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天才魔女との憑依同盟  作者: アサオニシサル
序章 魔女との出会い
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4話 天才魔女との憑依同盟

 外に出ると、空の明るさとは相反した景色だった。黒く焦げ、折れた木や真っ黒になって転がった岩が延々と続いていた。村の形を残したと言っても多くの家はどこかしらが壊れていて、僕が知っている村とは別物だと感じざるを得なかった。

 人の姿は見えない。会議って言っていたけど、皆行ってしまったのだろうか。


「酷いや……だって、この前まで……」

(足元見てね。尖っているかも知らないから)

「ありがとう……これじゃあ散乱し過ぎてて、杖も探し辛いね」


 辺りを見回し、ない事を確認すると、少し進んでまた探してみる。もしかしてと思って拾い上げたが、ただの木の枝だった。


「あっ……!」

(あった!?)

「そうじゃなくてーー」


 倒れた木の上に座っている一人の少女を見つけた。


「カレン! 良かった……! 君も無事だったのか!」


 背も高く大人びた少女は、声をかけられると振り返り、僕の方を向く。この村では数少ない近所の同年代だ。


「レノン……! 目を覚ましたのね! 良かった……!」


 彼女は声を上げて立ち上がり、僕の身体を抱き寄せる。


「……心配かけたね。カレンこそ無事で良かったよ」

「レノンの家に行こうと思ったんだけど、作業の手伝いをしてたら行けなくなっちゃって……こっちこそごめんね」

「ううん、大丈夫だよ。少しだけだけど、手伝おうか?」

「この辺りのそれは、大体終わったから……大丈夫」

「そっか。間に合わなくてごめんね。ところで作業ってーー」

(レノン、そんな話より杖について聞きましょう。早く早く!)


 サキが横から話してくる。そんな急かさなくても良いのにと思いながらも話を切り出すことにする。


「ううん、えっと……何でもない。そうだ。僕が持っていた杖って知らない? ほら、あの先端に赤い宝玉が乗ってて光るやつなんだけど」

「それなら、ヴァーンさんがーー」

「えっ!? 師匠もこの村に!?」

(その人が私の杖持っているの!?)


 僕達はそれぞれ驚きの反応をする。


「うん。ヴァーンさんは火事の時に来て、私を助けてくれたの。鎮火した後も、怪我をしている人全員を診て回ってくれたのよ」

「そっか。師匠が助けてくれたんだ……! そ、それで今はどこに?」

「杖を取りに来ただけだからって言って、村を出ていったわ。あと、レノンにも大人気なかったって謝っておいてくれって」

(えーっ! その人が私の杖持ってっちゃったの!?)

「そっか……師匠、もういないのか……」


 僕は項垂れると、目を瞑る。少し前の事を思い出す。


『ーー治癒魔法はもう覚えました! それより今度は、敵をやっつける格好良い魔法を覚えたいです!』


 あんな駄々をこねて、大喧嘩して、破門だとまで言われたのに来てくれた。もう一度会って話をしたい。もう一度弟子になんてわがままを言うつもりではなく、謝った後に、お礼を言いたかった。


「師匠は悪い人じゃないよ。師匠が怒ったのは、僕のせいだからーーでも師匠が持っているならとりあえず安心出来るよ。どこに向かったかは聞かなかった?」

(安心出来るわけないじゃない! そんな人私知らないんだけど!)

「行き先は言ってなかったわ」

(そ、そんな…………)

「そっか。ありがとう」

「ーーねえ、レノン。今でも守護騎士になりたいって思ってる?」


 会話がひと段落つくと、カレンから話を切り出した。唐突な質問に焦る。そして村の立て直しのことを思い出す。


「えっ……? あっ、村の復興が先なのはわかってるからーー」

「そうじゃなくて……! どう……思っているの?」


 執拗に聞く彼女の目を見るためにほんの少しだけ首を上に動かす。いつになく真面目な雰囲気で、からかうような感じではない。


「僕はなりたいと思っているよ。今回の件で一層強く思うようになった」


 それなので、今の想いを正直に伝える事にした。


「……どんなに手を尽くしても、全員を助けられなかったとしても?」

「うん。それでも出来るだけのことをしたいと思っているよ」

「そっか……あの、レノン。怒らないで聞いてね?」

「うん?」


 いつもは僕がこう言うと笑って、子ども扱いして僕の頭を触るカレンだが、そのような素振りはない。少し調子が狂う。


「今まであなたが守護騎士になりたいって言ってるの聞いてて、出来っこないのに夢見てて子どもだなって思ってたわ」

「知ってるよ。私より小さいのにーーっていつも言ってたじゃん。僕だって同じ立場ならそう思うかもしれないし」

「でもね。今なら、レノンなら出来るかもしれないって思うわ」

「どうして?」

「あなたはねーー私より、私が思っているよりずっと強いと思ったから」

「ああ、あれは色々あって今はもう……それに最後は……」


 サキの杖の支援があったから強い魔法が使えただけーーとは口が裂けても言えないが、本来の強さではない。誤魔化す言葉を頭の中で探す。


「ううん。今もレノンは強いよ。私からはそう見えるだけ、だけどね。だからもっと強くなって」


 意外な言葉に戸惑いを隠せなかった。だがその表情から、からかってはいないみたいで、さっきの会話と合わせてカレンが言っていることの意味を理解した。


「ありがとう。もう口だけじゃない。本当の意味で覚悟が出来たんだ。今日の夜、母さんにも話してみるよ」


 僕は彼女を真っ直ぐ見つめ、そう告げた。


「もし、辛いことがあったら帰って来ても良いわよ。その時も、お姉さんとして優しく迎えてあげるから」

「……わかった。今みたいなお淑やかな長身美人お姉さんがこの村に居るなら、何かあった時も相談出来るよ」


 彼女は少しムッとする。僕も同じような表情をしているのだろう。話してじゃれ合って、笑ったり怒ったり、手伝って一緒のご飯を食べたりしていた頃が、ついこの間まで当たり前だったのに懐かしく感じる。あの頃も頑張って毎日を生きていたけど、今思うと平和だったのだと感じた。


「「あははははははは!」」

「やっぱり笑っていた方が良いよ。村を出る前に、その顔を見れて良かった」

「ーーうん、そうかも。私もレノンと話せて良かった。手がつかなかったけど、私もやらなきゃって! お父さんが帰ってくるまでにやる事があるから。じゃあね、レノン!」

「わかった。じゃあね、ありがとう」


 カレンはそう言うと去っていき、また僕だけになった。


(私達も帰りましょう? 杖もここにはないし、本来あなたは寝ているはずでしょ? 会議が終わる前に帰らないと心配するわ)

「うん、わかっているけど、もうちょっとだけ」

(あなたがそう言うなら、止めないわ)

「ありがとうーー」


 周りの風景を見渡す。あの男達が村の人を殺す姿が鮮明に思い出される。あいつらはこんな事をしてまで、あんな目に遭ってまで、何がしたかったと言うんだ。


「もう、こんな思いはごめんだ……!」


 拳を強く握る。だから、変わってしまった村を、今抱いた感情をもう少しだけ目に、いや、それだけでなく身体全てに焼き付けよう。もう二度とこんな景色を見る事がないようにーー


(レノン……聞いても良いかしら? 私にとっては大事なことなんだけど…………)

「良いよ」

(私の杖を持ち歩いていて、持っていったあなたの師匠ーーヴァーンってどんな人なの? 私、そんな人知らないんだけど……)


 サキが不安そうに聞く。彼女にとって大事な物だし、僕があれだけ強力な魔法を使えるようになるのだから、とても危険な物でもある。


「僕が弱かっーー弱いから、どれくらい強いかはわからないけど、とても強いよ。冷静な人で、淡々と僕に魔法を教えてくれた。でも僕が上手く魔法が使えると、口元が笑って喜んでくれるんだ。それを見て上手くできたか判断してたなぁ」

(信頼しても良い人なの?)

「うん。信頼出来る人だよ」

(そう。あなたがそう言うのなら、その人に任せておけば杖はとりあえず安心ね。どこにでも行けるほど強くなったら、探してみましょう)

「そうだね。また会えたら、僕も嬉しいかな」


 地面に転がっている石を蹴りながら、今度は僕から話を切り出す。


「ねえ、サキ」

(ん? 何?)

「村から出る前に村の立て直しをしなきゃいけなかったね」

(そうね。でもどれくらいかかるのかしら?)

「わからないけどーーやらないといけないことだからね」

(結構後になるかもしれないわね)


 少し間が空き、その間を風が吹き抜ける。灰が頬に触れるが、既に熱さは感じなかった。


「あと、さっきはありがとう。カレンも、僕が寝ている内に、これより酷い景色を見ていたんだね。もう復興作業は始まっている。辛い現実を見たのは僕だけじゃなかったのに……」

(私はただーー辛いだろうからって思って……レノンもそうだったけど、きっと焼け死んだ人なんて初めて見ただろうし。触れてあげない方が良いと思って)

「……そうだね。辛そうだった」

(でも不要だったわね。あの子はレノンのことを強いって言ってたけど、あの子も私が変に気をつかうほど弱くなかったわ。私達に元気を分けてくれるくらい強い子なのね)

「うん。たくさん貰ったよ。僕も口だけじゃなく前に進まなきゃね」


 そう思いながら、サキと話しながらも、変わったラティーの村を少しだけ見て回った後、家に帰った。



 ◆



 その日の夜、夕食の時間に、食べられそうな物を集めて並べた。僕はそこで母さんに話を切り出した。


「あのさ……前から言ってた話なんだけど……」

「守護騎士になりたいって話?」


 母さんが言葉を返す。母さんはすごい。僕が言わなくても言いたい事はわかってしまう。


「うん、やっぱりなりたい。だから……村を出ようと思うんだ」

「ーーそう言うと思っていたわ」

「なんでいつもわかっちゃうのかな?」

「あなたのお母さんだから。それとね。火事のときレノンが助けてくれたって言ってた人がいたから」


 確かに意識があった人がいたなと今になって思い返す。あのときは必死だったけど、それで助けられたなら良かったと思う。


「あとはヴァーンさんが、治療の時にあなたの傷が普通じゃあり得ないような怪我の仕方をしてるって言って、二日に分けるくらい治すのに苦労してたから。何かをしようとしたんじゃないかと思ったの」

(普段より急に出力を上げて、内側から傷ついて血が出てたあれね……)

「……本当に母さんには何でもわかっちゃうね。僕は今まで村の人の助けになりたいって思っていたけど、今回の件で、もっと強くなって、守れるようになりたいって思ったんだ」


 今の考えを正直に伝えた。母さんは言い終わるまで否定せずに、聞き流さずに、聞いてくれた。


「そう、ね。本当は危険だから行ってほしくない。だけど、誰かを助けられるような人になれって育てたのは私だから。もっと先に進みたいって言っているのに、ここで否定したら母さんの教えに嘘をつくことになるわ」

「じゃあーー」

「でも、一つだけ約束して」

「何?」


 母さんは認めてくれようとしている。その上で聞いてくる質問なら、僕も最後まで聞こうと思った。


「敵を倒す、殺すためじゃなくて、誰かを助ける、守るために戦う騎士になりなさい」

「うん、わかったよ。今もその気持ちでいるし、これからも忘れないようにする」

「じゃあ行きなさい。家から出たら母さんは口出し出来ないからね。信じるわよ?」


 最初に話を切り出す前は、もう村から絶対に出るなと言われるかもしれないとも思っていた。だからそう言われて驚いたけど、嬉しかった。


「ありがとう! 大丈夫、約束は守るってーーじゃあ村の立て直しが終わったら行くよ」


 母さんは僕の言葉に対して少し考えるように黙った後、口を開いた。


「ーーいいえ、行くと心に決めたのなら、早く行った方が良いわ。その方が早く強くなれる。そしたら多くの人を助けられるでしょ? ずっと石や木を運んで強くなれるならそうしてもらうけど、そうじゃない。村の立て直しって、すぐ終わるわけじゃないんだから」

「それはわかってるけど、やっぱりこの村の人の負担が……」

「良いの。会議のときにもうその話はしたわ。皆、レノンがいないと辛いのはわかっているはずなのに、応援してくれるって言ってくれたわ」


 魔法を安定して使える人数は、この村では限られている。そういう意味では僕も復興に必要な人材のはずだ。そんな中、僕を応援してくれると言ってくれたのか。それなら、きっと僕はーー


「ーーわかった。じゃあ、その気持ちも乗せて行くよ」

「守護騎士を目指すために、どうすれば良いかわかってる?」

「いきなり騎士になるのは無理ってわかってるよ。まずは誰でも目指せる騎士見習いになってそこから頑張るよ」

「誰でもなれるというのは資格を得る事が出来るってだけ。その中で、自分の力で生き残らなきゃいけないのよ。それもわかってる?」

「うん、わかっているよ」

「ーーそう、それならリシューに行きなさい。一番近いし、騎士見習いを奨励しているから、頑張ればきっとやっていけるはずよ」


 騎士見習い受付所があるのは名が知れる都市だけだ。そして、リシューはラティーの村から一番近い都市だ。


「うん、わかった」

「もう今日は遅いから準備して寝なさい」

「うん。母さん、ありがとう」


 夕食を終えると、片付けをした後、自分の袋を取り出して、中に入れる物を考え始めた。


「杖は前に僕が使っていたやつを手に持つとして、魔法の本、魔物の本、地図っと。あとは何を持っていけば良いかな?」

(そうねー。あまり重くなっても困るし……でも鍋くらいはあった方が良いかも?)

「鍋は家のを持っていけるかな……? 聞いてみる!」

(あとはーーあれば、お金ね)

「お金はこの村では流通してないから……」

(そう……)

「うん。でも何でも言ってくれるだけありがたいよ」


 その後、母さんに聞いて、鍋は一つ家のを持って行っても良いと言われた。


 ーーそして、次の日の朝になった。


「じゃあ、行ってくるね」

「レノン、これ」


 母さんが小さい袋を持たせる。


「これは?」

「お金。村では使ってないから持っていないと思っていた?」

「う、うん」

「母さんは村長だから。一応メモも入れておいたから、本当に必要なときだけ使いなさい」

「あ、ありがとう……!」

「レノン、良い? 約束は守ってね」

「うん。わかってる。僕、強くなるから! じゃあ、いってきます!」

「いってらっしゃい! レノン!」


 僕は手を振る母さんに手を振り返して歩いた。小さくなると、前を向いて歩きだした。


(皆良い人だったわね。レノン、良いところで育ったわね)

「うん、僕もそう思うよ」

(あっ! そうだ!)


 村を出る辺りでサキが思い出したように言った。


「どうしたの?」

(同盟を結びましょう! 同盟を結成するの!)

「同盟……?」

(同盟って言うのはね、お互いにやりたい事を確認して、良いよって言い合って協力するの!)

「うん、別に良いけど、どうして急に?」


 魔法ですらその場で適当に使うサキが、らしくないなと思って聞いてみる。


(これから一緒だから、レノンの考えている事を知りたいし、もし何かがあって迷った時、挫けそうになった時に私達の決意を思い出せるように)

「うん、そう言う事なら。じゃあ僕はーーまずは騎士見習いからだけど、それから騎士、ゆくゆくは守護騎士になってより多くの人を助ける事かな。うーん、ちょっと大き過ぎるかな?」

(理想は大き過ぎる位の方が丁度良いわ。私のはもっと大きいからーー)

「さっき目的を聞いた時は、世界を見たり話したりするだけだって言ってたのに……」

(それは村を救う事に対しての対価だもん。今は違うもん!)


 僕の命を懸けた願いは、彼女にとっては本当にお助け程度に過ぎなかったという事か。まあ確かにあの魔法を見れば頷けなくはないのかもしれない。


「それじゃあ、サキの理想は?」

(幸せになること!)

「えーっと、つまり、具体的には……?」

(具体的にって言っても、幸せって具体的じゃないし……私がやりたい事とか嬉しい事ができる事……かな?)

「つまり、君のやりたい放題に同意しろって事!?」

(そ、そんなわがままじゃなかったもん! 例えばーーレノンの理想のお手伝いができるのも嬉しいし、レノンが強くなれば多くの人を助けられる。それは私のやりたい事だから。ほら、それなら目的は一緒よ?)

「本当かなー? 他には?」

(私が自由に動かせる身体が欲しい! 私の杖を取り戻したい!)

「一気に難しいのが来たな……頑張るけど」


 検討もつかないが、魔女として以前に、普通の人として不便だろうから、当然の願望だろうけど。


(あなたにとっては簡単な事じゃないってわかっているわ。すぐに出来ない事も……あっ、じゃあ時々私がこれしたいって言ったら聞いてもらっても良い?)

「仮に同盟と言っても、僕に出来る事は限られているからね?」


 そう口では言いつつも、全く嫌だという気持ちはなかった。彼女に対しての感謝も大きいが、これまでのやり取りから彼女なら悪い事を喜びにしたり、やりたいなどと言うことはないだろうとわかったからだ。彼女と協力すれば、本当に守護騎士も夢ではないかもしれない。


(それはわかってるもん。我慢もするし、わがままもそんなに言わないわ)

「そんなに?」

(誰しも少しくらいはあるでしょ? その範囲よ。レノンが意地の悪い人で私の提案を全部わがままって言うかもしれないでしょ?)

「わかってるって。それで良いよーーそれで、名前はどうするの?」


 きっと名前も決めたがるだろう、そう思って僕から聞く。


(そう! 名前は大切よね! うーん……)

「僕とサキの今の状況を言葉で表すとなんて言うんだろう?」

(うーん、やっぱり憑依……かしら? 憑依する事自体は成功したみたいだし。つまりーー)

「憑依同盟か……どうなんだろ?」

(一人の身体に憑依させ、我ら二人の理想を叶える。二人はこの契りを、憑依同盟と呼ぶーーねぇ! 格好良くない!? 格好良いの出来たわ!)


 僕には少し疑問に思う点もあったが、サキが気に入っているならそれで良いかなと思った。万一本人が変えたいと思ったら、その都度変えれば良いんだし。


「僕はそれで良いよ」

(じゃあ決定! 憑依同盟結成!)

「頑張ろう!」

(おー!)


 僕達は声をかけ合う。


(ねぇねぇレノン、同盟の仲間の事をなんて呼ぶか知ってる?)


 サキは嬉しそうに聞いてくる。


「同盟仲間じゃないの?」

(違うわ。盟友って言うのよ)


 あぁ、なるほど、なんでいきなり同盟なのかと思ったら、遠回しに友達って言いたかったのかーーそんな回りくどい事しなくても良いのに。


「うん、僕達はもう友達だよ。ずっとね」

(ーーうん! ずっと友達だからね!)


 少女は嬉しそうに答えた。こうして僕とサキは一緒に旅をすることになった。つまりーー


 天才魔女との憑依同盟が始まったのだ。

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