再び
俺達は真悪を倒し、大森林島を進んでいた。
「俺達いつまでこうしてるんだ」
「。。。。。」
沈黙が発生した。
はて、いつまで続くのだろうか。
正直さっきの敵でこの森もやり尽くした気がする。
師匠の実力は不可解だが、
レベルも十分上がったし別に良いのでは?
「まあ〜もういいか」
大森林島のイベントはきっとこれで終わり。
残るは師匠と魔王討伐書。
俺達は引き返し森を抜けることにした。
_____
「あれから一時間か。。。」
隕石村の酒屋で一人の少女が座っていた。
師匠と一緒にいた帽子の女である。
「おい、お前」
酒場の奥から男が出てきた。
「へ?」
「ななな、なんですか?」
「未成年だろ」
「え。。。?」
「早く出てけ!」
帽子女は酒場を追い出された。
熱くなってきたなあ。。。
日は正午を迎えた。
「あっ帽子の!」
「皆さん。。。」
「少し遅くなったか?」
「いいえ全然待ってません」
「強いて言うなら。。。えーと」
「待ってたんだな」
「いや、そのっ。。。はいぃぃ」
随分と待たせてしまったようだ。
「しかし〜師匠さんもずっと修行してるな」
「そうですねぇ。。。あんなに長いなんてぇ」
そういや帽子女って別に師匠と長い関係じゃないのか。
「俺達はもう奥に進むけど君は」
「はい、私も一緒に。。。。あ!!」
「しまった。。。」
帽子女は目を見開いて慌てた。
「荷物をお店に」
「別に待って。。。」
「いえいえ、すぐに向かいますのでお先に」
帽子女は駆け出して酒屋に入っていった。
「。。。。。。」
荷物取るの遅くない。
行かなきゃ進まないイベントのようだ。
「まあ先に行ってるか」
俺達は隕石跡地の奥へと再び進んだ。
。。。。。。。。
隕石村の酒屋
「ええええ!?」
「どこどこ?私の本!!」
「おい、お前!」
「ちょっとマスターさん」
「え?」
「私の本は?あのぉ私の本!!」
「マスタ〜。。。」
「この本どうやって読むんだぁ〜。。。ヒック」
「ちょっとそれ、私の本!」
「って、油で汚れてる!!」
「おいそれぇ、今俺の読んでる本」
「私の本!!!」
「マスター、この本はどこに売って。。。」
「いや、だからそれも!!」
。。。。。。。。
俺は緑の結晶に手をかざした。
体が持ち上がるように軽くなり、フワっとする。
メッセージが下から飛んできた。
「回復しました」
「セーブしますか」
俺はセーブを選択した。
「あら、生きてたのね」
「死にかけたけどな」
「彼女に話は聞いたぜ」
「話?」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「いい加減うるさいわね」
「あんたらなんかこの力で」
すると周囲の大地が軋み、空間が歪んだ。
でたなこの殺気。
「ッ!!」
「すごいわ、とてつもない魔力よ」
「当たり前よ」
「私は北の大陸で最も強い魔術師なのよ」
「国だって私を裁く事はできない」
「言ってる意味、分かるわよね?」
師匠の体を黒いオーラが纏った。
「殺す。。。って意味」
魔力は殺気を含んでいる。体には不可解な重みが来た。
だが、一度目よりは軽く感じた。
レベルが上がったおかげなのだろう。
「彼女、かなり危ないわよ」
「魔力によって心が支配されているんだろ」
「そう、簡単になるものじゃない、色んな気持ち、色んな記憶、強い衝撃でなるものだから」
「彼女を戻すには魔力を消耗させるしかない」
「もういいかしら」
師匠は不機嫌な表情でこちらを見た。
「いいぜ、戦おう」
「はぁ?あんたなんか、私が戦う必要無いわよ」
師匠は杖を前に出し、魔法を唱えた。
「来なさい我の巨神兵」
地面に魔法陣が発生した。
魔法陣は回転し、光を発生させた。
ギュオオオオン
すると魔法陣から鎧の体が出てきた。
4mの巨体の鎧が俺達の前に現れた。
白い光が空間を包む。希望と絶望を含んだ音楽が流れる。
メッセージが下から飛んできた。
「巨神兵が出現」
さあ二回目の巨神兵戦、師匠戦のためにも温存しなきゃな。
俺は戦闘画面を開き3回攻撃を選択した。
俺は巨神兵に向かった。
たかしも一緒に巨神兵に向かった。
剣は巨神兵の体を斬った。
たかしの拳は巨神兵の足を攻撃した。
2380ダメージ与えた。
巨神兵は動いていない。
今のうちに倒さないと。
俺はTPを上げるため、ひたすら攻撃を繰り返した。
「お前もTP上げろ」
「ティ?。。。殴れってことか!」
たかしも合わせて攻撃を行った。
二人のTPは上昇する。
「乱打双拳」
「超大振り」
10の拳が巨神兵に放たれ、強力な振り上げが巨大な体を突き飛ばした。
12740ダメージ与えた。
師匠は不満げな表情を浮かべた。
「ロックストーン」
カナの剣先に周囲の岩が集まった。
集まり収束した岩は、5mの巨大な岩となった。
その岩は巨神兵に向かって放たれた。
2800ダメージ与えた。
巨神兵の体は動いていない。
この勢いだ。
巨神兵はゆっくりと体を起こす。
「会心拳」
たかしは拳を放つ。
710ダメージ与えた。
「もう一発」
たかしは強化された拳を巨神兵に放つ。
だが___
「動いたか」
たかしの拳は巨神兵の大剣によって防がれた。
「こいつ、なかなか速いな」
たかしの拳は巨神兵の大剣によって全て防がれる。
俺はその隙に戦闘画面から5回攻撃を選択した。
2819ダメージ与えた。
「アイス」
カナの剣先に冷気を纏った球が発生した。
その球は巨神兵の腕に命中して動きを鈍らせた。
「食らえ!」
たかしは三回攻撃を放つ。
大剣はたかしの拳に間に合わなかった。
4260ダメージ与えた。
すると、巨神兵の体は崩れ始めた。
レベルが上った。
俺は41に上がった。 たかしは41に上がった。 カナは41に上がった。
あの時と違って確かに俺達は成長した。
あとはこの女を。。。
「チッ、なかなかやるわね」
「どうよ、最初に比べて。。。」
って、あっちは知らないか。
師匠は杖を前に出した。
「!!」
俺は咄嗟に右へ避けた。
その直後、さっきまで俺がいた場所に炎が舞い上がった。
「っぶね〜。。。」
不意打ちで魔法を放ってきやがった。
「(ヘルファイアを避けた。。。)」
「なら次は」
「待ってください」
背後から、少女が息を切らして駆けてきた。
「あら、アビスじゃない」
「あんたら知り合いなの」
「そうだぜ、名前は今知ったが」
帽子女の名前はアビスというらしい。
てか、たかしも知らなかったのかよ。
「そう」
「で何よ」
「こっ、これ以上迷惑を欠けるなら」
「私は。。。」
足が重い。。。けど!
アビスは決意を込めて一歩を踏み出した。
「私は許しません!」
「いいわ、まとめてきなさい」
あれ、今の納得する雰囲気じゃないの?
「ふぇ?こっ、これで終わりじゃ。。。」
「何よ、あんなんで止めれるとでも?」
「無理ね死んで反省しな」
メッセージが下から飛んできた。
「アビスが一時的に仲間になった」
師匠との戦いが始まる。