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四百年の終わり

俺はセレクト画面を開きアビスのステータスを見た。

レベル42、魔法使い。。。


役職通り、魔法がたくさんあった。

ミナヒール 精霊レインアルテ 精霊ウィンドレイブ アークシャインボムズ 

ダークハートワルツ


そして必殺技は魔神炎帝。

魔神炎帝:____


名前からして炎系なんだろうな。


魔法はどれも目を惹かれるものだが一番目に入ったのはMPだった。

パーティーで一番高かったカナのMPを圧倒する量で、その差は10倍以上である。


やばすぎだろ。。。


魔法力と俊敏性が高く逆に攻撃力、防御力、HPが少ない。

遠距離に適したステータスだ。


やっぱりMPだけが桁違いに大きい。

レベル相応のステータスだったがMPがそれを破綻させてしまった。 



_______



俺達は隕石村に戻り休憩した。

「はあぁぁ疲れた」

「死ぬかと思うくらい疲れた〜」

「死んでたけどな」

たかしは小屋に入り突っ伏していた。

「あっ、あの。。。」

アビスは手帳を俺に差し出した。

「これ、よかったら」

「これって。。。なんだ」


俺が手帳を持った瞬間、


下からメッセージが飛んできた。

「魔王討伐書を手に入れた」


おお!これが魔王討伐書か!

戦闘に疲れて忘れていたが、そういえばこれが目的だったな。


「私の魔王討伐書です」

「私よりもと思いまして」

「ああ、ありがとう」


そして、俺は立ち上がり皆に声を掛けた。

特に突っ伏しているたかしを意識して声を掛けた。


「よし、東の大陸に行くぞー!」

「まだここじゃだめか?」

「ダメだ、こんな小屋、まだ船の中の方がましだ」


そうして俺達は重い足を上げ船へ乗り込んだ。



_______



東の大陸に向かうにはバリケードの許可を得る必要がある。

その許可を得るには相応の資格、隣海移動許可証が必要だ。

それだけじゃない、そこを渡る理由それを証明する資格がまた必要だ。


俺達の場合、魔王討伐書が必要だ。


そしてついに俺達の船はバリケードに近づいた。


「ふむふむ」

バリケードの役員は隣海移動許可証と魔王討伐書を確認した。

「よし、全て揃っているな」


つまりこれは!!


「ではここを渡ることを許可しよう」


ついについに!


田中の試練を乗り越え、森林の魔人を倒し、師匠の嫉妬に付き合って、

そしてここまで来た。


とうとうこのバリケードが開くのか。

長かったな、そしてこれからも長くなるんだろう。


バリケードがゆっくりと開いた。

その先には海が広がっている。


俺は船を進めてバリケードを超える。



______



とある城

「ついにこの日が来ましたか。。。」

老人は、何かを堪えるような辛い表情を浮かべていた。

「約束から400年」

「再び交わせるのは何代掛かるか」

若い男も苦難の顔を浮かべていた。

「言い伝えの者がまた現れるか。。。。。」


______



これが東の大陸。

東の大陸は他の大陸と明らかに文化が違うとは聞いていたけど。。。

日本。。。?


東の大陸は、これまでの西洋風の大陸とは異なっていた。

大陸には日本の城がそびえ、桜が咲き誇っていた。



下からメッセージが飛んできた。

「城の殿様に話しかけよう」


城ってあれか?

大陸の海辺に大きな城があった。


俺は砂浜に船を置き、城に向かうことにした。


_____


大きな門が城の行く手を阻んでいた。

「入っていいのかこれ」

俺はゆっくりと門を押しだして開けた。

「おい、いいのか」

「うんん、まあ多分」


城の敷地に人の姿は見当たらなかった、見張りとかいるもんだと思ったが。

俺はそのまま城の入口に入った。


中には暗い雰囲気の人たちが大勢いた。


「なにやつ!」

俺達に大勢の目が集まった。

「貴様らどこのものだ」

「警備は?。。。いや、」

「まあ待て」

白髪の老人は叫んだと思ったら男の声で黙り込んだ。

「お主達、異国のものだな」

「いや、それよりもなぜここに?」

「なぜって〜ええと。。。」

メッセージに従っただけだし、理由なんて。

「いや。。。そうか!」

冷たい表情だった男は笑みを浮かべ目を見開いた。

「言い伝えは本当だったのか」

「改めてお主達は異国のものであろう?」

「そうなるな」

「やはり!」

状況が分からない。

男だけが喜ぶ中、周りの人たちは不審な顔を浮かべヒソヒソと小言を垂らす。

「申し遅れました、私は8代目和国の王、龍斉之内(りゅうさいのうち)と申します」

「言い伝え通り、皆さんがこの国を救ってくださるのですね」

「ええと、話が追いつけないんだが」

「ああ!そうですよね」


「実はこの国は現在、力を失いつつあります」


昔___作物が実らず気候に恵まれず、到底人の住める大陸ではなかった。

その大陸には四獣が存在した、

四獣は精霊に続く神の生き物であり、とてつもない力を持っている。

一代目の和国王はその四獣と戦い、認めさせ400年の豊作を約束させた。

そして和国が誕生した。

一代目和国王はある言い伝えを残した。

ちぎりの時尽きしとき、遠つ国よりの客人まろうど、再び契りを結ばんとて此の地を訪れん。

たとえあまつかみ欺き、国土滅びしとも、契りはなお果たされん。」

そして今日がその400年目、約束が果たされる日。


「と、そんな時、お主達異国の者が現れて今という感じです」

「我らの力では到底四獣には敵いません」

「お願いです、四獣と戦い約束を再び交わして下さい」

殿様は頭を地につけ俺達にお願いした。

「気持ちは分かるが。。。」

たかしは頭を掻いて困った。

「俺達は魔王を倒す役目があるからな」

すると殿様は顔を上げて喜んだ。

「おおそれは、なんたる運命か!」

「魔王城には毒が広がっており船では到底進めません」

「そこで、この国の飛行艇を貸しましょう」

「約束を再び交わしてくれたなら」

「戦ってくれるな」

「そしたら断る理由はないな」

たかしは少し安堵した。

「では頼みました」

「四獣はこの国に生えている四つの大木に住んでいます」

「噂では人に化けているそうです」

「いいですか、くれぐれも甘く見てはいけません」


東の大陸も簡単には抜けれそうにないな。

俺は城を抜けて四獣の住む大木に向かうことにした。


。。。。。。。


「殿!!」

「やはり分かりません、こんな異国の者」

大勢の目は殿に集まった。

「だいたい言い伝えも信用できません」

「400年も前だ」

「四獣との約束がなくともこんなに良いではありませんか?」

大勢の声が殿に飛び交う。

が、殿は冷静に声を発する。

「いいか皆のもの」

「これから土地は朽ち始め、作物も育たなくなる」

「それだけじゃない、今まであった加護が消え魔王の下にいる魔物もやってくる」

「魔物が来ないなんて、おかしいと思わなかったか」

「言い伝えが仮に嘘だとて我らに何ができる」

「それは。。。」

飛び交う声は静まり返る。

「我らは言い伝えを信じ醜く祈るしかないのだ」

「それに、最後には我らが命を懸けるのだ」

「グダグダ言ってては民が不安を持つだけだ」


「そしていつの日か。。。」


殿は後ろにある刀、ナックル、剣、本を見た。









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