徒然超短編集 犯行理由2(二百文字小説) 作者: 神村 律子 掲載日:2012/12/09 夫と結婚して五年。 そろそろ危ないとは思っていた。 昨日ワイシャツの襟に口紅が着いていた。 これを見せて問い質してやるわ。 お互いのする事に干渉しないのが結婚する時の約束とは言っても、ものには限度がある。 夫が帰って来た。玄関まで走り鼻先にワイシャツを突き出す。 「これ、どういう事?」 夫は目を泳がせながら言った。 「その、つい出来心で……」 私は夫に詰め寄り、怒鳴った。 「私の口紅高いんだから無断で使わないでよ!」