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大森林島

俺はあの時、師匠の攻撃を食らって死んだ。


奥には俺を殺したその師匠の背中が見えた。

「ちょっと待て」

「お?どうした」

たかしは師匠に話しかけようとしていた。

俺はその肩を掴み、たかしを止めた。

「まだ行かないでおこう」

「行かない?」

「もし戦闘になったら止められない気がする」

「戦闘?話するだけだぜ」

「きっと戦闘になる、最初会った時もすぐ魔法打ったろ」

「たしかに」

たかしは頷いた。

「それに師匠って魔王直属の護衛を相手にしたって」

「多分相当強いんだろうな」

「まあ、大丈夫じゃね?」

たかしは軽く言った。

このままじゃ信用できないな。


そのとき___


師匠は奥で魔法を唱えていた。

その魔法は莫大な魔力を放ち大地を崩壊させた。

同時に周囲の魔物が消滅した。


ちょうどいい。


「ほらあれ見ろ」

「強そうな魔物を一瞬で」

「おおーすげぇな」

たかしは感心している。

「俺達があんくらい強くなったら行こうぜ」

「そうするか楽しみだな」


説得完了。

俺達は師匠の所から離れ、敵を探すことにした。



_____



「いない。。。」

荒れた地に魔物はどこにもいなかった。

焼けた跡、濡れた跡、削れた跡、はじめには無かった跡が複数あった。

「これじゃレベル上げできねぇな」

魔物がいないならどうすればいいか。


ジリ___

「ッ!!」


なんだ?。

岩の裏に何かの気配を感じた。

「誰だ」


岩の裏から帽子が見えた。

「ひゃい。。。」

大きな帽子を被った女が出てきた。

「帽子女」

「フェ!?」

それは俺達を助けた帽子の女だった。

「ここで何かあったのか」

「えーと、魔物が一斉に暴れて。。。」

魔物が暴れたのか。

たしかにこの惨状ならそう考えるしか無い。

「あのぉ、師匠は。。。」

「すまんがまだ話してない」

「戦闘になる可能性があるらしいからな」

「そんで鍛える予定だったんだが、魔物がいなくてな」

「そうですか」

帽子女は顎に手を当て考えた。

「あっ、では大森林島はどうですか」

「大森林島?」

「はい、言い伝えでは天狗が住み着いている島だそうで」

「なんかすごそうだな」

「んじゃそこ行くか」

たかしは楽しそうにしている。


「えーと。。。私は」


「え?別に何でもいいけど」


「ふぇ?えと。。。」



____



「置いてったけどいいのか」

「別にこの島は関係ないだろ」


俺達は船に乗り大森林島へ向かった。

大森林島は木々が生い茂り光を塞いでいる。

暗い音楽流れている。


「足元、気をつけろよ」

「うわっ毒だ!」

たかしは200ダメージ受けた。


森林には毒溜まりがある。

気をつけて進むべきだ。

「すぐ回復してやる」

森林の入口には緑色の結晶があった。


俺は緑の結晶に手をかざした。

体が持ち上がるように軽くなり、フワっとする。

メッセージが下から飛んできた。

「回復しました」

「セーブしますか」

俺はセーブを選択した。


「さあ、レベル上げと行こうか」



_____



「誰だ!」

カナは上を向いて叫んだ。

「何かいるのか」

「ええ人の気配がするの」

気配に気づいたのはカナだけだった。


木々のざわめきに混じり不規則な小さなざわめきがあった。

「貴様。。。」

「森の音を知ってるな」

上の茂みから人が落ちてきた。

フードを被った男が現れた。

「1年間森で再現した森の音をそこらの者が見分けるなど不可能なはず」

「どれだけ森に住めばそこまで。。。!」

男は怒りだした。

「貴様なんぞに!」


白い光が空間を包む。軽快な音楽が流れる。

メッセージが下から飛んできた。

「暗殺団長が出現」


消えた。

暗殺団長は目の前から一瞬にして消えた。

「上、いや右、いや。。。」

カナは森の音を見極めている。

「ちがっ!!」

全方位からナイフが飛んできた。

俺とカナは剣でたかしは拳でナイフを振り払った。

しかし___

「まずは女」

暗殺団長はカナの背後にまわりナイフを突き刺した。

890ダメージ受けた。

「チィ!」

カナはランスで背後を振り払った。

暗殺団長は一瞬で消えて避けた。


暗殺団長は高速で動き姿を消した。

「我に当てることは絶対にできない」

この速さ、たしかに当てられない。


たかしを除いて。


「超集中」

たかしが深呼吸すると体の周りにオーラが現れた。

たかしは必中状態になった。

体が飛んだ。

「んな!?」

たかしの体は高速で動き暗殺団長を追った。

拳は暗殺団長に飛んで命中した。

500ダメージ与えた。

「まだまだあ!」

いくつもの拳は暗殺団長に命中した。

「うげぇ、がっ、ちょ」

1800ダメージ与えた。

「貴様!」

暗殺団長はたかしに向かって、いくつものナイフを投げた。

「ハハッどうだ!!俺のナイフ投げ。。。っえ?」

「スパーク」

黄色いエネルギーが暗殺団長に向かって飛んできた。

2000ダメージ与えた。

「クソ。。。なんで拳は当たって。。。ない、のに」

「いや、攻撃するの俺だけじゃないし」

「ガク。。。」


レベルが上がった。

俺は34に上がった。たかしは35に上がった。カナは35に上がった。


____


白い光が空間を包む。軽快な音楽が流れる。

メッセージが下から飛んできた。

「毒あり花が出現」


懐かしい。

黒森以来の毒あり花だ。


毒あり花は周囲に毒粉を撒き散らす。

俺は魔法画面を開きファイアを選択した。

手のひらに炎が出現した。

炎は音を立て燃えている。


俺はファイアを放った。

だが毒あり花はファイアを回避した。


そして。

「あれ、こんな花だっけ」

毒あり花は丸まりだしている。

丸まった形は次に細長く伸び、硬化した。

「剣。。。?」

毒あり花は紫色の剣となり直立した。


これ取っていいのか。

俺が剣に近づいたその時。


「はじめまして私はヴァンパイア」

「この森で紳士をやらせてもらっています」

植物から声がした。

そして、植物はツタに巻き付かれた。


ツタは半分に切れて口を開いた。

そして中から人が出てきた。


嫌、正しくは人ではない。


藍色の肌のマントを羽織ったタキシードの男はコウモリと共に現れ、剣を取った。


「私ね20年ぶりなんですよ」

「上質な血をワインで飲むの」

「そういうことで皆様方はしっかりと保存するのでよろしくお願いします」


メッセージが下から飛んできた。

「リーフヴァンパイアが出現」


「なにがよろしくだ、やらねぇよ!」

俺はリーフヴァンパイアに向かって走り出した。

いや待てよリーフってんだからファイア効くんじゃね?

俺は魔法画面を開いた。

同時に俺はリーフヴァンパイアに向かって剣を放った。

「いいですよその調子です」

俺の剣は弾かれた。

俺はファイアを選択した。

手から炎が出現した。炎は丸く輝いている。

俺はファイアを放った。

「炎に弱い私にそれはいい判断です」

炎はリーフヴァンパイアに当たった。

1000ダメージ与えた。

俺の炎でこの威力なら。

「カナ、こいつは炎が弱点だ」

「強いの頼むぜ」

「任せて」

カナの剣先に炎が収束した。

炎は大きくなりリーフヴァンパイアに放たれた。

「面白い、どのくらい食らうのか」

「ファイア」

炎が命中した。

3200ダメージ与えた。

「すごいですね」

「正直私、魔法には弱くてね」

「やっぱり剣でお願いします」

リーフヴァンパイはコウモリの群れを放った。

「ファイア」

カナは炎を再び放った。

「ひどいですね」

炎は命中した、だがダメージは無かった。

「魔法でダメージを与えたいなら、コウモリの群れを全て倒す必要があります」

「私は魔法をコウモリに肩代わりさせられるんですよ」

「もう一度言います剣でお願いします」


____


俺は三回攻撃を選択してリーフヴァンパイに攻撃した。

「とてもお速い」

1380ダメージ与えた。

「なら次は私の攻撃です」

リーフヴァンパイは剣を振り上げた。

俺は後ろに下がり攻撃を避けた。

「いいですね、だが」

700ダメージ受けた。

何?攻撃は避けたはずだ。

「なぜだ!」

「それはですね__」

「オラァ」

たかしは飛び出しリーフヴァンパイに攻撃した。

リーフヴァンパイは剣で拳を受け止め攻撃を防いだ。

800ダメージ受けた。

「手が。。。!」

たかしの拳は毒に侵された。

「毒なんですよこの剣は」

「これは毒あり花の剣、毒を持っているのですよ」

「毒を纏い、毒の粉を吹く、良い剣です」

不可避の攻撃。

時間を掛ければ重症になる。

俺は戦闘画面を開き三回攻撃を選択した。

たかしも三回攻撃を放った。

「あらら折れた」

リーフヴァンパイの剣はたかしの拳で折れてダメージを全て受けた。

3180ダメージ与えた。

リーフヴァンパイは倒れた。

「良くぞ私を倒した」

「この血はきみたちのものだ」

。。。。。


いや結構です。


リーフヴァンパイは消滅した。




レベルが上った。

俺は35に上がった。たかしは36に上がった。カナは36に上がった。


血、あげれてないじゃん。



。。。。。。




大森林島中央

「ったく、なんで魔王様は直属護衛軍を解散させたんだよ」

赤色の魔人があくびをかいて座っていた。

「んでなんだっけ、天狗?」

「あんたさー強いけど戦い慣れしてないだろ」

大きな木に天狗は強く打ち付けられていた。

「護衛軍最強の名も今じゃただの魔物」

「俺はさ、ここでぐーたら居座るしか無いんよ」

「次手出したら消すから」

魔人は頭をかきながら天狗に念を押した。


「ンゴッ、人間の匂い」

「はぁ〜俺、人間嫌いズラよ」

「面倒くさいゴミだからよぉ」

「お片付けしなきゃ」


魔人は森林を進んだ。



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