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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: うどん五段
第二章 マニキュアや他の商売も軌道に乗るんじゃがの?
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第69話 箱庭に教会を建てて欲しいと言う要望に、渋々応えるが――

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 マリアンが言うには、箱庭のことを聞きつけた教会から、「ぜひ箱庭にも教会を建ててほしい」という要望が届いているらしい。

 しかし、箱庭に教会を……と言っても、皆、休みの日には外に出て、外の教会へ行っておる。

 今さら箱庭に教会を作る、入れるというのは考えてはおらんかったのじゃ。



「しかも、その選ばれた教会は……私を虐めていた彼女たちが入っている教会でしたの」

「尚更いらんのう……」

「お恥ずかしい限りですが、色々精神的なショックもあって戻ってこれませんでしたの」

「なるほどの……。マリアンや? ワシはマリアンのやりたいことはしたくない。しかし、箱庭に教会を作る……というのは、決定事項なのかの?」

「ええ……。教会本部は国王と同じくらいの権力がありますわ……」

「ふむ。ならばこうしよう。その選ばれた教会以外の教会ならば、人数を最低限で置いても良いと」

「候補を消しますの?」

「うむ、マリアンを虐めておった者たちがおる教会をワシの箱庭に入れる等言語道断」

「ハヤト様……っ!」

「これで折り合いをつける。それでええな?」


 

 笑顔で告げるとマリアンはギュッと抱擁してきた。

 うむ、不安じゃたのう……。

 マリアンを虐めていた教会の上層部には悪いが、奴らが箱庭に入るなど、ワシには我慢ならん。

 よって、その案は白紙に戻してもらう。


「お断りはワシも一緒に行こう」

「宜しいので?」

「ワシの口から言ったほうが良いじゃろう。教会は選ばせてもらうと」

「かしこまりましたわ」



 その足でマリリンのもとに向かい、事情を説明すると「私もそれが良いと思って、別の教会を探していたところだ」と告げると幾つかの教会をピックアップいしくれた。

 用意が良いなと思ったが、きっと除外された紙には、マリアンを虐めていた者たちの教会が記されておったのじゃろう。



「マリリン、弾かれた教会だけはリストに入れず捨てもらっても構わん」

「うむ、私も思っている!」

「お母様……っ!」

「可愛いうちのマリリンを虐めていた輩が入っているからな! この教会には、ハヤトが却下を出したと伝えておく。愛しいマリアンを苦しめたシスターがいる教会などいらんといっておったとな!」

「~~はい!」



 どうやらこれでマリアンも安心したようじゃ。

 無論、教会は大きいものを建てるつもりはなく、こじんまりとした教会を立てる予定で、牧師とシスターが一人ずつ常駐するような、そんな協会にしてほしいと伝えると、ひとつの教会が書かれた紙を手渡された。



「ここは教会の牧師とシスターが夫婦なのだが、かなりのご年配でね。年を取って新たな牧師とシスターが入ることになっているらしい。ご年配の牧師とシスターは、それこそ居場所を探しているところだったそうだ」

「では、その牧師とシスターを常駐させることにしたいのじゃが?」

「ふむ……悪くはないが」

「もし人格者として駄目なら、出ていってもらうのみじゃ。まぁ、教会の人間が腐っていると言うことはないと信じたいがの」

「たまに腐っている聖職者はいるからな」

「それが問題じゃ。そうでないのなら受け入れるし、駄目ならエルフでも獣人でもええわけじゃしな」

「ん~~」

「どうしたマリアン」

「私の勘で申し訳ないのですが……このお二人は辞めたほうが良いかと」

「ほう?」

「何故そう思う?」

「いえ、本当に勘なんです……。もし来てもらうのなら、エルフ族か獣人族が宜しいかと」



 マリアンがこういうことを言うのは珍しい。

 ならば、彼女の勘に従うべきじゃろう。


 

「そうじゃな。マリアンがいうのは珍しい。その案に乗ろう」

「よいのですか?」

「うむ、我が箱庭は、獣人族かエルフ族の聖職者を雇う。それで文句はなかろう」

「ふむ……まぁ、箱庭の持ち主が決めたのなら、国王陛下に伝えるのみだ。問題はない!」

「ありがとうございます!」

「すまんのうマリアン」

「なに、マリアンの意見に耳を傾ける……。実に良い未来の夫ではないか!」

「お、お母様ったら!」



 こうしてワシらは箱庭に戻り、住民に「テリサバースの簡易の教会が建つ」と言う胸を伝えると「毎日お祈り出来るのは良いですね」と嬉しそうじゃった。

 ムギーラ王国や保護した面々もそうじゃが、「教会で祈る」と言うのはとても重要な事らしい。天国に行けるかどうかはお祈り次第とも言われているそうじゃ。



「そこで、獣人かエルフの聖職者を……と思っておるんじゃが」

「でしたら、この箱庭には獣人が宜しいかと。食べ物で悩む事はなさそうですし」

「確かに、エルフは食べるものが限られておったな」

「はい」



 テトの案を受けて、ワシはテトに「テリサバース教会を建てるため、獣人の聖職者を二名ほどお願いできぬか」と、獣人王に聞いてきてもらった。

 すると王は、「教会も木材を買い取りますので、ぜひ建てさせてください」と言ってくれた。

 ありがたい話じゃ。



 後に箱庭に「テリサバース教会」が出来上がる訳じゃが、それまだもう少し後のことで――。

 

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