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長き始まり

最近私はピリピリしている。

兵士たちもバタバタと慌ただしい。

そりゃそうだ。メルステルとの仲がいよいよ悪くなってきたのだ。

向こうはこちらの意見に納得いかないとかうんだかんだ言っているが、実際には陛下の冷静さ、どんなに食いついてもさらりと受け流してくるからそれが気に入らないのだと思う。

戦争は必ず誰かが死ぬ。

悲しむ者も必ず出てくる。

そのため私たちは防衛に徹し、もし相手が攻め込んできた場合、こちらが押し切ってそのまま攻め込むことを決めたのだ。

この間の会議で役割分担もした。

私の引き連れる部隊は、trick。

貴族などを闇討ちし、陛下たちの動きを支える。

腐り果てているから別に道徳心とかはない。

陛下がキレたのも初めて見た。

超怖い・・・。

とても静かだけど、後ろに黒と赤の炎が立ち昇ってるような感じ。

携帯に電話がかかる。

応答すれば、やけに落ち着いたレグニアの声。

『よっ』

「なに?」

『あちらさんが来たんだよ。ま、なんの考えもなしに正面突破中っぽいな。盗み聞きすれば、陛下同士で対面してからお互い陛下が前線で勝負だってさ。・・・どうする?』

「あらまぁ。そっちに黒髪の長髪の男いる?」

『あーなんか皇女?の隣にいるけど?』

ふぅん・・・

「わかった。こっちはどうすればいい?」

『なにかあった時のために待機だとよ。お前は陛下の隣。五神だし。五神の名は知れ渡ってる。お前がいることを示すと闇討ちを気づかれるかもしんないけど疑われるよりいい。貴族様方はその辺にいらっしゃるからぶち殺してあそばせ。なんてな。ほんじゃまた後で。』

「ん、連絡ありがと。」

よし、この後はtrickメンバー(50名ほど。闇討ちだからね。でもその分精鋭)に報せて、陛下のところにたどり着いて、潜伏させればいいな・・・。

など私は考えながら準備をするのだった。

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