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ワタシ死ねないみたいです。あと○○になる方法、探してます。  作者: マナマナ


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写真部のクラスメイト

 スマホが震える。

「わ!なに?・・・びっくりした」

 見てみると拓哉からだった。

「・・・『部活まだならサッカー部のマネージャーやる気ないか?探しているんだ』」

 マネージャー?・・・なんで急に?そんなこと言われても考えてもなかったし今はそんな気分じゃないよ・・・

 とりあえず

『少し考えさせて』と返信

 返事はスタンプで返ってくる。

 私もおやすみ的なスタンプで返して終了。

「やっと現実に戻って来た・・・・・・」

 もう一度ガラスに自分を映してみる。けれど何ごとも起こらない。

 諦めてスマホを机の上に放り投げてそのままベッドに倒れ込むように入った。

 だが恐怖心は抜けていない。それに眠れるかだって分からない。電気は点けたまま瞼を閉じてこれ以上何もない静かな夜になることを祈っていた。


         ☀︎☀︎☀︎☆☀︎☀︎☀︎ 


「そろそろ起きないと遅刻するわよ」

 お母さんに起こされてやっと自分が眠っていたことを理解した。


「・・・・・・おはよう」

 よく寝ていたのか頭はボーッとしているが無事に朝が来たことに胸を撫で下ろした。

 昨夜のことがまだ頭の中で整理できていない。

 私は誰と喋っていたんだろう?分かっているけど認めるのが怖い。


 私の中には前の私が生きている。

 

 それも同じ女の子として。彼女が言っていたように本当に私はこの身体に勝手に入ってきた誰かなの?


 そんなの認めたらこの先本当に消えてしまう・・・?


「いい加減起きて。さっきから遅刻するって言ってるでしょ」

「・・・起きる・・起きるから急かさないで」

 お母さんが勢いよく開けたカーテン。窓からは太陽の光が入ってくる。眩しくて思わず目を伏せる。


「朝ご飯食べるでしょ」

「・・・・・食べる」


 お母さんが部屋を出た後にやっとベッドから出ることができた。そのまま昨夜と同じように窓のところまで行って、もう一度ガラスを触ってみる。


・・・・やっぱり割れていない。


 胸に手を当ててみる。

 ここに前の私が眠っている。本当に?信じられない。でも信じた方がいいのかな?信じたらどうなる?私はこの身体から出てゆく運命なの?そんなのは絶対に嫌。このまま生きてゆくって決めたんだ。


 そのことを話したら分ってもらえる・・・そんなことにはならないだろうな・・・いずれ消えてゆくのは私の方?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

 思考停止。

 これ以上考えても今は答えなんて出ないなら考えるのはもっと事態がはっきりしてからにしよう。それにまた話す機会があるならこっちからもいろいろ聞いてやるんだ。


「美有!早く」

 お母さんの声がする。いつまでもこうしていられない。だって今を生きているのは私だから。頬を軽く叩いて気合いを入れる。その時が来るまではこの身体は私のモノなんだ。ならやっぱり今を大事に生きなきゃ。私は今を生きるんだ。

「今行くから」

 悩む時間を作るくらいなら充実させるための時間を作ろう。私がずっと私でいるために。


 チャイムが鳴り終わる間際に教室到着。


 ギリギリセーフ。走ったせいで今頃汗が出てくる。最悪な一日の幕開け・・・にはしたくない。こんな場面だって青春の一ページだと思えば楽勝なんだ。前向きに今と向き合うんだ。じゃないと自分のこと見失いそう、今は。


 席に着いて汗をハンカチで拭いつつ息を整えていると

「おはよう。相楽さん、ギリギリだね。もしかして寝坊とか?」

「・・おはよう・・・まあ、そんなとこ。遅刻しなくて良かった」

 話しかけてきたのは今井舞さんだ。席が隣りということで割と話すようになった。まだ友達と呼ぶには早いような気もするけど、今井さんからすればあまりそんなことは関係ないように思われる。


『クラス全員と友達になりたいです』


 入学早々。自己紹介の時から言っていた。人と話するのが大好きなんだ、と公言している。

 彼女の自己紹介はなかなか個性があって名前はすぐに覚えることができた。


「私の名前は上から読んでも下から読んでも『いまいまい』です」


 なんて感じで始まった。確かにその通りでクラスから笑いが起こったくらいだ。可愛い名前だと思う。もしかして彼女の親はこうなるように計算して名前を考えたのだろうか?それともただの偶然だったのか?

 彼女曰く。

 小学生の頃はよく馬鹿にされていて嫌だった。けど次第に受け入れていくことでこの名前が武器になるって思ったらしい。それ以来馬鹿にされることはなくなって、むしろ覚えやすいという空気に変わっていったみたい。

 私も自分の名前は好きだ。可愛いし響きだって良い。彼女の名前だってとっても素敵だ。そのことを告げると彼女は気に入ったみたいで、それ以来毎日話し掛けてくれるようになった。


「すっごく眠そうだけど大丈夫?」

「うん。確かに寝不足だけど体は元気だよ」

「そっか。ねえ相楽さん」

 今井さんはそっと私に近づいて他の誰にも聞こえないように周りを気にして

「あのさ、入学式に言ったことってホントなの?あ、別に疑っているワケじゃないんだけど、やっぱりもっと知りたいかなって。あ、別の無理矢理聞こうなんて思わないし、話したくなかったらもう聞かないようにするけど」

 今井さんは私より背が高いけれど全体としてはほっそりとした印象を受ける。髪は腰まである超がつく程のストレート。正直羨ましい。私ももっと伸びてくれないかな。

 髪型は日によって変えてくることが多い。ツインテールだったりポニーテールだったり。今日は思いっきりアップにしておでこ丸出しのお団子ヘアをしている。だからか余計に目が大きく見える。そんな純粋な好奇心の瞳で見つめられたら断り難いよね。

 しかし、あらためて自分のことを聞かれるなんて思わなかったし、もうそのことにみんなは慣れて興味がないと思っていた。う〜ん・・・どうしよう・・・返事に困っていると


「今日って時間あったりする?」

「えっと、授業が終わったらいろいろ部活見て廻ろうかと。私まだどこにも入っていないんだ」

「そうなんだ。だったら私の部も見に来てよ」

「まあ、見るだけなら。今井さんって何部なの?」

「私は写真部なんだ」

「写真・・・へぇ」

 写真部ってカメラで写真を撮るってことだよね。それってスマホで撮るのと何が違うのかな?

「じゃあさ、お昼・・・」

 今井さんが私の腕に手を掛けたところで

「相楽、今井。そろそろ授業に入っても構わないか?」

 見ると沢渡先生が腕を構えていた。

 うそ・・一体。何時いらっしゃったのですか?


 私と今井さんは急いで教科書を広げて姿勢を正すと同時に大きく頷いて答えた。

昨夜は満月。今日は節分。明日は立春。

読んでいただきありがとうございます。

季節が変わりゆく今日この頃。四季があるって素敵だね。

トイカメラを買いました。プレゼントで。

実際の使い心地を聞いて面白そうなら自分用買おうかと。←ちとセコい

春という季節はまさに蠢く。気持ちも身体も。

その前に豆でも撒こうかな。

次回もよろしくお願いします。

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