始まりの一日 壱
フカフカのベッドの上。
鳥のさえずりが聞こえる。
ゼルはゆっくりと目を開ける。眩しい朝日が窓から差し込んでいた。時計に目をやると、針は8時を示していた。
「ん?8時?」
8時とは、いつもなら学校で友達と話している時間だ。
「ヤバイっ!遅刻だー!」
慌ててベッドを飛び出す。枕元に置いていた服に着替え、朝食も食べず学校へ走る。
この世界は、魔法がある。これから行くのは魔法学校だ。
「はぁ…はぁ…もうすぐだ…」
校門が見える。
駆け込もうとするが、門は閉まっていた。生徒や先生の姿は無い。
「はえ?」
思わず素っ頓狂な声が出る。しばらく固まっていると、親友であるユウキが通りかかった。
「ゼル、何してんの?」
とユウキが聞く。
「何って…学校に来たんだけど…?」
と、ユウキがここにいることに混乱しながら返す。
すると、
「ハハハ!今日、日曜日だよ?その様子だと、遅刻と勘違いして大急ぎで来た感じ?」
と、ユウキに笑われた。
というか、日曜日?なんてこった…。
「このゼルの醜態は〜明日皆に報告しまーす!」
ユウキが言う。
「!?おい!やめろよ!」
ユウキが皆に広めたりするとは思えないので、若干ふざけて返す。
「フフフー冗談だよ?ところで、もうすぐ卒業だねー。どんな召喚獣が現れるかな?」
召喚獣とは、この村の魔法学校を卒業するときに魔法で呼び出し、契約する魔物のことである。学校を卒業した生徒は、召喚した召喚獣と共に旅に出る。
「あぁ…そうだな。俺はかっこいいライオンの魔物が良いなー」
魔物には、様々な種類がある。そのため、呼び出される魔物も色々だ。
「でもゼル見たいなおっちょこちょいに、そんなしっかりした魔物が呼び出されるかなー?」
「う…」
呼び出される魔物は、召喚者の性格によって変化する。おっちょこちょいなのは否定できないため、心配になる。
「ハハハ!まあ何とかなるよー」
「だと良いんだけどなー…。あ、もう帰らないと…じゃあなー」
「じゃあね〜」
そう言い、慌てて帰る。休日は母の手伝いをしないといけないからだ。
家に着くと、
「どこ行ってたのよー!洗濯魔法でしておくから、買い物行ってきて!」
と母が怒る。
「ごめんごめん、今から行くよ」
いつもの休日だ。これから何がおこるかも知らず、家を出る。
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