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獣学の時間
そんな出会いもあり奏と空烏は
いつも一緒だった。
2人は同じ高校へ進学し、一緒に通学している。
高校生になると新たな授業が追加される。
それが獣学だ。週に3日程度あり
内容は個人により違うが、
チカラの使い方を学ぶ時間である。
人々は教えられながら使い方を身につける。
奏はこの時間が嫌いだった。
(力の無い僕が、学ぶことなんてない···)
獣学の時間はいつも図書室で過ごしていた。
キーンコーンカーンコーン──
終了の鐘が鳴る。
「かーなーで!やっと終わったよ。」
椅子に座り本を読んでいた奏に
空烏が後ろから抱きついてくる。
「今日はなにしてたの?」
「森の中を蛇行しながらの飛行。
あんなの、よゆーなのにわざわざ授業とか。」
「空烏の飛行綺麗だもんね。」
「そ、そっか//?奏に言われると照れるな。」
「僕もあんなふうに出来たらな···っと
次の授業移動だよ。行こっ!」
「お、おう!」
一瞬寂しそうな顔をした奏を見て
返事に戸惑う空烏であった。