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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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俺は相楽のこと・・・

 部活が終わってからなんとなく周りを見つめる。当然だが相楽の姿はどこにもない。

 

 なぜ俺は相楽のことを探している?なんで会えるなんて思っているのだろう?


 アイツならこういう時絶対『一緒に帰ろう』なんて言いながら目の前にいるのが当たり前だと思っていた。

 俺は心のどこかで期待していた・・・それが叶わないと分った途端に訪れるこの気持ちは何だ?

 ポッカリと気持ちに穴が空いたようにも感じるし他の誰かといるなんて思うと千々に乱れてゆく気分になってゆく。


 元に会った時からこんな感情が突如として心に生じたのかもしれない。

 相楽と元の不思議な出会い。そして俺とは違う距離感でいることが俺の心を乱れさせているのか?

 そう思っているのなら俺は認めた方がいいのだろうか。否定した方がいいのだろうか。

 相楽の言葉が蘇る・・・嫉妬している?


 仮に相楽に好きな人ができて、その相手が元だったとしたら


『拓哉、紹介するね。私の彼氏。知ってるよね。私達って不思議な距離感で繋がっている。だからこうなるのが普通というか必然なのかも。喜んでくれるよね拓哉なら』


 なんて無邪気な顔で言われたら・・・俺はどんな顔をしたらいい?そんな可能性だってある。アイツのことが気になっている男子は他にもいることは分っている。


 頭を振ってもう一度俺達の関係を見返してみる。


 俺と相楽は親友だとしたら、相楽が誰を好きになったとしてもそれはとても自然なこと。むしろそんなことあるはずない、なんて考えている方が間違っている。特に今の相楽を見ていると思う。アイツは今は女として生きている。ということは当然男は恋愛対象になる。前の相楽の時は微塵も思ったことなかった。


 だから俺は安心していたのか?何に対して・・・もちろん相楽に対してだ。


 無意識に出る溜息は俺をさらに混乱の渦の中に落とし込んでゆく。


 なんでだ?こんなこと考えたいわけじゃないのに。今はやるべきことに集中しなきゃならないのに頭の片隅にはどうしても相楽の影がチラつく。それでも考えないようにするには骨が折れた。


 備品の片付けが終わっても相楽の姿はなかった。当然と言えば当然のことなんだ。約束だってしていない。

 少し前の俺なら『一人で帰ったか』なんてクールに思えていたのに今出来ることは現状を受け入れることしかない。

 また溜息が出た。

 俺は本当のところ相楽のことをどう思っている?なんだか俺もアイツの気持ちが伝染しているみたいだ。自分のことなのに自分のことが分らない。


 帰り支度をして一人学校を後にする。ほとんど生徒がいないのか学校はやけにひっそりとしていた。

 俺はいろいろ考え過ぎているのかもしれない。


「なんだ?」

 スマホが震える。もしかして相楽なのか?そんなことを思って画面を見てみると

「・・・食器用洗剤」

 それは家からで食器用洗剤を買って来て欲しいとの内容。また溜息だ。

 胸の中の空洞がさらに広がった気がする。部活巡りが終わったら連絡があるかと思っていたのに、その予想ははっきりと外れたことに言葉にならない虚しさがある。なんとなく夜の訪れのような気持ちがした。それは今がまさにそんな時間だから影響を受けているだけなのかもしれない。


 今日に限って何故こんな考えが頭の中を支配している?俺はずっと変なこと、根拠のないことを妄想しているに過ぎないんだ。相楽自身を俺が穢しているみたいで気分が悪くなる。相楽は何も悪くないんだ。


 気分を切り替えるために大きく深呼吸。さらに頬を軽く叩いた。

 きっと明日になれば変わらない日常になっている。そのつもりで駅前にあるドラッグストアを目指す。


 商店街は買い物する客で賑わっている。特売を狙っている主婦や売れ残らないように声を張り上げている店員の声。目の前に展開している喧噪が俺の気持ちを現実に馴染ませてくれる。


 あっちこっちから良い匂いがする。今夜のおかずは何だろう?

 そんなことを考えながら歩いていると相楽によく似た後ろ姿を見かけたような気がした。それはあまりにも一瞬であっという間に見失ってしまった。慌てて人混みを掻き分けたがもうどこにも姿はない。


 何回めの溜息だ ?何回すれば俺は落ち着く?何故無性に相楽のことが気になる?

 スマホを見る。そんなに気になるなら電話をすればすぐに繋がることができる。でもそれができない。今の俺には勇気がない。溜息と一緒にスマホをポケットに戻した。


 喧噪では俺のモヤモヤは消えそうにない。気がつくとドラッグストアに着いていた。

 俺は食器用洗剤を購入した。そういえばドラッグストアに入るなんてずいぶん久し振りだな。

 今は実にいろいろなものを売っている。薬や生活用品以外にもお米やお菓子なんかもある。なんとなく全体を見回していた時


「ん?」


 つい声が出た。それは向かいの側の棚に同じ高校の制服の女子が視界の中を横切ったからだ。

 見間違いかもしれにないが目線で追ってしまう。もし同じクラスの女子だったら気がつかないフリをすればいい。


 でも本当に相楽だったら?


 アイツに似た姿を見たせいもある。完全に脳がバグっている。見間違いの可能性の方が高いのに。


 しかしいくら見ていても誰かが姿を見せる気配がない。俺はさりげなく歩いてゆく。なんでそんなことそているのか自分のことが分からない。もし本当に見間違いならそのまま出口に向かって店を出て家に帰ればいい。これはちょっとだけ遠回りしているだけに過ぎないんだ。


 棚を廻り込むと誰もいなかった。今日の溜息は人生で最高値を数えているだろう。

 何が置かれている棚なのか見るとすぐに視線を逸らした。そこには紛れもなく避妊具の類いが置かれていたからだ。知識として分かっていても直視することなんてできない。


 もし今のが相楽なら・・・そんな妄想が勝手に頭の中で生み出され構築されてゆく。


 アイツが購入・・・馬鹿か俺は。なんてこと考えている?早くそんな妄想掻き消すんだ。

 でも止まらない。

 まだ高校生なのか、それとももう高校生なのか。そういう経験のある奴だっていてもおかしくはない。

 相

 楽だってそうだ。まだ高校生なんだ。それも新入生なんだ。


 相楽のことを考えれば考える程、心の中に虚しさが広がってゆく。

 ずっと親友だってお互い認めあった。ずっと親友・・・・・・それは本当にずっと続く関係なのか?


 足早に店を出る。

 妄想で頭がおかしくなりそうだ。昨日までとは何かが違う。なんで俺は自分で自分を混乱させて苦しませている?その原因はなんだ?また元のことが浮かぶ。なんでアイツの顔が浮かぶんだ?


 俺は走った。人混みを避けながらとにかく走った。息切れがして何も考えられなくなる。今はそれでいい。もっともっと自分の限界を知らない子供の頃みたいに走った。


 そのせいもあって家の近くのいつもの公園に着いた頃には気持ちはかなりクールダウンしていたし、頭の方もやっとスッキリしてきたように感じていた。


 夜はさっきより深まっている。でも。まだまだ本格的な夜じゃない。

 夕闇と夕暮れの狭間みたいな時間。


 見上げるとほとんど姿を消した線のように鋭い月が夜空にくっきりと浮かんでいる。あと少しでその姿は完全に消えてしまう。それを世間では新月と呼んでいる。満月とは真逆の月。


 満月・・・相楽はあの日は妙だった。本人もずいぶん気にしていた。でも何があったわけじゃなさそうな感じだった。


 なら新月はどうだ?またアイツは何か気にしているのだろうか。そんなことを思いながら月を見ている。


 不思議だな・・・さっきとは違って、妙に落ち着いている俺がいた。

今現時点でも新月があとちょっとでやって来ます。

読んでいただきありがとうございます。

自分でもドンドン訳の分からない方向に進んでいると思っています。

でも書いているうちに一つの着地点を見つけたかな。

この物語もたぶん後少しで一区切りになるかなっと。

本当の結末は決まっていますからそこで完結にはなりません。

13日の金曜日に予言みたいな文になってしまいました。

よし。三日後には復活して四日目の火曜日にアップだね。

次回もよろしくお願いします。

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