ぎ2〜ジーライ(ギルマス)
なんでこうなった!?
どうしてこうなったんだ!?
今からほんの少し前、突然嵐がやって来た。
違う、嵐のように現れた。
「おう、ジーライ!久しぶりだな?ずいぶんとムキムキになったな?」
「ほんとねぇ。あら、泣き虫ヨーゴもいるじゃない?ずいぶんと…肥えたわね?」
なんでこんなところにいるんだ!?
20年以上前と全く変わらない姿で、やってきた。
「どうしたんですか!?ザラン兄貴にリディ姐さん!」
この2人には、俺たち世代はまったく頭が上がらない。
冒険者のなんたるかを、実地で覚えさせられた。
毎日、ボコボコにされた。
何人もの見習いが、辞めていった。
確かに、その時間があったからこそ、俺は今ギルマスを任せてもらえている。
今の俺があるのは、この人たちのおかげではあるのだが、いつまで経っても頭は上がらないままだ。
「あー、うちの息子が世話になってたみたいだから挨拶に寄ってみたんだが、なんの騒ぎだ?」
「こんな時間にお祭り?」
この人たちの息子!?
そんな人物いたか!?
いたらわかりそうなもんだが…。
「いやいや、ちょっと悪さをしたガキを探していただけですよ。祭りとかじゃありませんぜ」
さっさと、帰ってもらおう。
「悪さ?どんなことやらかしたんだ?そのガキってのは」
「私たちも協力するわよ?」
協力とかいいから、とっとと帰ってくれよ。
「大丈夫ですよ、兄貴や姐さんの手を煩わせるわけにはいかないですからね」
「そう?」
「そうですよ」
「ちょっと報酬をちょろまかそうとしただけですから」
隣でヨーゴもうんうん、頷いてる。
「それでこんな大掛かりで探し回ってるのか?」
俺、余計なことを言ったな。今。
くそっ。
「…他の冒険者にも示しがつかないんでね。一度きっちりと絞めておくのも仕事ですからね」
いい加減に帰ってくれよ。
「そうか、まっ、やらかしたら責任を取る必要はあるよな?」
「そうでしょう?」
納得したら、帰ってくれよ。
「まぁいいわ。で、うちの息子は頑張ってるかしら?」
「あの、ほんとにここにいるんですかい?お二人の息子だって坊ちゃんは来たことがないですけど?」
この2人の息子なんかがいたら、ものすごく目立つだろう?
そんなのはいない。
「あら?あの子ったら目立つのが嫌だから、言わなかったのかしら?」
「ミゲルならありえるな」
今なんと!?
「ご子息のお名前を確認しても?」
「ミゲルよ?」
その場の空気が凍った。
なんでこうなった!?
どうしてこうなったんだ!?
お二人の子供が、あのヤローだと!?
今、大々的に探してとっ捕まえようとしてるガキが、この人たちの子供だと!?
どうすんだよ?
ヨーゴは、隣でガクガク震えている。
俺だって座り込んでしまいたい。
「あら?どうしたの?顔が真っ青よ?」
「いえ、なんでもないです。ミゲルは、いえミゲルくんはとても優秀な冒険者ですよ」
優秀すぎて、使いにくい。
だから今のうちに、教育しておこうと思ったんだが…。
「まぁ、そうなの?やっぱり私たちの子ね」
「そうだな。俺と剣の稽古をして、リディと魔法の訓練していたんだものな」
「えぇ。ちゃんと課題をクリアしたものね」
って、マジかよ。
俺たちはまったくついていけなかった稽古をクリアしただと!?
なんか色々やべぇぞ?
「さすがお二人のお子様ですね」
「そうでしょう?」
「で、ジーライとヨーゴよ?いつまで誤魔化し続けるんだ?」
バレてるのか!?
「なんのことでしょう?」
「まだしらばっくれるか。大した度胸だな?」
あっ…。
ザランの兄貴から、【威圧】が放たれる。
やべぇ。
漏らしそうだ。
「ねぇ?うちの息子に何してくれたの?」
リディの姐さんからも【威圧】が飛んでくる。
もうダメだ。
意識を保ってられない。
ヨーゴの野郎は、兄貴の【威圧】ですでに倒れている。
俺たちは、もう終わりだ。
怒らせてはいけない人達を怒らせてしまった。
そこから意識はない。
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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