自分らしさ
藤子・F・不二雄『ドラえもん』の源静香は焼き芋が好きである。しかし、恥ずかしくて人には隠している(『ドラえもん 28』「しずちゃんの心の秘密」小学館、てんとう虫コミックス、1983年)。アニメ「ヤキイモの気持ち」では最後に焼き芋好きであることを認める。これは良いことである。焼き芋が好きということを恥ずかしがることではない。世間の価値より自分の食べたいものを食べるのが良い。
値段と味は比例しない。高級料理より焼き芋が好きでも何らおかしくはない。コストパフォーマンス(コスパ)の高い生き方である。他人からの評価よりも自分が好きなものを素直に好きと言えることが大切である。自分にとって価値あるものであれば、堂々と胸を張って生きよう。それがどのようなものであれ、「好きだ」「面白い」と言えれば、人生は豊かになる。
多くの人は「自分はこうありたい」という理想像を持っており、自分の行動や言動によって周りがどのように感じるかを考えてしまいがちである。これが大きな間違いである。「自分らしさ」は他人から見たときの印象ではなく、自身がどう思っているかである。無理に他人と同じものを目指さなくても良い。個性を出すために無理をする必要はない。
他人から見てどのように思われているのかを気にするあまり、本当の自分を出せずにいる人は多い。一度立ち止まって自分自身を見つめ直すことが必要である。そして、本当にやりたいことは何かを考える。「自分らしく生きる」とはどういうことか。それは「他人の目線を気にせず、自由に生きることだ」と。
寺沢大介『ミスター味っ子』は料理漫画の古典である。主人公の味吉陽一は大衆食堂・日之出食堂で料理を出す。値段と味が比例しないことを実践している。「高けりゃ良いってものじゃないぜ」との台詞もある(寺沢大介『ミスター味っ子II 1』講談社、2004年)
同じ材料を使っても料理人の腕次第で出来上がりの質は変わる。「高いから美味い」という論理自体が成り立たないことは言うまでもない。「安い=質が低い」とは限らない。無駄に金を使って金を回すことが経済発展という昭和の発想を否定する。値段が高いものが良いものではなく、消費者に価値を提供できるかが問題である。
コストパフォーマンス(コスパ)は重要な指標である。低価格路線を打ち出して知名度を上げ、多くの消費者に利用されるチェーン店がある。これは他の飲食店にも応用できる成功体験である。外食産業の多くはこの手の手法で成功し、業界最大手となった企業も少なくない。




