禁断少女
「ふぅぅぅ・・・」
「お疲れでございますか?」
ため息をつく私にローザが話しかけてくる。
「まぁね。」
「あの無礼者たちの事ですか?あんな者ら、気にすることもございません。・・・紅茶をお持ちしましょう。なるべく癒し効果のある香りの良い葉を選んで参りますわ。」
「ん。お願いねー。」
返事をし、ぼぅっとテラスから空を見つめる。
なんやかやで大変だったのだ。
こんな感じに・・・
「クラウ、お前が治めろ。」
「え」
クラウとは私の愛称である。
陛下のもとにいるうえ、メルステルの王家の血を引く私に陛下は頼んできた、のだが。
「やですよー・・・私あの国苦手で・・・荒んでるんですもん。」
「あの、私皇女なんですけど・・・」
「あんたに権利ないから。ていうより陛下の領地にすりゃいいじゃないですか。」
「なら彼女に頼んで、陛下の代わりに政治を・・・で、どうかしら?」
プレステアの言葉に、それでいっかな、と適当になってきた面々。
しっかし青年方からの目線がキツイなぁ、あっはは。
もう笑うしかないって。
「あの、それでですね・・・?」
ずーっと話しかけてくる姉にフン、とそっぽを向く。
その態度に我慢の限界に達したようで、
「おい!」
青年に声を荒げられる。
「なにかしら?」
「お前の姉さんなんだろ!言うことねぇのか!」
「ないわね、ふざけないでよ。」
ギャンギャンと言い合う私と青年。
周りの人たちはあわあわと止めようとするが、ここにも限界が居た。
それは、青年がこう言った時だった。
「あいつだってお姫様だがなんだかんだで苦労してんだよ!」
「苦労・・・?」
言い返そうとした瞬間後ろから低い声とドス黒いオーラが立ち上がる。
「クラウ様の過去を一番近くで見てきた私はよくわかる・・・」
オーラがさらに色濃くなった気がする。
怖い!
怖いよローザ!
「そこの箱入り娘をクラウ様と同じ位置に置くな!吐き気がする!」
その言葉を皮切りに今度はその二人で言い合いを始めたのを見て、
「へ、陛下」
くる、と陛下の方を向くと、
ゆっくり首を横に振られた。
陛下ぁぁぁぁああ!
ということで毒を吐き続けるローザを引きずりながら連れ帰ったのだ。
「・・・様、クラウ様。」
ローザの呼びかけに我に帰る。
「紅茶持ってきてくれた?」
「はい、そうなのですが・・・こちらを。」
すっとそれを差し出されて、目が飛び出るかと思った。
「こ、これ」
「行動されますか?陛下には既に許可を取っていますが」
「すぐ行くわ。用意を。」
それってなんだと思います?
次回をお楽しみに。
お楽しみにしてくれる方がいらっしゃればの話です




