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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: 寿明結未(ことぶき・あゆみ)
第二章 マニキュアや他の商売も軌道に乗るんじゃがの?

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第67話 【化粧崩れしない付与】とハッカ水の報告書に驚いたんじゃ!

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 ワシが【化粧崩れしない付与】を作り出したのは、単なる偶然とも言えるし、マリアンの為とも言える。

 以前のパーティーで、化粧崩れを気にする発言があったことや、マリアンが夏は化粧崩れを気にすると言う事で、出来上がった付与じゃ。


 高級店の一角に売りに出された【化粧崩れしない付与】付のアクセサリーは、入荷と共に全く間に消えたという。

 高めの設定ながら、目ざとい貴族の女性たちはその付与が如何に自分たちにとって必要な付与であるのか分かっているらしく、更に一日ニ十個限定で高級店で売りに出し続けた。


 最初は予約制にしようと思ったのじゃが、それじゃと担当者が泣く羽目になるのでは? という点から「、一日ニ十個で手に入った者たちがつけれえばええ」と言う事に変わった。



「しかし、私のためとは思ってもいませんでしたわ」

「マリアンがヒントをくれたのがデカいかの? 結局はマリアンの為になったのならそれでええ」

「ハヤト様っ」

「熱い抱擁は、柔らかくお願いするぞい?」



 そう言って両手を広げると、マリアンは頬を染めて優しくギュッと抱きしめてくれた。

 嗚呼これじゃ。

 マリアンは惜しみなくワシに愛情を注いでくれる。

 これほど嬉しいものはない。

 包み込む抱擁はたまらなく心を安定させてくれる。

 マリアンにしか出来ぬ、ワシの安定剤とも言えるかもしれんなぁ……。



「ハヤト様は、小さい私の気持ちを汲み取ってくださいますわ……」

「細かい男と嫌がられたかの?」

「いいえ……嬉しいですわ」

「そうか……」

「愛しい人……」



 そう言って初めておでこにキスをしてくれた。

 思わず赤面してしまったが、マリアンの聖母のような顔を見ると……嗚呼――胸が張り裂けそうなほど、ワシもマリアンが……。



「ふふ、6歳なら額と頬へのキスは良いかと思いまして」

「そ、そうじゃな!」

「唇は、ある程度大人になるまで封印でしてよ?」

「分かっておるわい」



 しかし……幸せじゃ。

 マリアンがワシに運んでくる幸せはとても大きい。

 彼女のために、ワシが出来ることを色々してやりたいとさえ思う。

 其の為には、まずは机の上にある報告書の束を片付けんといかんがな。



「さて、仕事に力をいれるかの! この報告書の束を片付けねば」

「前は少なかったんですが、マニキュアの各所からの報告書、及び、【化粧崩れしない付与】の売上の報告書等となっておりますわ」

「嬉しい悲鳴ならええがの」



 椅子腰掛け、マリアンにも椅子に座って貰い報告書を読んでいく。

 エルフ王国と獣人王国からのマニキュアの伸び率は素晴らしく、だいたい国民の殆どがマニキュアを付ける習慣がついたようじゃ。

 しかも、早いところで一週間に一度マニキュアを手入れに来るらしい。

 その為、マニキュアを教えれる者たちが、更に下の者たちにマニキュアを教えている最中らしい。

 そのもの達もまた、後日我が箱庭と契約し、その上でマニキュアを受け取りに来るそうじゃ。

 人数として、獣人王国、エルフ王国合わせて百人……。



「合計百人規模に更に増えるのか」

「そのようですわね」

 


 今いるメンツでもカツカツらしく、百人が追加になばだいぶ楽になるのじゃと書かれてあった。

 確かに十人規模では少なすぎたじゃろうな。

 それでも必死に客をさばいているを見ると、腕が上がったのじゃろう。


 ムギーラ王国からの報告では、更に三十人にマニキュアを教えているらしく、彼女たちもまた、うちと契約を行いマニキュアを受け取りたいとのことじゃった。

 こちらは三十人……。マニキュアのポテンシャルの高さを感じるのう。

 


「まだまだマニキュアは内なる力を、まだまだ秘めておるのかもしれんな」

「売上的には素晴らしいものがございますわ!」



 続いて【化粧崩れしない付与】等の売上について。

 この付与アイテムは金貨15枚と中々の金額で売っているのじゃが、飛ぶように売れて店が開くと同時に消える一品じゃ。

 それを毎日二十セットのみ売っている関係上、金貨の雨が降るとまではいかずとも、それなりの金は入っているようじゃ。

 店我の要望として、せめて一日三十セットから五十セットにして欲しいという要望じゃが、どうしたものか。



「これから夏にかけて、二十セットでは少ないようじゃ」

「それでしたら、これから夏場に限り五十にしても良い気がしますわ」

「そうじゃな。冬場は使わぬじゃろうし」

「いいえ、一年を通して使いますわ」

「そ、そうか」

「秋口になりましたら数を減らせば文句も出ないでしょうから、どうかしら?」

「その辺はマリアンの言うことを聞くとしようかの」



 こうして、夏場までの間は一日五十セット売ることに決定した。

 彫金師達が毎日頑張ってくれておるし、付与はそう難しいものではない。

 それを考えても、十分儲けが出すぎるアイテムでもあった。


 

「さて、庶民用に売り出したハッカ水はどうかの?」

「それですけど、今冒険者を含め……とんでもない売上になってますわ」

「なに?」

「こちらのご報告書を」



 マリアンの差し出した一般市民や冒険者への店からの報告書に目を通すと、確かにとんでもない事になっておった!



「こ、これは!」

「ハッカ水を作っても作っても直ぐに売れて足りないようですわ。一日に納品するニ百本全てが一日で消えていますの」

「それは……予想外じゃったのう……」

「作り方を、レディー・マッスルに売って作ってもらうと言うのもひとつの手ですわ」

「錬金部門があったんじゃったな……しかしそこは高級な錬金術のアイテムを作る場所じゃろう?」

「そうですわね……」

「なら、錬金術見習いしでもええから回してくれかのう」

「それなら、修行と言う形で回せると思いますわ。ある程度スキルが上がるまではハッカ水を作ってもらいましょう。無論外に漏らさぬように魔法契約で結んで」

「そうするかの」



 こうしてマリアンは母、マリリンに相談しに向かったようじゃが、しかしハッカ水がここまで爆発的に売れるとは思わなんだ。

 確かに使えばスーッとするし香りもええんじゃがの。


 その後、マリアンの働きもあり、レディー・マッスルから錬金術見習い達が大勢集まり、魔法契約を行った後、大量のハッカ水作りに励むことになるのじゃが――おかげで個数が安定して供給できるようになり、混乱は静まったようじゃ。

 

 ふむふむ、まだまだワシの予想をはるかに超えるアイテムが、もしや頭には眠っておるかもしれん。


 一度、整理する必要がありそうじゃな……。


 

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