堕ちる→末路4
『こちらも整った。いつでもいいぞ。』
陛下の声に、ルシフェルと顔を見合わせ頷く。
そして王城に入り、そこからルシフェルは謁見として堂々と正面から。
私は天井裏からこっそりと入る。
ただそこで・・・。
(えええーーーーー!?)
敵国三つ揃っちゃったぁ。
あっはは!
じゃねえええええ!
おうおうどうなってんだ!
といってもあのお姫様だけみたいだけど。
陛下の目線が冷たい・・・。
これはさっさとやってしまわなければ。
と、あちらにいるのは前王!
いいタイミングだなー。
というか陛下がはからったんだろうなー。
「この国は暴政がすぎたのよ。」
「こっちが知ったことじゃないね。」
「ちっ、クズが。」
「我慢しろグレン。」
「ちっ」
舌打ちー!
参謀!なにしてんねん!
ツッコミ疲れた・・・。
ルシフェルはまだか!
バタン!
ドアを開けたルシフェル。
まさかの強行突破しかできなかったらしい。
「へーいガール。かわいいねぇ。」
「ブチッ」
え、なんか切れた音・・・。
「あんたのせいで・・・」
ぼそっとルシフェルが言う。
待った。ヤバイ、ルシフェル待って!
「あんたのせいでお母さんやお父さんは!」
ナイフを投げる。
兵士に弾かれる。
ああもうこれだから!
「サイズオブキティ!」
自身の足元に広がる影から二つのクローを抜き取り素早くはめる。
サイズオブキティには特性がある。その一つが『闇に溶け込める』ことだ。
というわけで。
ヌッとあのクズ王の後ろに出現した私。そのままキティで(鎌の時はサイズ、クローの時はキティ)で簡単な感触と共に首を跳ね飛ばした。
グランはいつも言う。
殺す時の顔をどうにかしろと。
私の顔は怖いらしい。
目を細めて、私に殺された者を見下すように目を細め、睨むように視線をよこすらしい。
ルシフェルはこんな光景を見るのは初めてだろうから血が飛び散ったりなどのスプラッタは闇を壁状に広げ隠しておいた。
「よくやった。」
陛下に告げられて、モード2のまま無表情で、
「仕事は終わりですか?」
と、聞く。
「終わりじゃ、よくやったの。」
ジャイロに言われ、モードを戻す。
「ん〜!疲れたぁぁぁぁぁぁぁ!」
そこでこちらを目を見開いて見ている皇女様を見る。
コツコツと近寄り、クローの鋭い爪先を首筋にあてる。
「もし私がここにいてこれしたってみんなに言ったら、この指がここに食い込むことになるからね?」
ふふん、と笑うと、早くも前王に王権を戻し撤収しようとする陛下が目に入る。
ルシフェルもいるところを見ると一緒に行くことを許可されたのだろう。
ここからはみんなそれぞれの都に戻る。
私はルシフェルを連れて戻る。
特訓があるからだ。拾ったのも私だし。
さぁ、また日常に戻ろう。




