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調味料

自分が食べたいものを食べたい分だけしっかり食べることが食欲を満たすことである。飽食に価値はない。自分が満腹と感じたら、それ以上食べる必要は感じない。SDGs; Sustainable Development Goalsのターゲット2は「飢餓をゼロに」である。食べることに本気で取り組めば、心や体の質も上がる。それはひいては人生の質の向上にもつながっていく。


新型コロナウイルス感染症(COVID-19; coronavirus disease 2019)の衝撃的な症状の一つは味覚や嗅覚がなくなることである。「ラーメンの味が薄い」と感じたことから、新型コロナウイルス感染が判明したケースがある(「「ラーメンの味が薄い」で発覚 神奈川の20代男性感染」朝日新聞2020年4月2日)。


吉本興業所属お笑いタレント森三中の黒沢かずこさんも味覚や嗅覚の異常が感染発覚の端緒となった(「お笑いタレント「森三中」の黒沢かずこさん 新型コロナ感染」NHK 2020年4月4日)。普段漫然と食事していた人も、味を確認しながら食べるようになっているだろう。味覚や嗅覚がなくなることは新型コロナの後遺症でも見られる。重症化しないから新型コロナウイルス感染症を軽視して良いことにならない。


桐田詩夜葉は素材そのものの味を楽しむことが好きである。醤油やソースなど調味料を自分で振りかけることはあまりしない。ところが、食レポの傾向から隠しスパイスの味付けが好きなのではとの指摘を受けた。それは今回の取材に協力してくれる予定の雑誌社のスタッフさんである。身長が高くスタイルも良い女性なのだが如何せん無表情のため何を考えているのか、いまいち掴めないところがある。


自分でも意識していない好みかもしれない。自分で調味料を振りかけることはしないが、既に味付けがなされているものは好きなのかもしれない。好物は寿司とハンバーガーで、ともに炭水化物とタンパク質を一緒に食べられることが特徴である。既に味つけがされていて、そのまま食べられるものが好きなのかもしれない。


グルメ取材でレストランに行く。桐田詩夜葉はカウンターに座ってメニューを見た。本当にメニューが多い。これは凄い事よ。こんなメニュー多いのはこの店だけだものね。

「あ、こっちにもお洒落なお皿やカップが沢山……」

同行者は興奮して話し始める。彼女はグルメ雑誌に記事を書く仕事をしていて美味しい料理に目がないと聞いているからな。そのせいか普段より饒舌だ。


料理には調味料が全然振られていないことに気付いた。そもそもこの店の料理人さんと話をする時も、あまり調味料類を手に取ることはしていなかった気がする。それどころか調味料について聞かれたことも無いような……。

「実はね……、僕も調味料の味より食材の味を引き出すことの方が好きでして」

シェフは目をキラキラさせながらこちらを見てきた。


うん、何か今になって恥ずかしくなってきたぞ。これは多分、私の個人的な好みの話だろうなぁ。ま、まぁいいじゃない。私は調味料を振りかけないことで有名な人なんだから!!?別に隠すことじゃなかったけど……何だろうね。ちょっとだけ負けた気がするというか、負け惜しみ的なアレよ、アレ。それにしたってこの話の流れで暴露するのはどうなのか。我ながらよく分からん心理状態である。


ともかくだ。桐田詩夜葉は隠しスパイスの存在を知らないし、これから先も知ることは無いと思う。だから桐田詩夜葉の作るハンバーグには最初から何も掛かっていないし掛けようが無い。


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