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妖魔皇女と三十路男  作者: 饗
4/5

部屋へ入ろう

皇女殿下が居る部屋ではないのに、この部屋ですら広く感じる

正方形というよりは長方形になっている部屋に真ん中には丸いテーブルが置いてあり

そこには椅子が4つ、すべて高そうな品物だ

暖炉も置いてあり、その反対側にはソファがある

シャンデリアから蝋燭の日がゆらりと照らしていて落ち着く明かりだった


この部屋は黒いローブの男の待機室なのか?

この屋敷に皇女とローブ男以外が居れば同じように従卒の待機場所だろうか

まず個人の部屋ではないはずだ、皇女の隣の部屋なんて勘弁だろう


フカフカの絨毯の上を皇女の部屋のドア前まで歩く

こういう絨毯の上は裸足で歩いてみたい

ついに自分の未来を握っている皇女殿下の部屋の前だ


玄関前と同じように扉の正面には立たず壁側に避け、手だけを扉の前に出すようにして

ノックを4回する


「本城です」


扉の向こうから返事が聞こえる事はない

やっぱり返事は帰ってこないかと思っていると


高い音を立てて扉が小さく開いた

右手で扉自体を掴み、ゆっくりと開けた


部屋を覗き込むと、今いる部屋とは比べ物にならないくらいの部屋が目に映る

奥には天蓋付きのベッドが見える、キングサイズのベッドだろうかかなり大きい

テーブルにソファ豪華なシャンデリア、茶器に化粧台、人生で一度も見たことのないものが

並んでいる

ただ部屋全体は玄関と同じようにギラギラした派手のある部屋ではなく、落ち着いたデザインで

まとめられていると思う

派手な場所はあまり好きではないので住むならこういうデザインが良い


それはさておき、部屋の扉は開けておき、部屋に入ることにする


足音を立てず、少し前傾姿勢で歩く、部屋角や資格に注意するが特に危険はない

この部屋に人が居る感じがしない


「誰も居ない…」


独り言を呟き立ち尽くしていると

シャンデリアに立てられている蝋燭の火が息を吹きかけられたかのよう順番に消えていく

それだけならまだよかったのだが、それ以外の蝋燭まで消え始める

太陽の光も差し掛からないためもう何も見えない


構えて立ち尽くしている隆一の左腕に力が加えられる

左腕周辺からはふんわりと甘い香りがする 

男のタカが外れるような、香りが隆一の鼻腔をくすぐる


今まで匂いはなかったのになぜこの瞬間に匂いがするのか

それに足音がなかった、にも関わらず左腕を掴まれているのだ


隆一の左腕が力強く下ろされる

右で引き剝がそうとするが右手は空を切る

右手が空を切れば、左腕を引かれベッドの方向へ引きづられる

この部屋に入ってきた扉の方向へ隆一は力を加える


それでも、身体は引きづられて行く


もうどうしようもない


それなりの距離を引きづられた隆一は開いた天蓋の隙間からベッドへと

身体を倒されるのだった。






















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