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野菜の令嬢は野菜嫌いの騎士に求婚される

作者: 伊月ともや


  

 マルティオス王国は豊かな国だ。それでも、住んでいる人間全てが幸せで、明日生きるための心配をしなくていいとは限らない。


 身分が貴族だからと言って、明日も生きているかどうかなんて、誰にも分からないものだ。

 それこそ、ふんぞり返って大笑い出来る奴らは何も心配せずに毎日の食事にありつけるだろうが、そうもいかない人間だっている。


「もう、お父様ったら、忙しい時に何の用なの……。日が高くなると、畑の草むしりが地獄になるというのに……」


 ぶつぶつと文句を言いながら軋む床を気にしないまま歩くのはフォリア・グラシス。グラシス伯爵家の長女だ。

 本来ならば、社交界デビューして、お茶会や夜会に出掛けては、結婚相手を探すことに勤しむお年頃である。


 しかし、グラシス家は万年金欠の貧乏貴族。一応、グラシス家はマルティオス王国の王家が始まった時から忠誠を誓っている由緒ある家だが、目立つことなく貴族の席の端の方に座っている状態だ。


 慎ましく、敵を作らずに生きることは大事だ。そのこともあり、特に栄えることなくグラシス家は細々と生き延びてきた。


 それでも三年前、グラシス領の領地に冷たい風が吹き溜まり、特産物であるお茶を育てるための畑が全滅してしまったのである。


 お茶の葉は春から初夏の間に収穫するものだ。この時、冬の名残の冷たい空気によって、霜が降り立ったことで、収穫前のお茶の葉が全て黒く焼けてしまい、商品として使えないものになってしまったのである。


 それにより、領民達の収入源は一気に失うこととなる。通常ならばこのお茶の葉を加工してから、出荷するのだがそれさえも出来なくなってしまったからだ。


 しかも、他の畑で育てていた野菜達も害獣などによって食い荒らされるという被害を受けており、グラシス領ではかつてない程の甚大な被害が出ていた。


 そのため、フォリアの父であるグラシス家当主、ラムスは大きな借金をすることで領民から餓死者を出さないようにと奮闘していた。


 フォリアも自身が畑で育てていた作物だけでなく、王都で安く仕入れた食材を荷馬車に積み込み、すぐに領地に向かった。

 自ら料理用の大鍋を用意して、そこで作った食事を一日に一度、領民達に配給しながら、何とかその日暮らしをすることになったのである。


 納税も出来ず、作っていた作物さえも収穫できない程に被害が出ても、フォリアを含めたグラシス家は諦めずに、領民を励まし、一日一日を生き抜こうと互いに支え合った。


 幸いにも、食糧難による飢餓者は出さずに済み、細々と畑を耕し直し、茶畑には肥料を新しく与えて育てたことで、今年には何とか例年のように茶葉を生産出来るまでに回復していた。


 再び、領民達からも徴税出来るようになったが、それでも問題は残っていた。

 そう、借金問題である。三年前に父が知人から大きな借金をしたが、いまだに全てを返しきれていないのだ。


「……いっそのこと、私が身売りでもした方がいいのかなぁ」


 フォリアは歩いていた廊下の真ん中でぴたりと立ち止まる。


 自分の望むような結婚することは諦めているが、それでもお金を持っているどこかの貴族に嫁ぐことで、実家を助けてもらえる可能性だってある。もちろん、その相手となる人は選べないというだけだ。


「まあ、変な趣味を持っている殿方じゃなければ、どこでもいいかな。他にも愛人を囲っている家だと、女同士の戦いが苛烈に行われていそうだけれど……」


 しかし、貧乏貴族である上に、見目もそれほど良いとは言えないフォリアを嫁として貰ってくれる家などあるのだろうか。

 後で掃除しようと思っていた廊下の窓に自分の姿が薄らと映る。


 薄茶色の髪は、農作業がしやすいようにと一つにまとめられており、水色の瞳は少しだけつり目気味だ。

年頃の令嬢と比べると肌も日焼けしているし、立ち振る舞い方は令嬢というよりも農民の元気な女の子だ。


「うーん。やっぱり、まともな縁談は来ないだろうな、うん」


 事実を確認しているだけなので、特に気落ちするようなことではない。

 自分で納得するように何度も頷いてから、フォリアは父が待っている部屋へと向かうことにした。




 父の書斎に辿り着いたフォリアは扉を三回叩く。するとすぐに室内から返事が返って来た。


「お父様、お呼びでしょうか」


 フォリアは「何で仕事中に呼び出すんだよ」という言葉を含めた瞳で実の父親をじっと見据える。

 ラムスはフォリアの内心をすでに察しているらしく、苦い物を食べたような渋い表情を返してきた。


「まあ、そこに座ってくれ」


 書斎、と言っても本棚には数えられる程度の本しか収められていない。


 三年前に領地を襲った降霜の際に、グラシス家の古びた屋敷の中にある家財や本、道具など、生活するにあたって必要最低限な物以外は全て売り払って換金したのだ。

 そのため、我が家の屋敷内は物が少ない閑散とした状態になっていた。


「失礼いたします」


 フォリアは木製の椅子に、布を継ぎ接ぎしながら作ったクッションの上に腰かける。


 もちろん、この木製の椅子も、父が使っている執務用の机も、全てが父の手作りである。

 その技術はもはや職人並みに鍛えられているので、父は木材を安く仕入れては作った家財をこっそり売るということをして小銭を稼いでいるらしい。


 ちなみにフォリアの小遣い稼ぎの方法は屋敷の敷地内にある畑で作っている野菜を叩き売りすることだ。

 令嬢らしくはない行いだと分かっているが、これで日々の食事にあり付ける上に、借金を返すための足しにもなっているので、両親からは文句は言われていない。


「実はな、フォリア。その、だな……」


 ラムスは珍しくもかなり言い淀んでいる。何か、伝えにくいことなのだろうか。

 しかし、時間は有限だ。用事は早く済ませて欲しい。


「用があるなら、早く仰って下さい。こちとら、三番目の畑の草むしりをしなければならないんです。今ならば日が高くないので、早くやってしまいたいんです」


 フォリアは畑を三つ持っている。もちろん、自分で管理している畑で、その畑であらゆる野菜を作って育てていた。

 今日はその三番目の畑の周囲に生えている草を抜き取り、耕す畑を拡大させようと考えていたのだが父親に呼ばれたことで計画は頓挫した。


「あー……。いいか、驚いてもよく耳の穴をこじ開けて聞いておけ。……お前に縁談が来ている」


「……はい?」


 この父は冗談を言う人間ではないはずだとフォリアは首を傾げる。


「え、この貧乏な上に見栄えしない顔、しかも社交界にデビューさえもしていない、土にまみれたこの私に縁談が来ていると?」


「そこまで自分を卑下しなくても……」


「事実ですから」


 まさか、自分が先程まで考えていたことが現実になるとは思っていなかったが、大事なのはここからだ。


 相手が二回り以上年上でも、収まる場所が後妻だとしても、夫となる者が変態だとしても──。

 いや、出来るならば普通の相手がいいが、好条件は求めていない。


「相手は変な趣味をお持ちの変態な方ですか?」


「違うっ!」


「では、愛人を侍らせるのが大好きな好色貴族……」


「それも違う!」


「ええっ? ……どうしましょう、お父様。私、他に思い当りがありません」


「何でお前はそうやって、悪条件だと思う人間を揃えて来るんだよ! 私だってお前をそんな男に嫁にやるなんて、絶対嫌だからな! お父様、泣いちゃうぞ!」


「年甲斐にもなく、鼻水を垂らすようなことはなさらないで下さい。……それで一体、どなたからの縁談なんですか?」


 フォリアは唾を飲み込みながら、おずおずとラムスに訊ねた。社交界に出ていない自分を見つけ出すなんて、中々の変わり者だ。


「相手は二十一歳の黒翼(こくよく)騎士団に所属している騎士様だ」


「ほう?」


 何という有望株。しかも黒翼騎士団とは魔獣を専門に討伐を行っている騎士の精鋭ではないか。


「それは詐欺ですか」


「だから、ちがーうっ! 少しは私の話を信じてくれ!」


「だって、疑うしかないでしょう」


「私も、疑った! 心底、疑った! 上手い話があるわけないって、疑った! でも、本人がお前のことを妻に欲しいって直接申し込んできたんだよ!」


「えっ!? お父様、それいつですか!?」


 まるで、縁談を申し込んできた相手がこの屋敷に訪れたような言い方だ。

 まさか、畑作業をしていた自分の姿を見られてはいないだろうか。そうなってしまえば、せっかく来た縁談はなかったものとされてしまう。


「二日前だ。お前が野菜を売りに行っている際に、その方から手紙を頂き、訪問なされた」


「ああ、そうでしたか……」


 どうやら、土まみれの自分は見られなかったようだ。しかし、もし見られたとして幻滅されても構わないと思っている。

 結局、自分の元に来るのはある程度、相手の心の中で「妥協」された縁談だと分かっているからだ。


「……で、相手のお名前は?」


 フォリアはごくり、と唾を飲み込む。

 一体、どんな人物が自分に縁談を申し込んで来たのだろうか。


「いいか、フォリア。驚き過ぎて、ひっくり返るなよ?」


「大丈夫です。気合を入れて、耳に穴を開けてから、しっかりと聞きますので!」


 さぁ、どうぞと言わんばかりにフォリアはラムスに続きを話すように促す。

 ラムスも気合を入れ直したのか、一つ咳払いをしてから、フォリアに挑むような瞳を向けながら、名前を呟く。


「魔獣領と呼ばれているマルグリッタ辺境伯のご子息、レウリオ・マルグリッタ様だ」


 瞬間、フォリアは驚き過ぎて座っていた椅子ごと、真後ろへとひっくり返った。





 レウリオ・マルグリッタ。

 周囲からは魔獣領と呼ばれている重要な場所の要を守っているマルグリッタ辺境伯の子息だ。

 若いながらも、魔獣を討伐することを専門とした黒翼騎士団に勤める有望株らしい。


 何故、貴族事情に疎い自分がその名前を知っているかと言うと、仲の良い子爵令嬢である友人が世間話のついでに彼の話をしていたからである。


 さらさらで艶のある黒髪に、宝石のような青い瞳。普段は笑うことはないらしいが、その笑顔を見た者は尊すぎて失神するとの噂らしい。


 黒翼騎士団では部隊長を務めているらしく、剣術の腕も騎士団内では上位に入るもので、魔獣に対して冷徹に剣を振るうのだという。


 ……何で、そんな人が私に縁談を申し込んで来たのかしら。


 フォリアは溜息を吐きつつ、「レウリオ・マルグリッタ」が屋敷へ来るのを待っていた。


 父から縁談があると話を受けてから数日後、レウリオ本人がグラシス家へと訪ねたいと手紙を寄越してきたようで、その日取りが三日後──つまり今日に決まったのである。


 本当に不思議で仕方がない。もしかすると、この縁談には何か裏があるのかもしれない。詐欺には絶対に騙されないぞと、フォリアは小さく意気込みつつ、応接間の椅子に座っていた。


 こちらの椅子、突然の訪問客が来ても大丈夫なように、父が最も気合を入れて作った椅子だ。

 そのため、木製の椅子ではなく、革張りの椅子となっていた。


 革は安く手に入れたもので、見た目は普通の革張りの椅子に見えるが、その中身は古い布を詰め込んだ椅子である。

 どうか、今から訪れるであろう騎士様の尻に合って欲しいと願うばかりだ。


 耳を澄ませると、足音が次第に応接間に近づいてきたため、フォリアはすっと背を伸ばした。

 扉が数度、叩かれたのでフォリアはすぐに返事を返した。


「……こちらでございます」


 緊張気味な声色のラムスによって、応接間の扉は開かれる。それと同時に、フォリアは立ち上がった。


 扉の向こう側から入って来たのは、一言で例えるならば妖艶とも言える人物だった。

 友人から聞いていた通りに、女性よりもさらさらで梳きやすそうな黒髪に、海原を詰め込んだような青い瞳。


 その青年はフォリアの顔を見るやいなや、優雅な表情をふっと浮かべたのである。


 ……ん? 私、変な顔でもしていたかな?


 ここに来る前に、母であるルルディからたまには令嬢らしく振舞えと散々言われたため、表情には気を付けていたつもりだったのだが、と傾げそうになる首を何とか留めた。


「初めまして、フォリア・グラシス嬢」


 一歩、見目麗しい青年が自分へと近づく。


「私はレウリオ・マルグリッタと申します。まだまだ、若輩者ですが黒翼騎士団で騎士として勤めております」


 レウリオは貴族の子息、というよりも見た目は物語の王子様のようだ。見ているだけで両目が焼けてしまいそうだ。


 ……女の私よりも美形だ。


 むしろ、ここまでの美形は見たことがない。自分は美形の分類ではないとはっきりと自覚はしているが、ちょっと悔しさを感じる程に美形だ。


 にこりと妖艶な笑みを浮かべてくるので、フォリアは何とか自分に出来る精一杯の微笑みを相手に返し、そして淑女の振舞いとしてドレスの裾を少しだけ持ち上げてから挨拶をした。


「お初にお目にかかります。フォリア・グラシスと申します」


 本当に、どうしてこの人は自分に縁談を申し込んで来たのだろう。


「あの、どうぞお掛けになって下さい……」


 令嬢らしい言葉遣いをするのは久しぶりで、気を抜いた瞬間に普段のように戻ってしまわないか心配だ。もしかすると、相手からは動きがぎこちないと思われているかもしれない。


「失礼します」


 レウリオは不審に思うことなく、ラムス特製革張りソファへと座った。フォリアはちらりと反応を窺う。


 ……どうやら、お父様が作った革張りソファは貴族にも通用するみたい。


 これはぜひ、ラムスに革張りのソファを大量に作ってもらって、売ってもらいたいものだ。


 フォリアの隣に腰かけたラムスもレウリオに気付かれないように、彼から見えない位置で拳を作ってから、ぐっと引き寄せていた。歓喜しているらしい。

 これならば、材料費を安く仕入れて、ラムスが作れば人件費も削減されるはずだ。


 すると、使用人がこの家にはいないため、母であるルルディが失礼しますと一言告げてから、三人分のお茶を運んでくる。


 木製の机──こちらもラムスが制作した長机だが、その上に三人分のお茶が置かれる。ルルディはレウリオの顔をちらりと見るなり、「これは最高案件では」という表情をフォリアへと一瞬向けて来た。


 だが、すぐに貴婦人のような澄ました表情へと戻して、頭を下げてから応接間から出て行った。恐らく、廊下では歓喜して小躍りしている母がいるのだろう。安易に想像出来た。


「……それで、頂いた縁談の話なのですが」


 静けさが漂っていた空間を裂いたのは父のラムスだ。


「あの、どうして我が娘を……。このグラシス家は特出している地位を持っている家でもありませんし、領地には特産品はあるものの、栄えているわけではありません。そして何より……お気づきかと思いますが、我が家はマルグリッタ辺境伯家に見合う程の財産などは持っておりません」


 恐らく、自分で言っていて苦しくなっているのだろう。ラムスの表情が少しずつ青白いものへと変わっていく。父はこう見えて、胃が弱いのだ。


「なので、マルグリッタ様には釣り合う相手ではないかと……」


 すると、レウリオはふっと息を漏らすように笑ったのだ。その笑みを見たフォリアは一瞬だけ固まる。


 ……顔が良いと、笑顔を見せられても色々と勘ぐってしまうかも。


 小さい頃から、顔が良い男には気を付けろと母から散々、言い聞かせられているため、フォリアは心の中で警報を鳴らしつつ、レウリオの返事を待った。


「ご謙遜を。……グラシス伯爵領は三年前に降霜によって、生産していた茶葉を全て切り捨てることになってしまったと聞いています。それによって、領民達も収入源を失い、明日食べるものもない状態がしばらく続いていたと」


「は、はぁ……」


 どうやら、レウリオは我がグラシス領で起きたことについて、詳しく調べて来ているらしい。

 確かに縁談を申し込む相手のことを前もって調べておくのは重要なことだと思うが、それだけではないような気がしたのは気のせいだろうか。


「そんな中、グラシス伯爵家は一丸となって領地と領民を救うべく、借金をしてでも領民達を助けることに専念したと聞いています。そして、そちらにいるフォリア嬢も領民達に自ら食事を炊き出ししたとか」


 思わず、お腹の辺りをきゅっと掴まれたような感覚に陥る。


 普通、貴族の令嬢は自ら料理をすることはない。令嬢らしくはないことを指摘された気がして、急に居た堪れなさを感じたが、それでも自分は間違ったことはしていないと思っているため、背筋を真っすぐ伸ばし続けた。


「その慈悲深さに私は心を打たれたのです。まだ、お互いに顔を合わせたばかりですが、私はそれでも心を強く惹かれたのです」


 まるで愛の告白のような言葉ではないか。しかし、自分達グラシス家は領民達のために奮闘していただけだ。

 特別なことは何もしていないし、三年前に背負った借金はいまだに返しきれていないままだ。


「……正直に申せば、マルグリッタ様からの縁談はぜひともお受けしたいお話です」


 父がぶっちゃけた。

 内心では有力貴族と縁を結べるなんて二度とないと思っているのだろう。もちろん、その裏に隠されていることも頭には入れてあるようだが、きっと心は揺れている。


「ですが、私は娘の意思を尊重したいのです。我が家は常に火の車の状態なので、この子が望む嫁ぎ先を用意してあげることは今後もないでしょう。なので、せめて……結婚くらいは自分がしたいと思った相手とさせてあげたいのです」


「お父様……」


 まともな言葉が父から零されるとは思っていなかったフォリアは思わず、噴き出してしまいそうになる笑いを堪えるために腹に力を入れ直した。


 父としては尊敬しているが、彼はあまりにも優し過ぎる性格をしている。もちろん、自分はそこを含めて好きなのだが、もう少し自分の本音を出しても良いのにと思ってしまう。


「娘思いのお優しい方なのですね、グラシス伯爵は」


「いえ、そんなことは……」


 美形に微笑まれて、父は汗を滝のように流している。そろそろ脱水症状になるのではと心配になってきた。


「グラシス伯爵、フォリア嬢と少しの間だけ、お話しても宜しいですか?」


「えっ、二人きりで……ですか?」


「ええ。私達はまだ、お互いのことを知らないでしょう。少しだけでも心を交わしたいと思っているのです。そして、ほんのわずかでもフォリア嬢のお心が私に傾いてくれれば、と思います。……ああ、部屋の扉は開けておいて下さって構いませんので」


 ものを言わせぬ雰囲気でレウリオは流れるようにそう言った。


 ……え、待って。今の状態でこの美形と二人きりになると言うの? 見慣れていないものを直視すると目が焼けるかもしれないってのに。


 フォリアは縋るような瞳を父へと向けるが、ラムスはすでに立ち上がってしまっていた。手を伸ばしたが惜しくも空振りしてしまう。


「分かりました。……フォリア、お前は自分の意思で決めると良い。私はお前がどんな選択をしようともフォリアの意思を尊重するよ」


「お父様……」


 全て丸投げしやがったな、という含みを持たせた瞳でじっと父を見ていたがすぐに逸らされて、彼はそそくさと部屋から出て行った。

 扉は足が入る程の隙間が開けられた状態だ。



 ラムスの足音が遠くなって行ったのを確認してから、目の前の貴公子は笑った。それはもう、にっこりと。

 そして、予想外の爆弾発言が投下される。


「どうぞ、いつも通りになさって下さい、フォリア嬢」


「は、い?」


 どういう意味かと首を傾げると、レウリオは更に、ふふっと笑いを零した。


「私はあなたが普段は、令嬢らしくはないことを知っているのですよ」


「……」


 何だと、と言葉に零さなかった自分は偉いと思う。そろそろ腹に力を込め過ぎて、腹も割れているのではないだろうか。


「ノイント通りの市場の一角、あなたはそこでよく野菜の叩き売りをしていますね?」


「……ぐっ」


 まるで確信を得ているような物言いに対して、フォリアはつい攻撃を受けたような声を漏らしてしまう。どうして、彼はそのことを知っているのだろう。


 確かにレウリオの言う通り、自分はこの屋敷の敷地内で育てた野菜を自ら叩き売りしては、少量ながらもお金を稼いでいた。

 自分が作った野菜は質も味も良いようで、人気があるらしく、売れば完売するほどだ。たまに野菜を使ったお菓子や料理も売る時があるが、そちらも好評である。


 ……全てを知っているように言っているけれど、もしかして市場内で会ったことがあるのかな? いや、でもあの場所は貴族が足を運ぶような場所じゃないし。


 自分がよく行く市場は平民向けの店しか並んでいない。貴族が歩けば目立つだろう。


 ただし、自分は別だ。普段の服から平民の服を着ているため、怪しまれることはないし、むしろ周囲にはグラシス家の事情を知っている者達ばかりなので、嘲笑するような目を向けて来る人達はいなかった。


 うーん、と唸っているとレウリオはふっと噴き出すように笑った。


「覚えていないようなので、お教えしましょう。……私は、五日前にあなたから人参と人参のケーキを買った者ですよ」


「……え」


 こんな美形、買いに来たか?と首を傾げながら、フォリアはレウリオの瞳をじっと見つめる。


 頭の中で巻き戻すように思い出されたのは数日前、市場で野菜の叩き売りをしていた際に、どこか心ここにあらずと言った様子で道を歩いていた青年の──海よりも青い瞳だった。


 フォリアがじっと固まっているとレウリオは少しだけ嬉しそうな表情をした。


「どうやら思い出していただけたようですね」


「はぁ……。ですが、私の記憶の中にはマルグリッタ様のお姿は思い出されませんが……」


「それはもちろん、変装をしていたからですよ。あの日は確か、魔法で金色に髪色を変えていましたからね。たまに怪しまれないように姿を変えて、町を見回ったりしているんです」


 くすくすと、楽しそうに笑っているがきっと彼が笑っている理由は他にもあるはずだ。


 ……この縁談、やっぱり裏がある。


 次は何を言われるのだろう。もしかして、貴族としての品性が伴っていないと自分を脅して、無理矢理に婚約を結ぼうとしているのだろうか。

 だが、我が家は貧乏貴族であるため、結婚したとしてもレウリオに対して、得なことがあるとは思えない。


 何か裏があるならば、絶対にこの縁談を断ろうと腹に力を入れ直した時だった。


 それまで、椅子に座っていたレウリオが急に立ち上がり、そして何と自分の前へと片足を床に着けながら跪いたのである。


 ……ん?


 何が起きているのだろうか。目の前で起きていることが理解出来ないフォリアは目を瞬かせるしかなかった。

 だが、フォリアの様子を気にすることなくレウリオは言葉を続ける。


「私はあなたと出会った時、あなたの声と笑顔に強く惹かれました。いわゆる、一目惚れというものだったのでしょう。少しだけでも近づきたくて、あなたから──人参と人参のケーキを買いました」


「は、はぁ……?」


 もはや、間抜けな声しか出ない。


「私は元々、野菜が苦手なのです。どんな野菜であれ、嫌っていました。ですが……」


 そう言って、レウリオが服のポケットに入れていた──鮮やかな色の人参を取り出す。

 よく入っていたな、その大きさ。


「あなたが作ったこの人参を使ったケーキ……。あのケーキがとても心に沁みたのです。あまりの美味しさに涙していました」


「お、お口に合ったようなら、良かったです……」


 人参のケーキで涙するとはよほど気に入ったのだろうか。それほど珍しいものではないはずだが、有名貴族である彼は人参のケーキなど食べないのかもしれない。


「そして、人参……。私は野菜が本っ当に食べられない人間でして。ですが、あなたが心を込めて作った野菜をどうにかして食べたくて、我が家の料理長に頼み、人参の美味しさが際立つ一品を作って貰いました」


「そ、そうですか……」


 何故、熱弁するように語るのだろうか。そもそも、この人は自分に縁談の申し込みをしに来たのではないだろうかという話はすでに頭の隅へと追いやってしまっていた。


「作り上げられた人参のスープ……。気合を入れて、私はスプーンで一口掬ってから……そして、口に含みました」


 何とも臨場感のある説明だ。買った人参をどのようにして食べたのか教えてくれるなんて、まるで主婦のような方だなと、意識が半分遠のきそうになっていた。


「スープの味を味わった私は暫くの間、停止していました。……そして初めて感じたのです。『野菜、美味しい』と!」


「わぁ……。それは……喜ばしいですね……。食べて頂き、ありがとうございます……」


 そう言えば、良く野菜を買ってくれる主婦の方が、フォリアが作った野菜ならば、子どもが好き嫌いせずに食べると言っていたことを思い出す。

 もしかすると、レウリオもその子どもと同じ分類なのだろうかと思ったが、彼はれっきとした大人であると心の中で頭を横に振った。


「フォリア嬢」


「ひゃいっ!?」


 突然、はっきりとした声で名前を呼ばれたフォリアは肩を震わせてから、声を裏返らせつつ返事をする。


 視線をレウリオに向ければ、真剣な瞳で自分を見ている彼が居た。その青い瞳の中には自分しか映っていない。


「フォリア嬢、あなたとあなたが作った野菜に惚れました。結婚して下さい」


「……」


 叫ばなかった自分は偉い。だが、我が頭は考えることを停止していた。


「……はい?」


 聞き間違いだっただろうかと、フォリアはもう一度聞き返してみる。


「あなたとあなたが作った野菜に惚れました。今すぐにでも結婚して下さい」


 一言、言葉が増えたのは気のせいだろうか。だが、言っている言葉は同じだ。


「……本気なのですか?」


「はい」


 爽やかな笑顔でレウリオは返事を返してくる。


「我が家は借金地獄の貧乏貴族です。あなた様が私と結婚して、得するようなことは一つもないと思います」


「何を仰っているのですが。結婚すれば、一目惚れしたあなたを手に入れることが出来る。そして、あなたが作った野菜が食べられる。私の野菜嫌いが直るかもしれない。ほら、良いこと尽くめではありませんか」


 レウリオの瞳は本気である。まるで獲物を仕留めにかかろうとしている狼のようだ。


「……えっと」


「それに私と結婚して下さるならば、グラシス家の借金は私が全額肩代わりするとお約束します」


「ほう……」


 つい、反応を返してしまう。しまった、どうやらこれは罠だったらしい。一瞬だけだが、にやりとレウリオが意地悪そうに笑った気がした。


「そして、グラシス家にも多額の援助を致します。……確か、フォリア嬢には双子の弟妹がいましたよね? お二人は、以前は学校に通われていたようですが、もし今後も学校に通いたいという希望があれば、私が学費を出しましょう」


「何と」


 我が家にはそれはもう可愛らしい双子の弟と妹がいる。弟がカイム、妹がペトラだ。


 元々、二人は学校に通っていたのだが、三年前にグラシス領を襲った被害によって、学費を出す余裕がなくなり、長らく休学している状態だったのだ。


 学生としての籍は残っているが、生活費を工面し、金を作っても借金に回さなければならない状況が続いていることから、二人には大変申し訳ない思いをさせてしまっている。


 天使である二人は「家が大変だから」、「僕達よりも領民の皆を優先して」と眩しすぎる笑顔で返してくるのだが、そのことが更に罪悪感を生んでいた。

 時間がある時はフォリアが二人に勉強を教えているが、それでも限界というものを最近感じて来たのである。


 ……この申し出を受けたら、カイムとペトラを学校に行かせてあげられる。それだけじゃなく、借金だって……。


 伸ばしたい。人参をこちらへと向けているその手を取り合いたい。しかし、これは罠かもしれない。

 目の前に人参が吊るされた馬の如く、飛びかかってしまえば魚釣りのように釣りあげられてしまうのだろう。


「……つまり、この求婚を受けたならば、私は野菜の如く、あなた様へ出荷されるということですね?」


「ふっ……。何とも意地の悪い言い方をするのですね。まるで、身売りのような言葉だ。あなたにそのような言葉は似合いません。私は心から、フォリア・グラシス嬢を求めているのです。ですが……」


 そう言って、レウリオは更にすっと目を細める。


「あなたが私の元に出荷される気でいるのならば──美味しく食べたいと思います」


「っ……」


 それはどこか意味があるような言葉に聞こえて、フォリアは少しだけ仰け反った。

 恐らく、自分の顔は少しだけ赤くなっているのだろう。それを堪能するように、レウリオは微笑ましいものを見るような瞳で笑っていた。


「顔が林檎のようになっていますよ。……齧ってしまいたくなりますね」


「……言葉がお上手ですね」


 せめて、情報通の友人令嬢に色々とレウリオに関することを聞き出せば良かったと少し後悔していた。


 ……でも、令嬢に向けて微笑まない人だって聞いていたけれど。それに浮いた話も今までないらしいし……。


 女慣れしているのかと思ったが、以前聞いていた印象と全く違うように感じたので本当に本物のレウリオ・マルグリッタなのか疑ってしまいそうだ。


 ……一度、冷静になろう。一時の気の迷いで、私だけでなく家族にも迷惑がかかるかもしれないし。


 フォリアは深く息を吐いてから、自分に向けて跪いたまま動かないレウリオへと視線を向ける。


「……あなた様からの求婚は喜ばしいことだと思っております。ですが、我が家に利があるばかりです。……私は令嬢としての振舞い方を全てこなせる人間ではありませんし、社交も得意ではありません。……黒翼騎士団という、名誉ある役職に就かれているあなた様には似合わない人間です」


 丁寧な言葉遣いは緊張するが、相手は自分よりも身分が上の人間だ。間違いがあってはならないと、緊張しながらも言葉を続ける。


「器量も良いわけではありません。髪も肌も手も……普通の令嬢と比べれば、日焼けしていますし。何かに特出しているわけでも……」


「フォリア嬢」


 フォリアの言葉はレウリオが名前を呼んだことで無理矢理に途切れた。


「私は、あなたを……あなたの全てを欲しいと思ったからここに居るのです」


「……」


 すると、レウリオは彼が持っていた人参に向けて、指先で軽く弾いた。瞬間、その場に風が吹き抜けていく。

 フォリアも魔力を持っているので、レウリオが魔法を使ったということは感じ取れていた。しかし、魔法をこのような場所で使って、何をするのだろうか。


 レウリオの行動を不思議に思っていると、それまで細長かった人参は一瞬にして皮が剥かれて、刻むように何かを作り上げていく。


 フォリアが目を瞬かせた時には、それまで一本の人参だったものは、いつの間にか鮮やかな薔薇の花の形へと変わっていた。


 ……凄い。野菜をこんな風に切ることが出来るなんて。


 初めて見る技術に驚いていると、人参が一輪の薔薇になったものをレウリオはフォリアへと差し出してくる。


「私は……いえ、僕はあなたが好きなんです」


 それまでの口調とは変わったように感じられ、フォリアはまじまじとレウリオを見つめてしまう。

 今まではどこか余裕がある話し方をしていた。彼自身に自信があったからこその話し方だったのだろう。


 だが、今は違う。目の前で自分に向けて求婚してくる彼はかなり必死な様子に見えていた。


「フォリア嬢、あなたをこの瞳に映した時、二度と逸らしたくはないと思った。手を伸ばしたいと思った。どうしても、欲しいと思った──」


 一瞬だけだが、レウリオが苦しげな表情をしたが、すぐに元に戻る。


「本当ならば仲介者を立てて、縁談を申し込まなければならないと分かっています。ですが、時間をかけているうちに、あなたが僕以外の誰かのものになってしまうのが怖かったんです」


 そう静かに呟く姿は小さな子どものようにも見えた。


「あなたの気持ちを無視したまま今、求婚している自覚はあります。それでも、伝えられずにはいられなかった」


 海よりも深く、青い瞳は炎を宿しているように燃えて見えた。それでも、その瞳が彼の心の内側を映しているのだと、フォリアは感じ取る。


 ……どうしてなのかは分からないけれど、この人は本当に私と結婚したいんだ。


 財産も、地位も、美貌も何も持っていない。それでもレウリオは自分のことを望んでくれている。気持ちを真っすぐに向けてくれる。


 ……誰かに、私自身を求められるのは初めてだからかもしれない。だから、胸の奥が少しだけ熱いのかも。


 自分はレウリオのように、誰かを恋愛的な意味で好きになるということは分からない。だが、自分のことを好きだと言ってくれる彼のことを、もう少しだけ知ってみたいと思ってしまったのだ。

 きっと、この時点で自分の負けは確定していたのだろう。


「僕と結婚したことをあなたに後悔させません。あなたも、あなたが守りたいと思っているものも、全てを守り切ることをこの人参の薔薇に約束します」


 野菜に、誓う。野菜は自分にとっては命の糧となるものだ。つまり、命に相応しいということ。

 そのことをレウリオも理解しているのだろう。彼の喉がごくりと鳴っていた。


 ……私、今どんな顔をしているのかな。


 レウリオから降ってくる言葉を素直に嬉しいと思ってしまう。彼は、自分のことを理解しているのだ。


 フォリアが野菜を作っている理由も、その野菜を自ら売って、稼いでいることも。何もかもを理解して、その言葉を綴っているのだろう。


 貴族の令嬢らしからぬことをしている自分の行動や感情を理解してくれる者は家族や親しい友人以外にはいないだろうと思っていた。

 だが、それら全てを受け止めて──いや、飲み込むような人間が目の前に居た。


 フォリアは座っていたソファから立ち上がり、そしてレウリオと同じ目線になるために、跪いた。


「……私、野菜を作るのが好きなんです。確かにお金を稼いでいることも理由の一つですが、私が作った野菜を食べてくれる人の笑顔を見るのが何よりの喜びなんです」


「知っています。……あなたが作ったものは素晴らしいものでしたから」


「これからも私は野菜を作ることは止められないと思います。それでも宜しいんですか」


「もちろんです。むしろ、僕はあなたが作った野菜をもっとたくさん食べてみたいんです」


 レウリオは肯定の笑みを浮かべてくれる。


 ……ああ、本当は──。


 フォリアはいつの間にか、泣きそうな程に顔を歪めて、そして──レウリオが持つ人参の薔薇を手に取った。


 本当は、誰かに自分の好きなことを認められたかったのだ。

 やっていてもいいよ、好きでいてもいいよ、と言われたかった。


 それをレウリオはいとも簡単にやってのけてしまう。

 だからだろうか。初めて会ったばかりだというのに、彼の心に強く惹かれてしまったのだ。


「……嫌いな野菜なんて、一つもないようにして差し上げます」


 フォリアは手元の人参の薔薇を胸元に寄せつつ、不敵な笑みを浮かべて見せる。


 すると、レウリオはやっと安堵の表情を浮かべて、そして──にやりと笑った。それはもう、真っ黒という言葉が似合う笑みを浮かべて。


 ……え?


 何が起きたと目を瞬かせていると、レウリオがぐいっと顔を近づけて来る。


「フォリア嬢にとっては、野菜は己の命に相応しいものですよね?」


「え、ええ……」


「つまり、僕の想いを込めた人参の薔薇を受け取ってくれた、ということは僕の求婚をあなたの命を以て、受け入れてくれたということですよね?」


「え、えっと……そういうことになるのでしょうか……?」


 何故だろう、急にこの場の空気が怪しくなってきた。

 瞬間、その場に冷たい声が響く。


「……これで、やっとあなたは僕のものですね」


 ……んん?


 いや、これは冷たさというよりも、どこか熱を帯びているような──。

 そんなことを思っているうちに、近づいてきたレウリオの顔がフォリアの耳に触れるか触れないかの近い位置でぴたりと止まる。


「──もう、逃がしませんから」


「っ!?」


 思わず、身体が仰け反ってしまったが、いつの間にかレウリオの左手がフォリアの背中へと回されており、床上へと倒れずに済んだ。


「ああ、本当にあなたは可愛らしい方ですね……。初夜を迎えるまで我慢出来るか……試されますね」


「えっと、あの……?」


 混乱していると分かっているのだが、どのような言葉を返せばいいのか分からず、フォリアは顔を赤らめたまま狼狽する。


 どうやら、自分は野菜嫌いの肉食獣に捕まってしまったようだ。

 

 目の前では優男の皮を被った獣が、自分のことを早く食べてしまいたいと言わんばかりに熱を含んだ瞳で見下ろしていた。




 それから約一年後、外堀を上手く埋められたフォリアはレウリオのもとへと嫁ぐこととなるが、砂糖のように甘ったるい日々が始まることとなる。


 だが、レウリオの野菜嫌いを直すためにフォリアの献身的な手法によって、彼は野菜をある程度、食べられるようになり、のちに生まれて来た子どもや孫の中には野菜嫌いの者はいなかったという。


            


                完

  



 気になる方がいれば、後日談やレウリオ視点なども今後、書けたらいいなと思っています。

 読んで下さり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 人参のように甘いお話でした。
[一言] フォリアちゃんのようなタイプの女の子が頑張ってるお話が大好きでとても楽しく読ませていただきました!心の中のツッコミも最高でした^_^ お父様とのやりとりも楽しい! レウリオ様と今後どうなっ…
[良い点] お返事ありがとうございます。 連載是非ともお願いします。 [一言] 明日が楽しみで、そして連載化も楽しみに待ってます。 頑張って下さい。 応援してまず‼️
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