禁断少女2
あれに書いてあったものはあの青年の手配書・・・正確には公開処刑について。
一瞬頭の中で何かがスパークして、問われて間髪入れずにローザに「行く」と答えてしまった。
ローザなりに私のことを気にしていたのだろう。
先ほどから
「私のクラウ様があんな無礼者を気にかけるなんて・・・」
などブツブツ呟いているが、聞こえないふりをしておく。
元々サウスガーデンからメルステルは近い。
ワイバーンの翼の羽音に少し遅れて上下する背中に揺られる。
目的地が見えたため、ワイバーンにつけた手綱を引く。
ワイバーンが翼をたたみ落下するように降り始める。
ちらりと横を見ると、ローザも同じようにしている。
地面が近づくと、ワイバーンが大きく翼を羽ばたかせ止まる。
そこに門を見つけ、ワイバーンから降りると進む。
そこで、
「あなたは・・・」
「ああ、騎士団長のスレグリスだ。」
そして、あの青年の親友でもある、と。
自分の心の中で付け足しておきながらスレグリスに向き直る。
「それで、なんの御用かしら?」
「こっちのセリフだよ。」
「通らないといけないのだけど・・・」
「ダメだ。」
「貴様っ!クラウ様の話も聞かずただ妨害を行うか!」
「理由ならわかっている。君たちが青年と呼んでいる、ログレスの処刑を止めに来たんだろう?」
「わかってるじゃない。」
「ログレスは望んでいないんだ。」
「あいつが望んでいる望んでいないは関係ないの。私がやりたいの」
スレグリスは苦笑する。
「とんだ我儘お嬢様だな。」
「変わりないわね。まぁ邪魔するなら・・・」
もう言葉は必要ない。
剣を抜き、ナイフを持ち、クローをつける。
「はじめよう」
申し訳ないが、カットさせてもらった。
我儘お嬢様でキレたローザがお先に行ってください、時間が近づいていますと言ったので、お先に失礼したのだ。
それじゃ、もう間に合わない。
走ろう。




