雪山の神
佐藤は、山岳部の仲間たちとともに、雪山への登山に挑むことになった。静寂が広がる中、彼らは雪の上を歩きながら、雄大な風景に心を奪われていた。
山小屋に到着した夜。仲間たちが楽しいひと時を過ごすなか、リーダーの佐藤は深刻な表情でみんなを呼び寄せた。
「みんな、これから先は注意が必要だ。この雪山には危険な秘密が潜んでいるという話があるんだ」
仲間たちは驚きながらも、興味津々で話を聞く。
「昔、この山で遭難者が何人も出ているんだ。でもその真相はわかっていない」
翌日、冷たい風が山を包み込んでいるなか、慎重に進んだ。遠くで何者かが低い声で呼んでいるような気がする。
「聞こえるか? あれはなんだろう?」
仲間たちは驚きながらも声の方に足を向けた。そこには一人の老人が立っていた。
「君たちも雪山に来たのか?」
老人の話によると、この山には古くから住む山の神がいて、山を守っているとのことだった。
「神が怒ると、山は猛烈な嵐に包まれ、遭難者を出すんだよ」
仲間たちは驚きと恐怖を感じながらも、山の神をなだめようと決意する。しかし、彼らが山頂に近づくにつれ、天気は急変し、吹雪が襲ってきた。
「これが神の怒りか?」
疑問が頭をよぎるなか、突然吹雪はおさまり、晴天が広がった。山頂に辿り着いた仲間たちは、その美しい景色に心を奪われた。
その美しい瞬間も束の間、佐藤が口を開いた。
「これが山の神の力だ。登山者の心を試すために吹雪を起こし、それを乗り越えた者には美しい景色を見せるんだ」
仲間たちは深く感動し、ここへ住むことにした。自分たちは遭難者ではない。自らの意思でここに住むことを決めた。佐藤の頭にふと思いがよぎった。
自分たちと同じ体験してをした人がここにたくさんいるかもな。