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第2話 賞金と報酬でダンジョンを作りましょう

さて、邪魔者もいなくなったことだし真面目にダンジョンについて考えないとな。


「レットさん、ダンジョン作りにあたっての基本事項とか注意事項とかそーゆーの教えてくれる?」

『?レットさん、とは?』

「タブレットだからレットさん。これからお世話になるんだしな、よろしく。」

『……!よろしくお願いします!』

「ん?うん。」


文字だけどなんか嬉しそうだな。ま、いいか。


レットさんはパパッと資料を出してくれた。

優秀だわ。会話できるし、人工知能かな?

レットさんの資料によると


・ダンジョンには15日の準備期間が設けられている。


・ダンジョンコアが破壊されるとダンジョンマスターは死亡する。


・ダンジョンマスターはDP(ダンジョンポイント)を使用しダンジョンを作る。


・DPの主な入手方法


1侵入者を殺す。侵入者の強さによって貰えるDPの量が変化する。


2地脈から得る。ダンジョンの場所によって貰える量が変化する。※このダンジョンの場合毎日500DPです。


3クエストをクリアする。魔物を召喚したり、冒険者を殺したり、など多様なクエストをクリアすることで得られる。


4他のダンジョンから奪う。ダンジョンバトルという競技ではDPを賭けるため別のダンジョンマスターから奪うことができる。


という感じだった。


『500DPを得ました。』

「あ、地脈からか。今の所持金、所持DPか?って500ってこと?」

『はい、あ、ちょっと待ってください。メールが届きました。表示いたしますか?』

「メールとかあるんだな…表示してくれ。」



--------------------


From 天界コールセンター

To 小原朝陽


--------------------


本日はグローリア様確保にご協力頂きありがとうございます。

こちら賞金の方になります。

今後ともよろしくお願いします。


--------------------


『賞金として1万DPを獲得しました。』

「おー太っ腹だな。てか、賞金首だったのかあの女神。」

『はい。手配書もあります。』


手配書ある神様とかいるんだな。

完全に犯罪者じゃねーか。どんだけ脱走してんだ。


『クエストを達成しました。』

「は?まだ何もしてないぞ?」

『表示します。』


--------------------


達成クエスト


・ダンジョンコアに名前を付ける。【Sランク】


・神様に協力し感謝される。【Sランク】


---------------------


『Sランククエストの達成報酬は一つ10万DPです。20万DP獲得しました。』

「にじゅっ…!?まだ何もしてないのに…名付けってレットさんのこと?」

『はい。コアに名前をつける人はいませんからこの難易度なんでしょう。』

「神様に協力って?俺、あの女神様に協力してないし感謝もされてないんだけど?」

『天界コールセンターの職員の方々は神様ですから。全知全能の神様が感謝をするのは珍しいことですよ。』


それもそうか…。女神様がいかに迷惑かけてたか分かるな。人間に感謝するほど…。


にしても思わぬ臨時収入だ。こんな簡単なことで二十万DPか。多いからって適当に使っちゃダメだな。考えて使わないと。


「レットさん、5万DP貯金とかってできる?出来るんだったらやってくれ。」

『出来ます。……実行しました。』

「次にダンジョン作り始めたいから作りかた教えてくれる?」

『こちらのカタログから選んで要望をお伝え下さい。』

「カタログ…ってアプリか、これ。」

『マスターの馴染み深いものに致しました。』


なるほど。タブレット型なのもそういう配慮なのね。優秀なコアで良かったわ。

さっきのクエストクリアといい俺って豪運でも持ってたりして。……運使い果たしちまったかな…。


アプリは幾つかあって、ダンジョンフィールド、ダンジョン内装、モンスター、ガチャ、マーケット、の5つだ。



まずはダンジョンフィールドを開く。

部屋、通路などの大雑把なダンジョンの作りを指定できるのか。


次にダンジョン内装。

これは罠とかダンジョン内に森を出現させたりできる。つまりダンジョンフィールドで部屋を作って、その中をダンジョン内装から色々買って設置するってことだな。


三番目モンスター。

これはそのまんまだな。モンスター、装備品を選んだりカスタマイズしたり、モンスターに関わること全般はこのアプリで実行すると。


四番目にガチャ。

DPを消費して回すんだな。掛かるDPによってレア度が変わると。たまったらやってみるかな。


最後にマーケット。

食べ物、家具、道具、日本のものが手に入ると言うわけか。でも、銃とか真剣とかは無理なんだな。日本には銃刀法があるんだから当たり前か。



慎重にやらないとな…よし。


「ちゃぶ台とB5判のノート、後シャーペンとシャー芯、消しゴムを出してくれ。」

『分かりました。70DPを消費します。』


殺風景な部屋に木でできたちゃぶ台と筆記用具が現れた。こういうの見ると改めて異世界って感じするよな。日本のものは割と安いものが多かった。

椅子を買うのを避けるため脚の低いちゃぶ台にして胡座をかく。

ノートにどんなダンジョンにするかの構想とそれに合うモンスター、フィールドを考える。予算内に収まるように…。


レットさんと相談しながら考えること一時間。

ある程度の構想が出来上がった。

後はやってみて修正をしていこう。


「うし、じゃあ、レットさん。まずは大部屋を設置、そこから通路を北と西に一つずつ、南に階段。通路の先は北に中部屋と西に小部屋を、階段には中部屋。西の小部屋から通路を伸ばして大部屋を。階段の先の中部屋から階段と通路を北と南に一つ、それぞれに小部屋な。」

『分かりました。2050DPを消費します。』


ノートに書いた地図を見ながら指示をする。

少ししてズゴゴゴゴと物がずれる音がしたと思ったらコアルームの部屋に穴が開いて階段が出現した。


登っていくとだだっ広い部屋に着いた。


「すっげー。」


中を見ていくと指示どおりの構造になっていた。


なんか自分の考えたのが実行されるのは嬉しいな。


コアルームに戻ってレットさんに次の指示を出す。


「今作った部分を全部第一階層に、奥の大部屋をボス部屋に、指定してくれ。」

『指定しました。』

「第一階層に内装【かどわかしの迷宮】を設置。」

『1万DPを消費します。』



第一階層は迷路。

やっぱダンジョンっていたら迷路だよな。

あー迷いまくって罠にハマる冒険者が楽しみだぜ。





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