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死神少女の図書館  作者: 黒いもふもふ
それぞれのオモイ
2/15

オモウ青年

これはある青年視点のお話

就職、それは周りの人に何度も何度も、それ

こそ耳にタコが出来るくらい言われ続けた言葉。

俺だって就職しなきゃいけない事くらい分かってる。

けれど、一歩が踏み出せない。勇気がない。

同級生の知り合い達は大学に行くなり仕事をしていると言うのに、俺はパソコンの前で菓子を食って、毎日ダラダラダラダラ。

俺はそんな自分が大嫌いだ。


「 畜生っ、パソコンの容量がいっぱいなのか!?」


イラつきから頭をガリガリとかいて、目の前のパソコンを睨みつけた。

普段よりも重いパソコンは、引きこもりと化している俺の相棒。こんな重いんじゃ困る。

カチカチとマウスを幾らクリックしても進まないその検索ページに、投げつけてやろうかと思い始めていた時だった。

いきなり暗くなった、否黒くなったパソコンの画面。

そこにはよくあるようなオカルトページが開かれていた。


「 は?いやいや、コレを開きたかったんじゃないんだって!」


慌てて前のページに戻ろうと矢印をクリックするも、戻らない。

カチカチカチカチカチカチ……。

そんな音と俺の唸る声が狭い自室に響く。

そんな状態が一分、二分、三分と過ぎて行った。


「 ぬぁーーー!戻らんっ!」


ついに集中力が切れて、音を立てて椅子に凭れる。

何だって言うんだ、今日は厄日なのか。

日頃の行いは…良いとは言えないが、だからと言ってこれはないだろう。

パソコンの件は一時的に諦めて、パソコンを睨みつけるように見つめた。

よくあるオカルトページ、そう思ったがその内容は身に覚えがありすぎる。


‘ 森に存在する館 ’

‘ 行ったら戻れない!? ’

‘ 館には亡霊が居る ’

‘ 死の館 ’


何年も昔、俺と同じ高校の生徒数人が行方不明になった。

その数人の生徒達とよく連んでいた女子生徒が、行方不明と公開された翌日に森へ行こうと誘われていたと警察へ証言したそうだ。

結局警察や地域の住民が探すも見つからずその事件は時効となったが、オカルトページに載っている場所と行方不明になった場所が同じだ。

あの事件の事をただ蒸し返しているだけなのだろうか。

俺はゴクリと喉を鳴らした。


もし、この話が本当なら俺には持ってこいなんじゃないのか。

なんせ親の脛をかじっている状態の、所詮引きこもりだ。何度か自殺をしようと考えた事もある。

ぐるぐるといろんな思考が脳内に渦巻く中、俺は冷や汗を背中に流しながら微かに口角を上げ、席を立った。









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