美味しすぎる〜アレクサンドリール(創造神)
「これは!!」
ミゲルくんから送られてきた山盛りのお皿が2つ。
片方は米だったもの。
ミゲルくんはご飯と言っていたね。
あの硬い作物がこんなにふっくら艶々な食べ物に変わるなんて思いもしなかったよ。
どんな味なのかな?
もう片方は、ショウガヤキってやつだね。
こっちからは、ものすごく強烈ないい匂いがしてるんだよ。
お腹が空く匂いって、初めての感覚だよ。
なるほど。
こんな感じのものを日常的に食べて暮らしていたなら、日本から転生してもらってきた今までの子達の微妙な表情は、納得してしまうかな。
匂いだけでもう美味しいもの。
でも、もちろん食べるけどね。
「んっ?」
僕の両脇に"火の神アグニール"と"水の女神ルサウール"が座っていた。
「どうしたの?」
この2人が僕のところに来るのは珍しい。
「俺にも食わせろ」
「ワタシもたべる」
えぇ!?
「なんで?僕がもらったんだよ?君たち関係ないでしょ!?」
「関係ある」
ルサウールが言う。
「ミゲルには俺たちの加護がある」
アグニールがそんなことを言う。
「えっ!?加護!?いつの間に!?」
そんなの聞いてないけど!?
ミゲルくんだって、そんな話はしてなかったよ?
この間、鑑定した時だって、加護なんてなかったよ?
「転生が始まってからあげた…あの子の行き先がクズだったから」
確かにルサウールが言うように、ミゲルくんの親はクズだった。
「ものすごいクソだったからな。俺たちで加護を与えた」
火と水…?
まさか…?
「もしかして…?だからミゲルくんの瞳の色は赤と青なのかい?」
「そうだ」
「そうよ」
普通に答えないでくれるかな?
「そのせいでミゲルくんは捨てられたんじゃないのかい!?」
確か人族は、左右の目の色が違うのは、忌避の対象だったはずだ。
「転生が始まった時に、行き先を変えられなかったんだ。だからあいつらがミゲルを捨てるように采配した」
アグニールが、衝撃の事実を口にする。
捨てられるように采配したー!?
えぇぇぇぇ!?
「でも、人族の子なんて生まれたばかりで捨てられたら、死んでしまうんだよ?」
実際、ダンジョンに捨てられたみたいだし。
「大丈夫。育ててくれる子を呼んでおいたから」
ルサウールが、問題ないと、無い胸を張る。
確かにミゲルくんは育ててくれた人がいたと言っていた。
「だから、私たちには食べる権利がある」
「そうだ、だから食わせろ」
はぁぁぁぁ、しかたない。
ミゲルくんは、山盛りで送ってくれたからね。
「3人で食べようか」
アグニールとルサウールが頷いて、すでにフォークを握りしめている。
じゃあ、食べようじゃないか。
フォークに肉を刺して、口に運ぶ。
口に入れた瞬間に感じたよ。
「うまいっ!!」
「うめーなこれ!」
「おいしい」
こんなの食べたことないよ。
「これなんて、料理だ?」
アグニールの手が止まらない。
「ショウガヤキって言ってたよ」
僕の手も止まらないけどね。
「なんのお肉?」
ルサウールも、もぐもぐしている。
「今回はボアだって言ってたよ」
「ボア!?」
「ボアってこんなに旨かったか!?」
本当にそう思うよね。
さっきレシピ本も送ったから、これからも色んな料理を作ってもらいたいよね。
「そう言えば、なんで君たち加護を付けて隠蔽してるんだい?」
「あのクソたちに加護のこと知られないためだな」
んっ?
「それならなんで、まだ隠蔽したままなんだい?」
「んあっ!?まだ隠蔽されてるだと!?」
アグニールがすごい顔してるけど、大丈夫か?
「アグニール、隠蔽解除するって言ってた…」
ルサウールが、ジトーって目でアグニールを見ている。
「マジか…隠蔽されてたら効果は発揮してねぇのか?」
アグニールが真っ赤な炎のようなの髪の毛を掻きむしっている。
「アグニール!あんまりやると火の粉が飛ぶからやめなさい」
火の神なんだから、派手に動いたら簡単に火事になっちゃうんだからね?
「アグニール、頭から水、かける?」
水色の腰まである髪の毛先が、アグニールに狙いを定めている。
「ルサウールもやめなさい。水浸しになるでしょう?」
僕の仕事が増えるからやめてね?
「さて、2人ともどうするんだい?」
僕がそう尋ねると、
「そりゃ、隠蔽外すだろ?」
アグニールが当たり前だろって言ってるけど、でもなぁ。
「外さないと、加護、意味、ない」
ルサウールも外すと言う。
「ミゲルくんは目立つの嫌がると思うよ?出来るならステータスだけ隠蔽してあげなさいよ」
だって、魔法職で1番目立たない魔法士を選ぶくらいだからね。
ミゲルくんはまだ亜空間にいるね。
あそこにいれば、多少のやりとりは出来るからね。
「2人とも、ミゲルくんはまだ亜空間にいるから、やり取りしてみるかい?直接どうしたいか聞いたらどうだい?」
2人は顔を見合わせて、頷いた。
「そうする」
「そうしよう」
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