森の支配者
たかし:レベル38
カナ:レベル38
俺:レベル38
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大森林島には魔物が多い。
その中でも最も多い魔物は。
「またか」
大きな木が急に動き出し襲ってくるのだ。
白い光が空間を包む。軽快な音楽が流れる。
メッセージが下から飛んできた。
「人食い樹木が出現」
「ふん!」
たかしは人食い樹木に強く拳を打ち付けた。
ミシミシと音を出し砕けた。
岩をも砕くたかしにとって樹木は敵ではない。
アイテムが落ちた。
ハイパーポーションを手に入れた。
ハイパーポーション:HPを2500回復
経験値が美味いのもそうだが特に良かったのはこのハイパーポーションだ。
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ドシッ、ドシッ!!
奥から何か音がする。
地響きと木々の砕けた音が聞こえた。
「見つけたぞ!人間ども」
声の先に強い光が見えた。
なんだ、あの赤い光。
「ちょっと光が大きくなって」
「いや、あれ向かってるぞ」
「おい避けろよ!」
光は直線上に伸び森を抜けた。
「ゴミどもよ、こんにち!」
光を出したであろう魔物が現れた。
「俺は真悪、どうだ聞き覚えあるか」
「ないな。。。」
「すまんが知らねえ」
「私も」
「おのれ、人間め!!」
「最強の我に嘘をつきよって」
嘘ってなんだ。
「この真悪を知らぬはずがない!」
「人間は嘘を付つく生き物だ」
「だが言っていい嘘と悪い嘘があるだろ!!」
そのとき真悪の後ろから物凄い風の渦が飛んできた。
風の渦は真悪の背中を切り裂いた。
「んだあ?痛えぞ!」
真悪の後ろには天狗がいた。
「あれって天狗じゃないか」
「天狗を知っておいて俺を知らぬと?」
「やはり貴様らも貴様も消えるべきだ!」
真悪は手を伸ばし物凄いエネルギーを発生させた。
「爆力爆殺砲滅激天空魔」
光線が放たれる。光線は天狗の体を貫いた。
天狗は負傷しながらも芭蕉扇で風を起こし真悪に放った。
「トルネード」
風は森を削り、真悪に向かって突き進んだ。
「不可能なんだよ!!」
真悪は口を開け、球状のエネルギーを発生させた。
「大魔竜の咆哮」
球はトルネードを吹き飛ばし天狗に向かって飛んできた。
「爆発しろ」
球は急激に膨張し、周囲を消滅させた。
天狗は消滅した。
「あの野郎、忠告したのに」
真悪は振り返って俺達を見た。
「さあ次は貴様らの番だ」
白い光が空間を包む。軽快な音楽が流れる。
メッセージが下から飛んできた。
「真悪が出現」
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魔王護衛軍 四天王とは別で下に属する5つの軍の事で魔族の全てを統率している。
魔族が島を襲い略奪、殺戮を行うのは全てその魔王護衛軍によるものである。
魔王や四天王は基本動くことはない。
魔王護衛軍は 火、水、風、獣、闇に分かれており、真悪は闇に属していた。
3年前に魔王護衛軍は魔王によって解散された。
理由は不明。
魔王護衛軍の統率は失われ、侵略は消えた。
獣と水は解散に反対をしたが四天王に殺された。
魔王護衛軍はもう昔のことで今ではただの魔物に過ぎない。
火、風は師匠によって消されて、今では闇の真悪しかいない。
東の大陸は魔族にとって危険で、真悪はバリケードを破壊して大陸を転々とした。
そして、人間が簡単に近寄れない大森林島にたどり着いた。
人間を侵略の対象にしていたが、居場所を失い今では人間に追われる身となった真悪は
いつしか人間を恐怖の対象として捉えていた。
そして少数の人間を相手にする時は優位に立つことができるため、
真悪は痛めつけることに目覚めてしまった。
故に今、3人の人間に対し愛おしく思いかつ痛めつけたいと思っている。
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「さあ、臭くてたまらん人間どもよ」
「遊びましょ〜」
なんだ、気持ち悪い。
俺は顔をひきつった。
たかしは真悪に飛び込み拳を放つ。
真悪は拳をパシッと掴んだ。
「拳でやるのか?いいぜ」
拳を握っている。
真悪はもう片方の手でたかしの腹を殴った。
500ダメージ受けた。
「グッ!!」
「ハハもう一回」
再び真悪は拳を腹に放つ。
だが、たかしは拳を受け止めて掴んだ。
「次はこっちの番!」
たかしは足を上げ、真悪の腹に放った。
570ダメージ与えた。
俺は真悪に向かって斬りつけた。
429ダメージ与えた。
「このままじゃ動けないなあぁっぁぁ」
真悪は口を開け球状のエネルギーを発生させた。
「おい、ちょっと早く放してくれ」
たかしは腕を引っ張った。しかし真悪は放さない。
これじゃたかしが。。。
俺は上に飛び、三回攻撃を顔に放った。
1590ダメージ与えた。
口は開いたままだ。
「この口、閉じろ!」
俺は口に向かって剣を刺した。
「あがぁ?!。。。ぷぇ!」
「大魔竜の咆哮」
真悪は上を向き俺に向かって球を放った。
俺は紙一重で避け、球は空まで飛んだ。
「爆発しろ」
その声に反応して球は爆発した。
「口はアウトだろ」
真悪はたかしを蹴り、吹っ飛ばした。
1300ダメージ受けた。
真悪は俺に向かって拳を放った。
俺は剣で攻撃を弾いた。
「重っ」
拳は防いだものの体は吹っ飛んだ。
俺は壁に打ち付けられた。
1200ダメージ受けた。
「ロックストーン」
カナの剣先に大きな岩が発生した。
巨大な岩は真悪に向かって放たれた。
「ふんっ爆力爆殺砲滅激天空魔」
真悪は手を伸ばし光線を放った、そして向かった岩は粉砕された。
「捻りの利いた深い闇」
指先に黒い球が発生した。
両手の10本指から光線が放たれた。光線は木々を避け三人を狙った。
ホーミング攻撃かよ。
俺は向かってきた4本の光線を防御を選択して全て受けた。
3100ダメージ受けた。
たかしは光線に拳を放った。
しかし光線は防げない。
3000ダメージ受けた。
カナは魔法を唱えた。
3000ダメージ受けた。
「なんだ、このオーラ」
体の周りに黄色いオーラが発生していた。
たかしもカナも周りに同じオーラが発生している。
セレクト画面には残り3秒と表示された盾のマークが現れた。
「間に合ったわ私の魔法」
「なんなんだ、これ」
「私の魔法、シルドーよ」
いつの間にそんな魔法。。。レベルが上がってか。
いつの時点でかは分からないがどうやら魔法を手に入れたらしい。
「防御しなきゃって思った時、できたの」
「俺の魔法を耐えるか、いいな!」
真悪は俺に向かって拳を放つ。
「ン"見かけによらず力あるんだな」
俺の剣は真悪の手を押し出して真悪を攻撃した。
俺の腕に力が漲っていた。
「超大振り」
5040ダメージ与えた。
「会心拳」
たかしは真悪に拳を放つ。
670ダメージ与えた。
たかしは確定クリティカル状態になった。
たかしは3回攻撃を放った。
2040ダメージ与えた。
「ハハハ、いいぞ貴様ら」
真悪は手を伸ばし球状のエネルギーを発生させた。
「双玉の破滅光」
球は俺達を追尾して飛んできた。
「これ、あいつの声で爆発すんじゃねぇか」
「まじか、んじゃ逃げ続けるのか」
「いや、このタイプの技は穴がある」
俺は球に回り込んだ。
球は木々を避け、俺を正確に狙っている。
真悪は手を伸ばしながらこちらを見ている。
「さあ、逃げろ逃げろ」
あいつが操作しているのか、だが俺の見立てではあいつの性格は木なんか豪快に蹴散らすはずだ。
追尾の可能性がずっと高い。
しかし、あいつが突っ立ったまま手を伸ばしているのはなぜだ。
たかしは球からひたすら逃げ続けている。
「これならどうだ?」
俺は真悪に向かって走った。
「まさか!」
俺は真悪に当たる直前で曲がった。
まずい、球が!!
球は真悪に命中した。
球は小さな爆発を起こし真悪を包んだ。
5000ダメージ与えた。
なんだ、まだあの体勢なのか。
真悪は手を伸ばしたまま全く動いていない。
たかしはまだ追われている。
やはりコイツが操作している、いや違う。
なぜなら爆発の瞬間は視界を遮られていたからだ。
なのに綺麗に避けてたかしを追っている。
自動追尾、ならあの体勢は何だ発動条件か?
「おい、動かないと攻撃するぜ」
俺は背中に向かって攻撃した。
「動けない俺に卑怯だな」
430ダメージ与えた。
「このままなら必殺技をぶつけるぜ」
「もちろん俺だけじゃなくカナも放つ」
因みに必殺技はもう打てない。
「行くぞ!!」
「爆発しろ」
たかしを追った球は爆発した。
途端、真悪は動き出し剣を振り払った。
「急に動いたな」
「それに追尾を爆発させてから」
追尾を解除するでなく爆発させた。
確かに、解除するよりも爆発させたほうが攻撃できる可能性は高い。
だが引っかかるのは上空に放った球だ。
こいつがいちいち避られた球を爆発させるとは思えない。
解除しないのではなく解除できない可能性がある。
それに加え、技の発動中は動けないんだ。
だからこそ球を避けずに受けたのだ。
動くにはたかしを追っていた球も爆発させる必要があったのだ。
「気づいたな、俺の能力に!!」
真悪の能力 闇の魔力は魔力を強力な光線や球にすることができる。
闇の魔力は単純強引の意味を持ち、自身の解除と細かい行動を封じる。
引き換えに威力が高く細かい操作が可能となる。
圧倒を求める真悪の性格と、魔王護衛軍の“闇”に選ばれたことが、この能力を目覚めさせたのだ。
「終わらせてやる、下等な人間どもよ」
真悪は体中に闇の魔力を纏った。
「吹き飛べ!!」
「大地爆発世界崩壊陣」
魔力の膜は大地を削って広がる。
「トリプルエレメント」
カナの剣先に混合色の球が発生した。
その球が真悪に命中した途端、魔力の膜が止まった。
「魔力が止まった!?」
メッセージが下から飛んできた。
「真悪は麻痺状態になった」「真悪は凍結状態になった」「真悪は火傷状態になった」
5500ダメージ与えた。
「行くぞ」
「おう!」
俺は三回攻撃を選択した。
たかしは拳を放った。
1590ダメージ与えた。
6840ダメージ与えた。
「負けるのかまさか、この俺が?」
負けるわけにはいかない、負けるわけには。。。。。
なぜなら俺は、魔王護衛軍最強なのだから!!!!!
「俺は魔王護衛軍最強だ!!!!!」
真悪は俺に向かって拳を構えた。拳には強力な魔力が発生した。
その技は本来、動きを制約される能力であるが故に、発動することはできない。
しかし、感情の爆発と強い抵抗心が、それを可能にした。
それもまた、圧倒を求めるその性格が生み出した能力であったからこそ、成し得たことなのだ。
この時、闇の魔力は進化を遂げた。
技の使用中に縛られた体は自由となり、闇の魔力はより強力な魔力を放つ。
そのためカナの与えたデバフは消え、真悪を縛るものは何もなくなった。
真悪はこの時初めて気づいた。
自分の圧倒したいという気持ちは追い詰められた時こそ輝くのだと。
「闇覆う破滅の一撃」
「まずい、避けっ」
俺の頬に瞬時に拳が放たれた。
魔力は濃く光を発し放射された。
10800ダメージ受けた。
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