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玄武の霧 その1

蠢いた玄武の鎧は肥大化する。


でっか。。。


大木に並ぶほどまで膨れ上がった玄武___

そして、その巨体はゆっくりと割れ、羽化が始まった。


膜はゆっくりと消え、中から大きな亀が現れた。

亀、いや玄武なんだが。。。


玄武は真の姿になった。

広大な高潔な音楽が流れた。


とにかくでかすぎるんだよ。


甲羅には大きな穴が複数個空いており、火山のように煙を噴出している。

その煙は不規則な軌跡を描きながら玄武に絡みつき、まるで蛇を思わせた。


いや違う、蛇だ。

煙の先端は形を変え、蛇の頭を形成していた。


「「雲蛇はくじゃ」」


蛇の目は紅く俺達を見つめていた。

煙を強く噴出させる、蛇は更に大きくなる。


「「北欧神蛇ヨルムンガンド」」


玄武と俺達の周りを一瞬にして包み込む。

瞬間、世界が白くなった。



「みんな、おい!」


ダメだ、誰もいない。

気配がない、霧に染まった瞬間みんなが見えなくなった。

「どこだよ、玄武」

あんなに大きかった玄武さえ見えなくなっていた。

まさか幻覚。。。


どう対処するか。。。


。。。。。。


「霧、玄武は。。。」

はぐれた。。。傷が残ってるのに。

たかしは斬られた部分を抑え、霧を歩いていた。


。。。。。。


「誰もいない」

魔法。。。いや、魔力の気配は無い。

これは玄武の技ね。

魔法でどうにか出来ないかしら。


。。。。。。


「ふぇ?」

えぇ。。。どうしよぉ〜。

こんなんじゃ皆の役に立てないですぅ。

これぇ魔法使っていいのかなぁ。。。

アビスは魔法を放つ準備をしていた。


。。。。。。


「「どうだ。。。」」

四人は同時にその声の方を向いた。


煙の先に小さくなった玄武がいた。


小さくなっている。まあ、大木サイズから三メートルになっただけだ。

デカいもんはデカい。


「「これが私の真の力だ。。。」」

「「この霧は分散させる力を持っている。。。」」


北欧神蛇は取り囲んだ空間の広さを数百倍にすることができる。

また、その空間内で玄武は自身の力を分散させることができる。

今回の場合、力を四等分し、それぞれの相手に接近している。


「「助けを求めることはできない。。。」」

「「お前の力を出し切るんだな。。。」」



「「破滅の甲羅」」

玄武の甲羅に赤黒い炎が発生した。


甲羅の六角形の数枚が飛び出し炎を纏ってミサイルのように襲ってきた。


俺は魔法画面を開きファイアを選択した。

手の平に炎が発生した。

俺は飛び出した甲羅に向かって放った。


ファイアが甲羅にぶつかった瞬間、轟音とともに爆発が起きた。


当たればやばいな。

甲羅が近づくたび俺は何発もファイアを放った。


その度、甲羅は爆発した。


「「止められたか。。。」」


全部防いだ。

俺は玄武に向かって飛び出し刀を振るった。


しかし、刃は通らなかった。


硬い。。。

人間の姿と違い攻撃も防御も高くなっている。



いいや違う、技だ!



玄武の体に薄っすらと茶色いオーラが発生していた。

「お前、別に防御は上がってないな」


「「ほう。。。」」


「「天地の盾」」

玄武の防御力の正体はエネルギーの集中量によるものである。

攻撃時はエネルギー配分が攻撃に多く振り分けられ防御力が落ちているのである。

しかし、本来の姿に戻った玄武は、人間の姿では使えなかった技を解放した。


それが天地の盾___

天地の盾は自身の防御力を極限にまで上げる力を持っている。


だが、天地の盾は利点がある一方で___


「「ン"ブッ!!」」


玄武の口から血が垂れる。


天地の盾は肉体を極限にまで凍らせてしまう。

内臓の奥深くから体の隅々に至るまでを凍てつかせる天地の盾は、

玄武にとっても甚大な反動をもたらす。


大気が一瞬にして凍てついた。


冷たい。。。

体の体温が一瞬にして奪われる。


「「天地の盾。。。解除」」

玄武の体に温もりが生まれた。

冷気が徐々に消えていく。


「今なら食らうよな!」

俺は刀を振り上げ玄武を攻撃した。


720ダメージ与えた。


使えるまで対抗せねば。。。


玄武の体が紅く光りだす。

「「爆熱甲羅塵」」

そして光が強くなるとともに爆発を起こした。


半径3メートルの範囲を焦がした。


1000ダメージ受けた。


「別に大した技じゃねぇな」

「「ならば。。。」」


玄武の空いている甲羅の穴から煙が噴出する。

煙から大きな蛇が形成される。


「「雲蛇はくじゃ」」


玄武の体から蒸気が発生する。


「「修蛇しゅうだ」」


蒸気を吸収し更に大きくなる蛇。

蛇は高温を纏い俺に向かって飛び出した。


こいつ、俺を追ってくる。

修蛇は俺を狙って飛んでくる。


これはあんときのをやるしかないか。

俺は一気に玄武に向かって走り出した。

そして、近づくのを見計らい俺は玄武を飛び越えた。


修蛇は玄武に勢い良くぶつかった。

修蛇は体に入り込んでいる。


入り込んでいる。。。?

ぶつかったんじゃない、入り込んでいるんだ。

玄武には数字が表示されない、ダメージは受けないのか。


その時、霧から修蛇が飛んできた。


「なんだこれ!」


2000ダメージ受けた。


どうやら玄武を通して別の場所に移動できるみたいだ。


攻撃を終えると蛇は霧に同化し消えていった。

煙で出来た蛇は玄武を渡ることで霧の中を移動することができる。


「「烈火煉獄甲」」

玄武の甲羅の六角形が複数に分裂する。

そして幾つもの甲羅は空に放たれた。


放たれた数百の甲羅の破片は炎を纏い落下した。


何発も受けれねぇよこんなの。

俺は魔法画面を開きリーフを唱えた。

リーフ!!

渦が巻かれている。渦は強く激しく巻き上がる。


一個一個は小さいんだ吹っ飛ばせるはず。

甲羅の破片は俺に向かって降りかかる。

しかしリーフがそれを押し出し接近を防いだ。


攻撃の隙を逃すな!

玄武の攻撃が続くばかりだ隙があればそのたび入れないと。

俺は走り出し再び玄武に刀を振るった。


「「天地の盾」」


ダメだ、やっぱり防がれる。

あいつ、インターバルを稼いでるんだ。


「「破滅の甲羅」」

玄武の甲羅に赤黒い炎が発生した。


甲羅の六角形が数枚飛び出し炎を纏ってミサイルのように襲ってきた。


まずい、この至近距離!

俺が防御するより先に当たる。。。


俺は向かってくる甲羅を刀で弾いた。

瞬間、甲羅が爆発し俺を襲った。


6000ダメージ受けた。


この爆発やばい、思った以上に火力が高い!!

爆発で吹っ飛んで良かった。

もしあそこにいたなら残りの甲羅に襲われて死んでいた。


残りの甲羅は地面と激突し爆発した。


かなりダメージを貰った。

俺はセレクト画面を開き神秘の水を取り出した。

神秘の水の蓋を開け、体に少し垂らした。


その瞬間、体が一瞬にして癒やされた。

緑の結晶と同じ感覚だ、さすが精霊の力。


HPが全回復した。

右上にハートのマークが表示された。

どうやらこれが不死の効果みたいだな。


「「天地の盾。。。解除」」

グッ、7秒が現界。。。


天地の盾の反動はあまりにも大きい。

発動を長引かせれば、玄武自身が自滅しかねない。

その限界は──わずか7秒である。


やつの攻撃を7秒以内に対処すればいいだけ。。。

そして私は本気で戦うだけ。

「「名を名乗れ。。。」」

「トンコロコロ」

「「そうか、覚えておこう。。。」」

「「私はトンコロコロを忘れぬぞ。。。」」


「なに勝ったつもりでいんだよ!」


俺は玄武に向かって走り出した。


再び発動させるまでは。。。


玄武の甲羅に赤黒い炎が発生した。

甲羅の穴から煙が噴出する。

煙は赤黒い炎を吸収し黒い煙に変化する。


そして煙は蛇を作り出した。


「「夜刀神やとのかみ」」

夜刀神は地面に向かって飛び込んだ。


脚は止めない、ただ玄武に向かうだけだ。


その時、大地から黒い煙が発生した。

全体に広がった黒い煙は俺の体を焼き尽くした。


5000ダメージ受けた。


止まらない。。。

それどころか避けもしない。。。


私はトンコロコロの覚悟を甘く見すぎていたようだ。


俺は玄武に向かい刀を振るった。


「「天地の盾」」

やっぱり硬くなっている。。。

TPを使わなくて良かった。


解除されるその時まで、俺は斬り続ける!!


刀は何度も玄武に当たる、ダメージは受けていない。


早すぎた、もう持たない。。。


時間にして3秒___

玄武の天地の盾は7秒を持たずに崩壊する。


「「天地の盾。。。解除」」

凍った大気は元に戻る。

同時に玄武に攻撃を与えるチャンスが生まれた。


今だ!!

俺は必殺技画面を開き超大振りを選択した。

「超大振り」

力が漲る、俺は漲る力で刀を玄武に放った。


9700ダメージ与えた。


玄武の巨体は一瞬だけ浮き上がった。

「「面白い。。。」」

玄武の岩のように固い表情が、一瞬だけ揺らいだ気がした。


玄武の体が紅く光りだす。

「「爆熱甲羅塵」」

そして光が強くなるとともに爆発を起こした。


半径15メートルの範囲を焦がした。


「こんなに広かったか?」

「「爆熱甲羅塵はダメージを蓄積する」」


4500ダメージ受けた。


続けて玄武は攻撃する。

「「旧約聖海レヴィアタン」」

一瞬だけ天地の盾を発生させ直後、煙を噴き出した。

冷気を吸収した煙は蛇を形成し俺に向かって放たれた。


旧約聖海の軌跡は氷を発生させている。

凍ればさすがに不死でもきつい。


俺は魔法画面を開きファイアを選択した。

発生した炎を旧約聖海に向けて放つ。


そして、衝突と共に大きな霧を発生させる。


冷たい。。。


旧約聖海は崩壊した。


クソッ、やられた。


体が氷に包まれた、動けない。


2000ダメージ受けた。


旧約聖海、触れたものを凍らせる力を持っており崩壊した場合、

全体に凍える煙を撒き散らす。


不死もそろそろ切れる。

動けよ、体!!


「「終わりだ」」

玄武の甲羅に赤黒い炎が発生した。


いや、まだだ!!

もったいないが使うしか無い!


俺は必殺技画面を開き舌で超大振りを選択した。


力が漲る。。。

俺は氷を力一杯砕いた。


間に合う!!

俺は走り出し玄武に向かって刀を振るう。

ダメだ、間に合わない、効果が切れる!!


俺は咄嗟に投げる姿勢に変え刀を投げた。


これは賭けだ!!

超大振りが投擲に適用されるかは分からない。

だが、やるしかない。


もう後がない。。。


刀は一直線に玄武へと飛翔した。


そして___


「「グッ!!」」

刀が玄武の額を打ち、硬い甲殻にヒビが走った。

刀はゆっくり地面に刺さった。


数字が表示された。

8700ダメージ与えた。


勝ったのか?


「「見事だ。。。」」


甲羅の炎が徐々に薄くなる。

力が抜けているようだ。。。


「「そして終わりだ。。。」」


再び玄武の甲羅に赤黒い炎が発生した。


あの一瞬、意識が飛びかけていた。。。

だが負けられない。。。


玄武の闘志は漲っている。

同じく玄武も負けられないようだ。


「はっ、ハハハ」


終わったよ。。。


確かに終わっていた、でもあったよ!


玄武が溜め直してなきゃ、さすがに無理だった。


俺はセレクト画面を開き剣を装備した。


「これが正真正銘最後の一撃だ」

「「ならば来い。。。」

「その一撃を受けきってやろう。。。」


天地の盾は、とっくに発動できる。

それでも玄武は構えない。

トンコロコロの最後の一撃に、己のすべてで応えようとしているのだ。


俺は剣を全力で投げた。

迷いも余力もないただ全力で!!


そして___


玄武の額に剣が刺さる。


1430ダメージ与えた。


クリティカルヒット____


「「今度こそ。。。見。。事」」

玄武の体が崩壊した。

玄武の巨体が崩れると、周囲の霧が少し晴れた気がした。


トンコロコロは玄武の一片を倒した。


。。。。。


そしてカナへ

















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