ライアー
「それじゃあライアーゲームを始めましょう」
クラウリアの声でグランが宝箱を運んでくる。
「ルール説明説明を始めましょう。まずそっちからはログレスとメアリ。こちらからは私しか出ていないのは知っているわよね。まず私とメアリの対戦をする。その後ログレスと戦わせてもらう。ログレスはライアーゲームを知っているようだから、一応確認の意味を込めてするわね。メアリはしっかり覚えるのよ。まずここに4つの宝箱がある。そしてここには宝石があるわ。まぁ察しはついていると思うけど、4つの宝箱の中に宝石を入れてもらうわ。一人はこれを隠し、もう1人はそれを見つける…ねっ、簡単なゲームでしょ?でもそれを見つけるのはかなり大変よね。だから隠した人は探す人にヒントを与える。ヒントは三つだけ。そしてこれはライアーゲーム。嘘つきのゲームって言うくらいだからやっぱり嘘はこの辺に入ってくるよ。この三つのヒントの中、たった1つだけ嘘をついてもいいわ。まぁこんなにたくさん並べてしまうと覚えるの難しいわね。暇を持て余してる兵士に紙に書いてもらったわ。それじゃまずは隠すのはメアリ。私は向こうの部屋にいるからできたら教えてちょうだい。」
そういうとクラウリアは、奥の部屋へと引っ込んでしまった。
「えーっと、ここにしよう」
「はい終わったみたいね。それじゃ探させてもらうね。ヒントちょうだい。」
「はい。1つ目は、1番右の宝箱には、宝石は入っていません。2つ目は、2つ目の宝箱には、宝石が入っています。最後は右から3番目の宝箱には、宝石は入っていませんが、1番左の宝箱には、入っています。以上です」
その言葉を聞くと、クラウリアは迷うことなく、右から2番目の宝箱を開けた。なんと中には、しっかりと宝石が入っていたのだ。
「正直にしようとしたのね。でもこれはライアーゲーム…正直なだけでは勝てない。私がなぜわかったのかわかる?」
「わかりません」
「そうね。教えてあげましょう。これを使ったのよ。」
クラウリアが宝箱の裏側から取り出したのは、盗聴器だった。
「ルールにはこういった道具を使ってはいけないと言うルールはなかった。ライアーゲームは、ルールの裏をかいていかなければならない。馬鹿正直に捉えてたんじゃ、なにでも勝てないのよ。」
「うー…」




