指名依頼のドブ掃除2
「ミゲル、どうかしたのか?」
肩に手を置かれて、振り向いたらイケメンがいた。
「サイジュ」
「ギルマスまでいるのか?なんか問題か?」
サイジュは、グルッとギルドにいる人を見回す。
「ドブ掃除の指名依頼の件だ」
「ドブ掃除受けるって言ってたよな?」
確かに言った。
「まともな依頼だったら受けるのも、やぶさかじゃないんだけどな」
俺はサイジュに今までの出来事を説明した。
サイジュの目つきが段々と鋭くなる。
「ギルマスと掃除事務所のヨーゴさんが、幼馴染なのは知ってますよ?だからって確認もせずに指名依頼を受理するのは違うのでは?」
幼馴染だぁ!?
なぁなぁで仕事してんじゃねぇぞ。
「それに、ミゲルの掃除はすごいんですよ?
わかってないんですかね?
掃除後に消臭の魔法をかけてあるし、たぶん浄化の魔法もされてると思う。
それよりも1番すごいのが状態維持の魔法でしょう?
キレイなまま保たれてるのは、この魔法のおかげなんだから!」
サイジュが、そこまで把握してるとは思わなかった。
全員の反応がないことに、
「まさか気づいてないのか?」
と、サイジュが問う。
「そのまさかだろうな。俺、見習いの掃除の報酬はずっと大銅貨3枚だったからな?」
そう言った瞬間のサイジュの目が怖いんだが…。
「うそだろ!?荷物配達の報酬と同じじゃないか。労働に見合ってないだろ」
なんだと?
本当に最低報酬だったみたいだな?
バカにしてんだろ?
「すまん、ミゲル」
ヨーゴのおっさんが、土下座する勢いだ。
こっちの世界にも土下座ってあんのか?
って、それは今、どうでもいいな。
「謝って済むなら、警備兵も騎士団も必要ねぇだろうがっ」
うっかり警察って言いそうになったぞ。
しかし、どれだけ見習いや低ランク冒険者をバカにしてんだ!?
「すまない。俺からも謝罪する。どうしたらドブ掃除を受けてもらえるだろうか?」
どうしたら?
どうしたらねぇ。
まとめて受けてやる必要なくねぇ?
わざわざ安くなる依頼の仕方で、やる必要なくねぇ?
「1区画ずつ指名依頼を出せよ?指名料は大銀貨1枚なんだろ?
それとは別に報酬は銀貨10枚。
それが Dランクの上限なんだろ?もちろん貢献度7は保証してもらうからな。
それ以下なら、受けるつもりはねぇからな。
56区画だっけ?そっちの対応次第で全部やるかもしれねぇし、何にもやらねぇかも知れねぇけどな」
さぁ、どうする?って、ギルマスとヨーゴのおっさんに投げかける。
「そんなに出せねぇよ…」
ヨーゴのおっさんが、俯いたままそう呟いている。
「なら、やらねぇ」
「待て、ミゲル」
ギルマスが待ったをかける。
「なんで?」
俺が折れてやる必要はないだろ?
「こんな騒ぎ起こして、お前これからやり難くなるぞ?」
はぁ?
騒ぎを起こしたのは俺か?
おかしくねぇ?
「俺が悪いのか?どのへんが?見習いや低ランク冒険者を安い報酬でコキ使おうとしたヨーゴのおっさんが悪いんだろ?幼馴染だからってなぁなぁで仕事したアンタの責任じゃねぇのかよ」
ふざけてんなよっ!
あー、めっちゃやる気なくなったな。
「帰るわ」
「お前この状況で無事に帰れると思ってんのか?」
ヨーゴのおっさんだけじゃなくて、ギルマスも腐ってんのか?
「何?脅し?」
ジロリとギルマスを見る。
「そんなんじゃねぇ」
そんなドスの聞いた声で?
「なら、帰る。こんな不愉快な町にいたくねぇよな。
いても仕方ねぇから、別の町に移動すっかな。
あー、別の領でもいいか」
よし、決めた。
この町は出て行こう。
おしらせ
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