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第46話 朝百合

 翌朝、大きな大きなベッドで目を覚ますと、レナセールが寝顔を見せてくれていた。

 立ち上がれ事件入浴後は、チェコと三人で錬金術の話で盛り上がり、試験対策までしっかりしてくれたのだ。


 試験の内容は、年々変わっている。俺よりも知識豊富なチェコのおかげで、何とか対策も取れそうだった。


「ん……ベルク様」


 思わず頬をぷにぷに。エルフの肌は白くて柔らかく、お餅みたいに伸縮性がある。

 なんかこう、人をダメにする柔らかさって感じだ。


 さて、レナセールには頑張ってもらわないとな。


 試験はいくつかの項目に分かれる。


 1. 理論試験。

 物質の変換法則、元素の属性、魔法の基本原理などをテスト形式で行う。

 

 2. 実技試験。

 指定された材料を使って、審査員を驚かせるようなものを作る。これが鬼門だ。

 ちなみに俺のときは、スライムを使って冷えピタを作った。今でもたまに使っている。

 販売化にまで至らなかったのは、感覚が苦手だと一般受けしなかったことだ。


 3. 材料の識別。

 これに関しては記憶が大事だ。おそらくレナセールなら問題ないだろう。


 4. 魔法と錬金術の融合。

 これは実際にするのではなく、原理の究明が主になる。

 といっても、レナセールは魔法が扱える。その場合は、特別な試験を更に受けさせてもらえる。

 無事に互角すれば大幅に合格点をもらえるのだ。


 魔法が扱えるとそれだけ有利になるのは、この世界が剣と魔法の世界だからだろう。

 実際、俺が二級なのはその点が大きい。


 レベッカ師匠しかり、チェコしかり魔法が扱える。

 もしかすると、レナセールにいつか追いこされるかもしれないな。


 ……そうならないように、頑張らないと。


「ベルク様、おはようございます」

「ああ、おはよう」

「――日課、ですよ」


 そういうと、レナセールが顔を近づけて、キスのあと、舌を絡ませてきた。

 他人の家なので申し訳ないが、これは毎日するとの約束だ。


 たまにこのまま激しくなるが、我慢我慢。


 すると、扉が開いた。


 慌てて離れる。立っていたのはチェコだ。


「あら、お邪魔しました? あと一時間後ぐらいに来ましょうか?」

「だ、大丈夫だ。どうした?」

「昨日話していた出発時間が少し早まりそうなんですよ。それとすいません、ノックっていつも忘れちゃうんですよね」

「す、すみませんチェコさん!? そ、その……これは、毎日の……約束で」


 軽くスルーしとけばいいと思うのだが、レナセールは自分の唇に触れながら謝罪した。

 ちなみに出発時間とは、錬金術師の集まりがあるらしく、そこに参加させてもらえるのだ。


 と、そんなことを考えていたら、チェコがおもむろに近づいてきて、なんとレナセールにキスをした。

 それも軽くではなく、舌を入れたしっかりとしたものだ。

 

 ちゅいちゅいと舌が絡み、レナセールが時折、声にならない喘ぎ声をした。


「確かに、これは日課にすべきかもしれませんね。初めてしたけど、レナセールちゃんどうだった?」

「ふ、ふぇ……き、気持ちよかったですけどあのその……ベルク様ごめんなさい」


 謝らなくてもいいんだが、いやむしろご馳走様です。

 するとチェコが、俺を見つめた。


「どうします? 日課、私ともします?」


 少しだけ戸惑っていると、レナセールが間に入ってあわてふためいた。


「だだだだ、ダメです! す、するなら私と!?」


 それもなんだか違うと思うが、チェコは「じゃあ、いただきます」と言いながら、本当に二回目をした。


 ちゅい、ちゅい、ちゅいちゅい。


 ……ちょっと、羨ましいな。


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