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第24話 摩訶不思議〜何を信じればいいんだ〜

ブクマ、評価、ありがとうございます。

今回は3人目の神様登場です。神様回って本当に筆が進む……。


「おはようございます。」


目の前には淡い青色のロングヘアーの愛らしい美少女。彼女が浮かべる笑みは10人が10人可愛い、癒される、と評することだろう。それほどまでの可愛さだ。こんな子が俺の隣で寝てたら有頂天になる。

だが、俺の脳は警報を鳴らし続けていた。彼女の何が俺に警戒心を抱かせるのかは分からないが、こういう時の勘は当たってることの方が多い。


「ど、どちら様でしょうか…。」


布団から飛び出てレットさんの前に立ちはだかる。とにかくダンジョンは守らないといけない。いや、俺が死んだらダンジョンも死ぬんだけどさ。アウトになっちゃうんだけどさ。レットさんは各自に配ったスマホに緊急メールを送った。その内誰かしらは来ることだろう。来ないと困る。というか、ヤバイ。


「あんたら何してんの?」

「危機的状況に陥ってるんですけど……なんでグローリア様がここに?」


俺と謎の美少女の間に登場したグローリア様。

俺の嫌な予感は当たったようだ。


「何でって、この子が私の後輩だから。」

「はい!初めまして!愛の神、イヴと申します!」


同類ですか。神様ですか。ウチのダンジョン3人目の神様ですか。

ニコニコ笑っているイヴ様にほおが引きつる。


「……何処かでそんな予感はしてたんだよねー。」

『気を確かに、マスター。常識神な可能性があります。』


眩暈を覚えた俺をレットさんが激励する。うん、ありがとう。でも、俺はどうも嫌な予感が拭えないんだよね。最近どの神様も来てなかったから、爆弾を持って来るんじゃないかと。


「はぁ…後輩、駄女神の後輩ですか……。」

「あんたは相変わらず失礼ね!」

「確かにグローリア様は駄目な神様ではありますが、良い人ですよ!」

「イヴ!あんたも似たようなもんよ!」


さりげなく毒を吐いてきたな、イヴ様。どうやら常識は持っていそうである。有難い。


「で、何しに来たんですか?後、何故俺の布団で寝てたんですか?」

「グローリア様の別荘って聞いてやって来たんです。」


やっぱ、あんたか、グローリア様。ふざけんじゃねぇぞ。あんたは来るたびに面倒ごとを押し付けないと気が済まないのか?いや、まだこの神様が面倒な奴とは限らないからな。先入観は良くない。


「布団に入ったのは…そのぉ…」

「遠慮せずに言ってください。大抵のことじゃ驚きませんから。」

「えーと、じゃあ、ひ、人肌が恋しくて……」


…これはどう判別するのが正しいですかね?

何で頬を赤らめながらもじもじしてんの?手を口に当てて上目遣いでこっち見てくんの?


アレか、ついに、ついに、


「異世界ハーレムの第一歩がっ…!」

『何馬鹿なこと言ってんですか?』


レットさんの即レスな。速えよ。そこまでバッサリ切り捨てなくても。夢じゃん?異世界ハーレムって言ったら男の夢じゃん?期待するぐらい良いじゃんか。


『今までの話を思い出してください。』

「……ミナサンタイヘンミメウルワシイカタガタデシタネ。」


そうだ、見た目だけで判断しては駄目だ。どんな美少女にも落とし穴が隠れてる。さっきの「人肌が恋しくて…」なんて言うセリフだって、アラフォーの婚期を逃した女芸人がネタで言う寂しいセリフだ。うん。お酒を飲みながら結婚したい〜〜、良い男降ってこい〜〜、みたいなノリだ。途端に美少女がおばさんに思えてきたぞ。


「とても失礼なことを考えられている気がするのですが……。」

「大概云々唸っている間は失礼なことを考えてるか、エッチなこと考えてるわよ。」

「何デマ流してんですか。人を思春期の男子中学生みたいに。」


俺は四六時中そんなこと考えとらんわ。それはただの変態だ。


「というか、グローリア様相手にエッチなこと考えられませんよ。」

「フフフ、やっと私の神々しさが分かってきたようね。そうよ、私とあんたじゃ釣り合わないの。あんたがそんなこと考えるのすら烏滸がましいのよ!」

「本当中身がなぁ……残念通り越してニートなんだからなぁ……。」

「なんですって!?」

「分かります、分かります。本当、中身が何とかなれば、興奮するんですけどねぇ……残念です。」


……今なんか聞き捨てならないことが聞こえたような。


「あのさ、俺の聞き間違いかな?レットさん。」

『何れを指しているのかは分かりませんが、興奮すると言っておりましたよ、イヴ様は。』

「だよね。」


あれか、愛の神様だからグローリア様でも愛しちゃうのか?そこじゃないんじゃね?神様に性別あるのか知らないけど、グローリア様って女だよね?え?女性もイケる口?……うひゃー。


「ちょ、あんた、何でそんなヒいてんのよ。」

「あ、すみません、開けちゃいけない扉の気配がしたので……。」

「待って、あんた、良からぬ勘違いをしてるわね!?」

「本当すみません。俺出て行きますんで、2人っきりでどうぞ…。俺は決して手を出してませんからご安心を……」

「待ちなさい!!私とイヴはただの先輩後輩よ!!」


間。


「そうならそうと言ってくださいよ。」

「あんたが勝手に勘違いしたんでしょ?」

「だってイヴ様がグローリア様に興奮するとか何とか言ってたから…。」

「グローリア様には興奮しませんよぉ。タイプじゃありませんしね。」


タイプだったら女の子でも興奮するんですか?…やめておこう。突いたら蛇どころかドラゴンが出てきそう。


「それで?いつ帰ってくれるんですか?」

「何で帰る前提で話を進めてるのよ!」

「俺が今すぐ帰って欲しいからですよ。」

「ど、どうしても帰らないと駄目ですか?もう少しだけ…息抜きに、お願い出来ません?」

「うっ…!」


やめろ。童貞、彼女いない歴=年齢の俺に上目遣い&涙目のダブルコンボは効きすぎるんだ。やばい、浄化される(謎)


「くっ…!分かりました、イヴ様の顔に免じて、今日1日だけいることを許しましょうっ…!」

『そこでこれからずっと居ればいいと言わない辺りマスターですよね。』

「あんた、イヴのお願いは聞けて私のお願いは聞けないの!?」

「だって、ねぇ…。」

「だって何!?何なの!?」


残念女神がキャンキャン喚いている気がするが放っておこう。後で仕事に忙殺されればいい。というか、この人の元気は一体どこから来るんだ?初めて会った時は即寝てたけど…最近は起きてることが多いような………


「もういいわ!寝る!」


いつもの駄女神様だわ。当たり前のように人の布団使っている。

…これに安心する俺は末期だろうか。


「ふぅ、五月蝿いのが居なくなりましたが、イヴ様はどうします?」

「そうですね。とりあえず、ダンジョンが見たいです!」

「分かりました…けど、モニターからですよ?」

「はい!大丈夫です!」


テレビを買ってあるのでそれとレットさんを繋ぎ、ダンジョン内の様子を映す。大画面もなかなかいいもんだな。4分割してダンジョンすべての階層が見れるし。まぁ、何か異常があれば、レットさんが映像をすぐに出してくれるからずっと見張ってる必要もないんだけどね。


イヴ様はあーだこーだ言いながらダンジョン内を見ている。何が楽しいのやら。

俺はその間にダンジョンに結界が張られているかどうかの確認をする。(レットさんが。)


『張られていますね。』

「はぁ、芸の細かいやつだな。だがな、今回は俺の方が上手だ。何度も同じ手に引っかかるかよ!」


俺は【神様魔法破壊装置ゴッズ・アンチ・マジック・キューブ】という魔法道具マジックアイテムを取り出す。効果は神様が生成した魔法のみを破壊出来る。人間が作った魔法は破壊不可ならしい。お値段なんと20万DPですよ、奥さん!


……俺は一体何に貴重なDPを使っているのだろうか。20万も。


だけど、これで、憎っくき結界を破壊出来るのだ!そう考えれば安いもんだな、うん。


「よし、起動っと!」


緑色の立方体に付いているボタンを押す。

カチリ、という音ともに眩い光を放ちだした。


お、おおおお、凄い、なんか神々しさを感じる。大きな魔力?みたいな物がうねり広がって行く。


ピキ、ビキビキ、バリンッ!


「え?」


わ、割れた!?何で!?え!?この魔法道具、使い切りじゃなかったよな!?に、20万が!!!


「ど、どういうこと!?レットさん!」

『ダンジョンの周りに張られた結界は破壊されています。憶測ですが…神様の作った魔法を同時に2つ破壊したからではないでしょうか?』


ああ、確か注意書きにそんなこと書いてあったな。

2つ以上の魔法に対して使用しないでください、って。許容範囲オーバーしてぶっ壊れるとか何とか。


「え?結界が二重だったってこと?」

『いえ、そんな筈は……。』


「どうしました?…ああ、結界を破壊したんですかぁ……。」


俺はこの時後ろを振り返りたくなかった。

振り返ったら、死が待っているような気がして。でも、俺は意を決して振り返った。


「あははは、アサヒさんは見てはいけないものを見てしまいましたね?」


可愛らしい小柄な体はどこにもなかった。ピンクのふりふりのドレスはピッチピチのパツパツ。弾けんばかりの、おっぱい、だったらどんなに良かったか。


「き、キン○マン……。」


ムッキムキだ。筋肉ムッキムキだ。顔だけ美少女だ。正直言って化け物以外の何物でもない。

俺は一体何を見ているのだろうか……。


って、体だけゴツくなっちゃって…普段は幻覚の魔法掛けてるんですけど…あははは、壊れちゃったみたいですねぇ。」

「ぼ、僕って…え?」

「もう分かってるんでしょう?」


大きく分厚い体躯が立ち上がる。身長、3メートルはあるかもしれない。


そして、ドレスを捲り上げた。


……

…………突いたら蛇?ドラゴン?いえ、立派なゾウさんが出てきましたよ。


「今見たことは忘れてくださいね?」


ドゴッ!!!


俺の意識はそこでブラックアウトした。



「ちょっと、あんた大丈夫?」

『マスター?生きてますか?』

「俺は誰?君は誰?」

『ま、マスターの記憶がぁ!!!』

「あんたは私の奴隷よ!」

「あ、それは絶対違いますね。」

「なんでそこは断言するのよ!」


「良い子の皆さんは何も見ていませんよね?」

「「「ハーーイ!!!」」」



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