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桜の木の下で

白虎は人間の姿に戻った。

炎に包まれて負傷した白虎の体は戻ると

同時に傷は消えていた。

人間の姿の時に受けた脚の傷だけは消えていなかった。

もちろんダメージは体に残っている。


_______


レベルが上った。

俺は52に上がった。たかしは52に上がった。カナは52に上がった。アビスは50に上がった。


______



「おどいた」

「もう体ガタガタだよ」

白虎は大木に寄りかかっている。

「ニャ〜できればぁ。。。その」

照れながら白虎は尻尾を強く振った。

「少し回復してくれれば嬉しいにゃ〜」

苦笑いをして頭を掻いた。

「どうしよっか」

「ニャ!そこをなんとか。。。」


。。。。。


カナは回復魔法を唱えた。

白虎のHPが回復した。



「ニャニャニャんにゃんにゃん」

「にゃにゃにゃんニャンニャん。。。」


白虎は鼻歌でねこふんじゃったを歌っている。

歌いながら大木を巡回している。



「ふわぁ〜ネムニャ。。。」

大きなあくびをして眠そうにしている。

「力を使うにはあと3体倒す必要があるニャン」

「そこは頑張れニャンね」

白虎は大木に触れた、ゆっくりと手のひらが大木の中に溶け込む。

「ば〜いば〜い」

体全体が大木の中に溶けた。

砂浜に舞った砂埃は消え、波の音が一層強く聞こえる。



白虎の気配は完全に無くなった。



大木に生えた緑の葉が強く光りだした。

大木からオーラが溢れた。



。。。。。。。


「。。。。。!」

「夏の木が光った。。。」

どこかの海沿いの建物の窓から誰かが大木を見ていた。

「四獣で最も冷酷な白虎を倒したか」

ふと笑った。

「あいつの言った通りになったな」


。。。。。。。


そして数秒の時間を得て大木のオーラと光は消えた。



「おわった?」


何も起きない、これで終わりのようだ。


白虎の戦いは幕を下ろした。



_______



「おお、それは!!」

俺達は白虎を倒したことをとりあえず殿様に話した。

「やはり言い伝え通りだ」

殿様が感心する中、周りの者が信じられんという顔で俺達を見ていた。

またヒソヒソと小言を話している。

「嘘ではない、みたいですな」

「しかし4人で倒せるのならやはり我々だけで」

「そう思うか?」

「はい、もちろん」

「私には小奴らが信頼に至るとは到底。。。」

殿様は微笑んで家来に話した。

「ハハハ、一代目の和国の王の書には4人で戦ったと記録されていた」

「当時は今と違ってこの大陸を支配するため各地で争いが絶えなかったそうだ」

「それ故、軍と四獣が衝突することもあった」

「だが当然、軍は壊滅した」

「我ら三百の軍とは違い、当時は二千の兵だったそうだ」

「二千。。。ですと」

「そうだ、彼らもそして先代も我らの想像を越える修行をしたはず」


家来の口が塞がった、何も言えない言い返せない。

軍が歴史が四獣を倒せない事実を証明している。


「この島の大木は白虎を除いてありません」

「他は少し離れた所の島と川を隔てて渡ることができる島にあります」

「川は神社付近の橋で渡れます」

「引き続きよろしくお願いします」

殿様は深くお辞儀をした。

再び俺達は四獣倒しに向かうことにした。


_____


神社___


白虎の大木をの真下の方向に神社があった。

神社による理由はなかった。

けどやっぱり懐かしさで行きたくなってしまった。


二礼二拍手一礼


うーん。。。

賽銭箱にGってやっぱり違和感がある。


いや、それより願いを言わなきゃなんだけど。。。

願い願い。。。。。


。。。。。


特に無い、ダメなのかな?


強いて言うなら、

トンコロコロをもっとマシな名前にしてください。


「え〜と、これぇ何やってるですかねぇ」

「さあ、私も始めて見るわ」

「二人でやってることが違うんですけどぉ」

「これも意味があるんですかねぇ」

「どうだか。。。」


トンコロコロの礼に並んでたかしは礼を行った。

たかしの場合二礼二拍手一礼ではなく、三礼五拍手一礼だったが。


「ふぉふぉふぉ」

「参拝者がいるのはやっぱりいいの」

老人は竹箒で小石を払っている、礼の姿を見てふと微笑んでいた。


「知ってるかい」

「この国には四獣という伝説の生物がいる」

「そしてそれを超える伝説が存在することを」

「伝説?」

「それは精霊と呼ばれているんじゃ」

「精霊とはこの世界の自然を生み出した神様なのじゃ」

「この国にも精霊がいて、ここに祀られているんじゃ」

老人は御本殿の横にあった白い大仏に目を向けた。

「前にあるのは四獣を祈る本殿じゃ」

「本来は御神木の前に祀るべきなんじゃろうが」


老人は再び竹箒で小石を払った。


「精霊ね〜」

俺は白い大仏に近寄った。

四獣を超える伝説って言う割にはアビスの魔法でよく見るし、

本殿には祀られてないし。。。


。。。。。


俺はふと大仏に触れた。


すると白い光が体を包んだ。

神社にいたはずだが、俺は小石が広がっている謎の空間にいた。

「みんな。。。」

誰もいない、たかしもカナもアビスも老人も。。。


「聞いてた見た目と違うわね」

上からゆっくりと誰かが降りてきた。

体に柔らかいカーテンのようなものを纏っている。

「あなた人間よね」

「ここはどこなんだ」

「ここは私の作った空間よ、で人間よねあなた」

「ん、ああそうだ」

「おかしいわね。。。。。いや、勇者は別に一人じゃないか」

「なにブツブツ言ってんだ」

「あなた勇者よね」

「ああ」

「私がここに来る前、勇者があいつを倒そうとしてるって聞いたから」

「あいつ?」

「知らないならいいわよ、聞いてもあなたじゃ何も変えられない」

「そんなの聞いてからじゃないと分からねぇだろ、てかあいつって魔王だろ」

「魔王?そうねあなたの役目は魔王を倒すことよね」

「しかし、幸か不幸かそれは大きな結果を及ぼす」

「先に言うけど、あなたは間違ってない」

「それがどういう結果を招こうとも」

「どういうことだ、言ってる意味がさっぱりだ」

「そうね、あなたが直接知れるものは一つもないわ」

「ただ、言えるのはあなたは間違っていない、それだけよ」

「私は風の精霊」

「臆病にも私はここに逃げた愚かな精霊」

「ちょっとした恩恵しか与えられないけど、これを」

風の精霊が手を伸ばす。

手のひらから小さな渦が現れた、強かった渦は徐々に回転を弱め消えていく。

そして一つの瓶が現れた。


メッセージが下から飛んできた。

「神秘の水を手に入れた」

神秘の水:一滴飲めば生死問わず肉体に強い生命力を与える水、一定時間不死になる。

「私の血を含んだ水です」

「一滴で十分に効果をもたらしてくれます」

「きっと役に立つでしょう」

「あなたは大仏に触ったことでここにきた」

「再び私に触れ元の世界に戻れます」

「なんか分からねぇけどありがとな」

俺は伸ばした手に触れた。

すると体を光が纏った。


_____



「。。。。」

手の先には大仏があった。

というより今までのが一瞬の出来事になったようだ。


セレクト画面を開くと確かに神秘の水があった。

幻覚じゃない。


「どうした」

「いやぁ〜特に」

俺もよく分かってないし。

「はやく行こうぜ」


俺達は鳥居をくぐり抜けて神社を降りた。


_______


橋を渡ると満開に咲いた桜の木が沢山あった。


この世界の季節の仕組みどうなってんだよ。

橋を渡った先には桃色の花で満ちた大木があった。

他に出発前に見えた少し離れた島に赤色の大木があった。

白虎の大木を夏と置くなら二つの大木がどうしても春と秋にしか見えない。

それにさらに奥には雪の積もった山が見えた。


まあそういうことだろう。


なんだか気持ち温かい感じがするのはここにいるからか。


俺達は大木に向かっている。

桜の木の道を真っ直ぐ行った奥には桜の大木が見える。


_____


雲が密集している。風の音がよく聞こえる。


白虎と同様、大木付近に緑の結晶があった。


俺は緑の結晶に手をかざした。

体が持ち上がるように軽くなり、フワっとする。

メッセージが下から飛んできた。

「回復しました」

「セーブしますか」

俺はセーブを選択した。


「。。。。。。」

「白虎を倒したか」


でっけぇ。。。


大木で待ち構えていたのは、

図体のデカい鎧を着た騎士のような男だった。

「あいつの取り柄は速さだった」

「私の場合はこの肉体の硬さだ。。。」

「玄武。。。それが私の名前だ」

「戦うのだな。。。」


「ああ、」

「フフ、良い具合に出来ているな」

玄武は背中に背負った大剣を引き抜いた。

「私は硬さといったが四獣あいつらにもお前らにも力で負ける気はない」


そして玄武は大剣を前に構えた。

「いざ、勝負」

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