この宇宙の成り立ち その9 そして惑星の売買へ
『宇宙安全保障維持機構』を利用して他の惑星を手に入れることが出来なくなった地球人たちが、他の星族たちの惑星を手に入れる手段として新しく考えたのが惑星の売買である。
まず『宇宙安全保障維持機構』のリーダーの地球人たちは廃棄物を発生させた惑星に対して税金を課すと宣言した。それによってそれぞれの星族たちが廃棄物を発生させることを抑止させるものだという法律だ。
それぞれの惑星が廃棄物をどの程度発生させているか調査のためとして、地球人の技術で造った機器を彼らの星に送って調査させた。地球人の調査機器によって廃棄物が発生するというのはゼッペリア星やドメストリアン星とまったく同じパターンである。
しかし、すべての惑星で同時に廃棄物が発生すると怪しまれると思った地球人はある特定の惑星にだけ大量に廃棄物が発生しているとデータを改ざんすることにした。そのために廃棄物調査を担当する『宇宙安全保障維持機構』の職員は地球人のみで構成することになった。
彼らがそう主張した理由は地球人が廃棄物に一番詳しい専門家だということである――地球人のみが廃棄物を生み出すのであるから、地球人が廃棄物に詳しいのは当然である。廃棄物を生み出さない他の星族たちは、そもそも廃棄物というものを目にしたこともなかったので。
廃棄物が多量にあるとデータを改ざんされたペトロン星には多額の税金を課せられた。その税金は廃棄物処理の仕事を専門に担当する地球人たちに支払われることになった――地球人は廃棄物に詳しいという理由で、廃棄物に関する仕事はすべて地球人たちが対処することになっていたため。
廃棄物が一定量を超えたと判断された惑星の星族は『宇宙保安維持機構』の定めた業者に廃棄物の処理を依頼しなくてはならないという法律もつくった。
その業者はすべて地球人で構成され、彼らの活動には『宇宙保安維持機構』から補助金が支給されることになり、その費用として各星族たちは税金を『宇宙保安維持機構』に納めなければならなくなった。
税金を払えなくなった惑星は、以前であれば税金の滞納のかわりに『宇宙保安維持機構』によって惑星を差し押さえられることになっていたが、それは星族保安主義者たちの決定した『それぞれの惑星に対する星族たちの権利と不法な惑星取得の禁止法案』によって出来ない。
そこでかわりに税金を滞納している星族たちに地球人たちが金を貸し、その担保としてそれらの星族の惑星を地球人が利用する権利を手に入れることになり、借金を完全に返済するまでの間はそれらの惑星にすむ星族たちは、地球人の指定する惑星に移住していなければならないとした――地球人たちは『宇宙安全保障維持機構』のリーダーという立場を利用して大量の資源を保有していた。
地球人に惑星を売却して惑星を失った星族たちは、地球人として星籍を与えられ、地球人の所有する惑星の内、もっとも廃棄物の多い劣悪な場所に送り込まれて住まわされることになった。
地球人として星籍を与えられた他の星族たちには、地球人としての地球星人市民税が課せられ、さらに借金に苦しむことになる。




