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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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なんで腕組むの?

 お昼は拓哉と一緒にお弁当を食べている時にふと思った。

  

 格好は昔とは違うけど、私達は昔からこうやってお昼をしていた。前の私と拓哉にとってこれは普通のことだった。今の私にも特になんてことない普通のことになっている。

 でも周りにはどう見えているんだろう。ってなんでこんなこと急に思ったんだろう・・・


 目の前の拓哉は黙々と自分のお弁当を食べている。今、シュウマイを一口で食べてからお米を頬張っている。男子の食べ方って豪快なんだよな。

 ん?なんで私のこと見てるの?

 あ、見てたのは私の方か。えっと、話題・・・そうだ。


「あのさ、昨夜のことなんだけど」

 私が言いたいこと、すぐに察知したみたいで

「マネージャーの件か?」

「うん、そう。ちょうど私も部活やってみようかなって昨夜思ってたんだ。だから今日はいろいろ見て廻るつもり。まあついでって形になるけど見学行ってもいいよ。いつ頃だったら平気?」

「そっか部活か・・・そうだな・・・別にいつでも。こっちは終わるまでに来ればいい」

 私は頷いて答える。

 食べ終わったお弁当に蓋をしたところで背後に気配を感じる。


「ねぇ、相楽さん。お昼終わった?終わったよね」

 耳元に話しかけてきたのは今井さんだ。ちょっと。ビックリだし、こそばゆいって。


「今時間ある?部室案内するよ。それとも日下部君と約束ある?」

 今井さんは交互に私と拓哉の顔を見る。

「特に約束はない。俺はトイレに行く」

 拓哉は自分の弁当箱をカバンの中にしまうとさっさ立ち上がって教室を後にしてゆく。

「日下部君行っちゃったよ。相楽さんはどうするのかな?」

「あんな逃げるように行かなくても・・・いいよ。今井さん。案内してもらおうかな。見に行く約束したもんね」

 今井さんはニッコリと笑うと私の腕に自分の腕を廻す。あの・・・これって?


「相楽さんって可愛いよね。小さくて」

 やっぱりそんな印象なのかな?男子からは遠巻きだけど可愛いと言われ、今は女子に目の前で直に可愛いと言われている。どっちの可愛いも悪い気はしない。けど同じ可愛いでも意味合いって違ってくるよね。多分だけど女子の可愛いって小動物的に可愛いってことなんだろう。


「あ、気にしてたらごめんなさい。でもホント言うとずっとこうしてみたかった。ギュ〜って」

「そうなんだ。だったら私も言うけどさ。今井さんだって可愛いよ」

「ホントに?嬉しいな。あ!早く行こう。お昼休み終わっちゃう」

 私は腕を繋がれたまま廊下を歩いて部室に案内される。

 これってもしかして拉致られているのかな?なんてね。こういうのだって悪くないね、たまには。


              ★★★☆★★★


「写真部にようこそ」

 部室の中には私達以外は誰もいなかった。ここには昼休みの喧噪はない。とても静かに時間が流れている。真ん中に置いてあるテーブルの上にはお弁当箱が置かれていた。


「私さ、ここでお昼することあるんだ。今日は相楽さんに見てもらいたくて掃除も兼ねてたから。それよりどうかな?」

 私は部室をぐるりと見回してみた。壁にはたくさんの写真がある。どれも学校での生活やいろいろな行事のモノだ。

 奥の机の上にはパソコンがある。それは起動していて画面にも写真があった。プリンターとスキャナーがあって棚にはカメラが何台か置いてある。覗いてみると時代を感じるレトロ感があった。


「古いでしょ。これみんなフィルムカメラなんだよ」

「フィルム?」

「そう。今はデジタルが主流だけど、フィルムって独特の味があって私は好きだよ」

 今井さんは部室の奥にある扉を指差して

「あの部屋は暗室なんだ。フィルムを現像するところって言えば分るかな?」

 私はそもそもフィルム自体を知らない。言葉では聞いたことあるけど実物を見たことはない。

 ・・・げんぞうって何?


「ウチにはデジカメしかないから見たことないよ」

「まあそうなるよね。中。入ってみる?」

「え・・いいの?」

 案内されて暗室に入る。中は狭くておまけに湿気が凄い。それになにやら妖しい赤い光が部屋の中を満たしていた。天井から何本も細長いモノがぶら下がっていた。

「これがフィルム」

 見せてもらうとそこには確かに映っている被写体が確認できる。

「こんな風になってるんだ。初めて見た。でもなんでこんなところで?」

「それはね、フィルムって光に当たると消えちゃうんだ。そんなことになったら今までの苦労が水の泡になっちゃう」

 そんな危険なモノなんだ。もし消えちゃったら思い出も消えちゃうってことだよね。昔の人の写真って一発勝負だったんだ。

「でもこのライトは平気なの?」

「これはセーフライトって言って印画紙に最小限の影響しかないようになっているの。まあ、白黒ならこれでいいんだけど、カラー印画紙なら完全に暗くしないとならないんだ」

 よく分らないがとにかく面倒で大変だってことはわかった。素直にそう言うと

「だよね。でも本当に素敵な瞬間ってシャッターを押した瞬間だってことフィルムなら教えてくれる・・・って、私はそう思っているんだ。そうだ。写真、見比べてみる?」

 その違いって私にも分るのかな?でも見ないことには判断のしようがない。

「うん。見せて。違いって分かるかどうかは分かんないけど」


 暗室を出ると気温が二度は違う。それに空気だって澄んでいる。あの場所は環境的にはあまり良いとは言えないかも。深呼吸していると

「お待たせ。これ私が撮った写真のアルバム。中学からのだからちょっと恥ずかしいけど」


 アルバムを開く。

 まず目に入ったのはこの学校の正門だった。入学式のもの。この景色なら私だって見ている。写真は確かに見慣れている今までとは違う。具体的にどうこうって言えないけど一目で分かった。

 輪郭は妙にパキパキしてないし色も全体と調和しているように見える。デジタルだとくっきりはっきり、色も鮮やかだけど淡さがない。フィルムの方が古めかしく見えるけど見ていて優しい。そんな風に思ったまま伝えると

「そう言ってもらえると嬉しいな。今時のレトロブームでフィルムも見直されているけどやっぱり扱いも難しいしお金も掛かる。おまけに現像できる場所も少ないから」

 満面の笑みと興奮が今井さんの気持ちを表している。

「ねえ、相楽さん。写真部に入らない?っていうか入って欲しいな」

 今井さんは私の腕にしがみつく。もしかして気に入っている?

「今井さん、急過ぎ」

 まだ一つしか見ていないのに即決はちょっと、と素直に言うと

「そうだよね。急過ぎだよね。ごめんね。新入部員って私しかいなくて。でもとにかくごめん。あ、チャイム。教室戻ろっか」

 教室の戻るのは当然だけど、なんでまた腕を取られているのだろう?歩き難くないのかな?でもまあ今井さんって感じの悪い人じゃないから、されるがままの状態で教室に戻った。


 なんかこういうコミュニケーションって今までなかったかも。記憶にないずっと前の私自身にも。

今日は暖かい。気分だけ春を先取り。

読んでいただきありがとうございます。

こんな日は散歩に限ります。

アップを終えた後、久し振りに代官山に行こうかな。

代官山にあるオシャレ蔦屋。

みんなパソコンなど開いて何かしています。

私もたまにはこういう場所で書くのもありかな。←意外とミーハーです

さ、おでかけしよう。気分転換も兼ねて。

また次回。それまでごきげんよう。

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