食事
食欲はそれほどない。珍しい高級料理を食べることに興味はない。「美味しそうに食べてください」と言われてもあまりうまくはできない。食事が豪華であればあるほど、食事本来の目的から逸脱するように思えてくる。
以前は魚や肉が食べられず、スパゲティを食べていたが、最近はサラダを食べずに肉ばかり食べる。寿司にはわさびがつけられなかったが、今はわさびがなければ寿司ではないと思うようになった。
全国どこでも同じ味、同じサービスのチェーン店に安心する。牛丼も基本的に嫌いではない。あの価格と量と味なら、コストパフォーマンスは素晴らしい。値段と価値は比例しない。
牛丼というと「並、ギョク、つゆだく」のような、自分のお気に入りの食べ方にこだわる人がいる。私自身はネギだくにしたいとは全く思わないし、卵をつけたいとも思わない。
私にとって牛丼屋の魅力はファーストフードであることである。牛丼屋が凄く混んでいるのを見ると、「そうまでして食べたい?」と思ってしまう。実際のところは、そうまでして安く済ませたいのだろう。
因みに鰻丼は、タレのかかったご飯の部分の方が楽しみだった。もっとも、鰻がなかったら、それで喜べたかは疑問である。
デビューしてから焼肉屋によく行くようになった。大阪時代は収入の問題もあり、「外食は千円以内」をポリシーにしていた。そのため外食産業の中でも結構割高な焼肉屋にはあまり行かなかった。
焼肉はまあ普通に好き。基本的には、カルビやロースのような普通に肉という感じの部分が好きだが、焼肉屋に行くと、ハツ、タン、ミノ、ホルモンのような普段はあまり食べられないようなのも、頼んでみたくなる。レバーは苦手。あの「な~」という感じの食感が受け付けない。
焼いてキープしてある肉は玉葱の上に置く。焼き過ぎ防止にいい。焼肉だけでなく、ホットプレートに置いてあるステーキでもやる。この場合、焼肉のように置き過ぎに注意するという対策も取れない。
焼肉は、ずっと食べていると、結構くどく感じることがある。キャベツを焼かないで生で食べると、口の中に残っている味を消して、スッキリさせることができる。
麺類ではうどんが一番好き。かけうどんも、焼きうどんも好き。素麺も冷麦も好きだが、夏になると、必要以上に素麺が送られて来たりするものなので、そうなると見ることも嫌になる。
関西と関東では、うどんのつゆの味が違い、最初は中々馴染めなかった。汁の色まで違って見えた。今は関東風も美味しいと思うようになったが、西日本に行く時は関西風を食べることが楽しみである。カップうどんも東西で出しの味が違うため、関西風があると、すかさず購入する。
ラーメンも最初、あっさり風味の東京ラーメンを食べた時は、「味ないやん」と思ってしまった。ラーメンのスープを、チャーハンの付け合せとかで食べると、それは美味しかった。美味しいのだが、西の人間の味覚からすると、あっさりし過ぎている。
東京には色々な味のラーメン屋があるので、こってりした所で食べている。このように選択できることがいいところである。最近は、東京風醤油味でも、美味しいと思う店も出てきた。おそらく、味覚の方が変わってきているのだろう。あっさり味で美味しく感じさせるのには、高い技術が要求されるから凄いと思うようになった。スープ自体の味に深みがないといけない。
中華料理店で昼食を食べる。先ずは野菜サラダ。揚げた小エビが3つ付いている。見た瞬間イヤな感じ。期待はしていなかったが、ドレッシングが怪しい。喉に異常な刺激を与えて、せきが出る。ほぼ全量残してしまう。
次いで、漬物であるが、つやがない。切った後長い時間、冷蔵庫にあったようだ。少し食べただけでも化学調味料のきつさが分かる。食感も悪い。これも残してしまう。お茶を飲む。お茶は美味しい。
そして待ち望んだ、スープ、ご飯、鳥唐揚げ甘酢あんかけが到着。ご飯の炊き加減は良い。とりわけ、水加減が良かった。勿論、全部食べた。鳥唐揚げ甘酢あんかけは、あんから味見する。甘酸っぱい味はするのだが、旨みが感じられない。鳥の唐揚げはというと、化調は使っていないと思われる。普通に美味しい。再び、あんと野菜を食べる。不味いわけではないが、うまくもない。コクが感じられない。化調は感じない。味に、何かプラス一工夫してほしい。サッパリを通り越して、そっけない味になっている。それでも全部食べた。
スープは卵と薄切りマッシュルーム入り。大外れである。この味からは、ダシのうまみが全く感じられない。淡白なのかというと、そうではなくて、得体の知れない変な味である。下の表面にしびれに似た感触が残る。たぶん化学調味料を入れている。私は、中国料理では湯がいちばんの好みなのだが、こんなスープベースでは萎えてしまい、ほとんど残した。
デザートは杏仁豆腐。小さめのパック豆腐の形をしたものである。一口食べる。寒天多めのさっぱりしたタイプではない。といって、生クリームを使ったこってりタイプでもない。どちらつかずの中途半端なできである。一口食べて後は残す。
サラダのポイントは何だろうか。それは私が思い出す限り、最も退屈な食べ物である。それは水からできるために、味がない。レタスは大勢の人の足で踏みつけられたカーペットを噛むようなものだ。そしてどんなに噛んでも噛み砕くことはできない。
赤カブはゴツゴツした赤い液体である。食用酢のシチューのボール紙である。それは牢獄で囚人を罰するやり方である。セロリの話はしないで。それは紐でできているに違いない。それは歯に突き刺さり、話す度にギーギー軋む。
トマトは古い皮を剥いて作られたビショビショのリンゴである。それはジャンパーの至るところにシミを残す。玉葱は目に涙をもたらすだけ。吐く息はロバのように臭くなるだろう。人参はウサギが崇拝するが、私は食べたくない。




