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乱打双拳

俺達はカナを追いかける。


白い光が空間を包む。軽快な音楽が流れる。

メッセージが下から飛んできた。

「スライムa スライムb スライムc ...が出現」

スライムの群れだ。

邪魔くさい、俺はスライムの群れを追い越す。

____


白い光が空間を包む。。。

「ミノタウロスが出現」

今度は逃げられそうにない。だが邪魔されてたまるかよ。

俺は剣をミノタウロスに向かって振るった。

ミノタウロスは消滅した。

こんなに強かったか俺?あの時より俺達は明らかに強くなっている。


____木が。

木々はうねうねと俺達を阻む。

メッセージは出ていない。敵ではないらしい。


木々達は俺に向かって倒れる。

ほんとに敵じゃないんだよな。。。

トラップってやつか。いやそんなわけ無いか。

これが人間を探知するトラップならカナにも反応したはずだ。

それに。。。

俺は倒れた木を調べた。トラップなら何かメッセージが出てもおかしくないはずだ。

これは主の仕業ってことで間違いなさそうだ。


木々たちは俺達に向かって倒れだす。

俺は魔法を選択する。「ファイア」

手から火の玉が放出される。

木々は焼け焦げる。

あれ、やば。焼け焦げた木々はそのまま倒れる。

「あっちーー!!」

焼き尽くせばこんな結果にはならなかっただろう。

火の粉は舞って体に掛かる。

_____


「この奥に入ったぞ」

所々炭掛かった体のたかしと俺はカナの入った森の入口まで着いた。

その入口からは強く陽の光が射し込む。


「おい、あの水晶って」

入口の横には緑色の水晶があった。

「これで回復できるんだよな」

俺は水晶に手をかざした。

体が持ち上がるように軽くなり、フワっとする。

メッセージが下から飛んできた。

「HPが回復しました」

「セーブしますか」

俺はセーブを行い、入口に向かった。


湖?

今までの森とは様子が違う、砂浜と大きな湖がある。

明らかに森とは雰囲気が違う。


湖の前にカナが立っていた。

「主様」

「「カナよ」」

まただ、この空間に響くような声。気持ち悪い。

「「いつまでも我から離れるな」」

「「そして」」

その声は声色を変えた。

「「お前たちも我が物となれ」」


奥から大きい影が見える。

あれは、まさか。。。ドラゴン。

白い光が空間を包む。禍々しい音楽が流れる。

「森の主が出現」

音楽からして真のボスはこいつだろう。

主の正体はドラゴンだった。あの声はテレパシーだったのか?

森の主は空中を飛行し、俺らの様子を伺う。

あれじゃ普通の攻撃は届かない。俺は魔法を選択する。

「ファイア」

丸い火の玉はボボボと音を出し、手から放出される。

森の主は100ダメージ受けた。

森の主は白い息を吐く。

「これじゃ魔法を使えない俺りゃどうすりゃいいんだよ」

「ちょっと待ってろ」

俺はたかしの戦闘画面を開き技を見る。

何かいい技は。。。!

これは。。。空中相手に使えるのか?

俺が見たのはたかしの超集中。

会心拳と違い超集中は使用前から効果が表示されていた。

どうやらバフ技の場合は、はじめから説明が表示されるのだろう。

超集中:あらゆる攻撃が数秒間必中状態になる。

TPは戦闘が始まるたびリセットされるが、稀に数ポイント溜まった状態で始まることがある。

そしてこの超集中、ポイントがどの技よりも低コストだ。使用できるぞ。

俺は超集中を選択した。

たかしの体に白いオーラが出た。

「なんじゃこりゃ」

「今ならお前でも攻撃できるかもな」

とはいえ、やつは飛んでいる。あの技はどこまで信用できる。

「お前が言うならできるんだろうよ」

たかしは拳を合わせて、高らかに吠える。

「叩き落としてやらぁ!!」

たかしの足は地面を離れる。

飛んだ、空中を、あのドラゴンのもとまで。

森の主は近づいたたかしを避ける。。。


だが!!


同時にたかしは空中を蹴り出し森の主に拳をぶつける。

120ダメージを与えた。

「(まだだ、もっと殴れるはずだ)」

たかしが落下することはなく拳はひたすら森の主に打ち込まれる。

「(オラオラオラー!)」

「「(こいつ本当に人間か!?)」」

森の主は地面に叩きつけられた。

500ダメージを与えた。


たかしはフワッと減速し着地する。

技の影響で飛んだ場合、落下に支障はないようだ。

「「驚いたぞ、飛行ができる人間がいたとはな」」

森の主は再び空を飛行する。

森の主は翼を強く押し出す。風の勢いが強くなっていく。

「「トルネード」」

翼の下に大きな渦が出来上がる。

砂を吸い込んだ茶色いトルネードが俺達に迫る。

俺は画面を開き、俺とたかしに防御をした。

700ダメージを受けた。

飛行しながらこの技を何度も出されたら勝てない。

俺はたかしの技を開く。TPは今食らったので十分だ。

俺は超集中と会心拳を選択。

「たかし、もう一回だ」

俺は魔法を選択し、ファイアを放つ

「ファイア」

翼を狙え!集中しろ!

俺はファイアを唱え続けた。

「ファイア」「ファイア」「ファイア」

動きが速い、翼どころかどこにも当てられなかった。

しかしたかしは違う。

必中の攻撃だ、あいつが速く飛ぼうと関係ない。

「会心拳!」

たかしの拳は森の主にヒットした。

205ダメージ与えた。

よし、こっから数秒間はクリティカル確定。

倒せるぞ。

たかしは追い打ちを行う。。。だが。

「う。。。動かねぇ」


「「サイコキネシス」」

たかしの体は空中で固まった。

「「驚いたぞ」」

「「本当は貴様が飛び上がった時点で発動するつもりだったが、間に合わず攻撃を食らっていた」」

「「だが今の攻撃はのろかったぞ。。。フハハハ」」

技選択と関係ない攻撃だから防がれたのか。

「「これを使うことは、戦闘では無いと思っていたが。。。フフ。。。褒めてやる」」

「「貴様は私の最強の手駒だ」」

森の主の目が紫色に光る。

「「洗脳光線」」

光はたかしの体を包む。森の主はサイコキネシスを解き、たかしはゆっくり着地する。

「おのれ、勇者め」

たかしは俺に向かって走り出す。やばい洗脳されてる。

俺はたかしの戦闘画面を開く。

技が使えない、技を選択しても反応しない。

メッセージが下から飛んできた。

「技が使えません:残り15秒」

このデバフのせいか!

右上には混乱をあらわす線の渦が表示されていた。

600ダメージを受けた。

やばい!

今のたかしはクリティカル確定、必中状態。

避けられないかつその攻撃はすべて強力。



死ぬかも。




だが諦めないぞ!防御を選択して時間を稼げば。

「うおー、ゲーム魂!!!」


「「サイコキネシス」」



あっ死んだ。


俺の体は固まった。

たかしは俺に拳を2発放った。

1200と数字が出る。


終わった。。。



まぁセーブしてるし、またやり直せるっしょ。


たかしの攻撃は3発目にうつる。。。そのとき。


「スパーク」


森の主とたかしに黄色い高エネルギーが放たれた。

「はぁ、はぁ」

「主様、私を騙していたんですね」

「たかしみたいに!」

頭を抱えたカナが魔法を唱えたのだ。


た、助かった〜。


「「まさか」」

「「こいつらに魔力を回していたとはいえ、洗脳は解除していない」」

「「記憶が覚醒したのか」」


カナは魔法を唱えた。

「ヒール」

「少しばかりだが許してくれ」

俺のHPは800回復した。

たかしはカナの方を向き、一瞬だけ固まった。

「か。。。な。。。」

「「何をしている!早くとどめを刺せ」」

命令にピクリと反応したたかしは俺の方に向き直る。

だがもう遅い。

「残り:0秒」

俺はたかしの戦闘画面を開く。

「べー」

「「馬鹿な」」


手足が動かなくとも舌で押せるんだよ。

俺は3回攻撃を押した。


たかしは森の主に向かって走り出す。

「「おかしい、洗脳が溶けるなんぞ」」

「おりゃ!」

たかしは森の主にクリティカルヒットを与えた。

森の主に1800ダメージを与えた。

「って、あれ?」

「俺、何やって」


普通は洗脳を解く方法なんて、お前を倒すか、本人が覚醒するしか無いのだろう。


だが、ここがゲーム要素のある世界だと分かる俺にとっては、方法がまだある。

RPGのゲームのデバフは大抵、時間やターン経過で終わるもんだ。

だから俺はその条件を発動させるため、たかしの技を選択したんだ。

いくら洗脳が強力だろうと、この世界ゲームのルールの枠でしかないのなら、解除は簡単だ。


この世界で俺しか知らない、俺だけの攻略法(チート)だ。


たかしの洗脳は解かれた。

だがまだまだ決着は着いていない。

やつがまたあの光を出せばまた振り出しに戻る。

「なぁトンコロコロ」

「なんだ」

「なんかよぉ、分かんねぇけどよ」

「なにか、すげぇのを出せる気がするんだ」

「いままでのより、ずっとすげぇのが」

何が言いたいんだ。

俺はたかしの技を開く。

しかし、今までと技の構成は変わらない。。。

たかしの言いたいことが分からない。

俺は技画面から戦闘画面に戻す。

!! 分かったかもしれない。


たかしが言っているのって。


俺は必殺技画面を開く。

乱打双拳、使えるぞ。説明はまだ表示されていない。

だが名前からして強力なのは間違いない。

それに、たかしの必中も会心拳の効果もまだ続いている。

もしかしたら、とんでもない攻撃が出るのか。

俺は乱打双拳を選択する。

「ありがとよ」

たかしにはセレクト画面は見えていない。

だが直感で俺が何かした事に気づいたのだろう。


カナが叫んだ。

「二人とも来るぞ!」


「「貴様ら、粉々にしてくれる!」」

森の主から強い魔力が流れ出す。

森の主はサイコキネシスを地面に放った。

地面は津波のように盛り上がり、三人を飲み込む。




はずだった、一人を除いて。



たかしは崩れる地面を飛び越え空を飛ぶ。


「これは、カナの今までを奪ってきた分だ!!」

たかしは森の主に重い一撃を食らわす。

何発も何発も何発も何発も、その拳は森の主を攻撃した。

その拳が10発を迎えた時。

森の主は7000ダメージを受けた。


「「魔王。。。様〜。。。」」

森の主は湖に墜落する。


______


「主は倒せたようだな」

「たかし、私は昔のことを。。。」

「今は思い出せなくて大丈夫だ」

「一旦、カナを村に送ろう」


俺達は森の主を倒した。

そして、カナを救ったのだ。


レベルが上った。

たかしはレベル20に上がった、トンコロコロはレベル20に上がった。



















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