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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: 寿明結未(ことぶき・あゆみ)
第二章 マニキュアや他の商売も軌道に乗るんじゃがの?

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第65話 ワシのオリジナル付与は、ワシにしか使えんでな……

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 「マニキュアが軌道に乗れば、さらにワシの名声も上がる。後は……どう道筋を立てていくかじゃ」

「道筋ですか?」

「この先に進むための一歩。まずは、試してみようかの」



 ナースリスが言うには、リディアは女性用の化粧品にも手を出して販路を広げたと言う。しかし、ワシには女性用の化粧品等わかる筈もない。

 前世の母親は高い化粧品を使っておったが、あの匂いは嫌いじゃ。

 臭くてかなわん。

 その代わり、ワシはアクセサリーで販路を広げていく予定じゃ。


 幸い宝石のなる木もあるし、布地も出せる。

 彫金師もそれなりの数がいるし、何より付与師もいる。

 ならば、随分前に考えた、例の付与を伝えてもええじゃろう。

 貴族相手にならば、かなりの数が売れるじゃろうし、女性冒険者にもそれなりに売れる筈じゃ。


 問題は、ひとつの付与だけでは、物足りんと言うことじゃ。

 画期的な付与ではあるが、それひとつでは物足りん。

 何かもうひとつ、うちならではの強みがあれば――。



「そろそろ夏になりますわね……。ムギーラ王国は気温はそう変わりませんけれど、夏は夏で暑いですわ」

「そうなのか?」

「化粧崩れに、汗との戦いですわね。スッとする物があれば良いんですけれど」

「そうじゃのう……付与魔法でつけれんことはないが、国民全員が……となると難しいのう」

「後は、虫対策ですわね……。私、虫は苦手で」

「ふむ」

「血を吸う虫がいるんですけど、その虫対策になればいいんですが」



 となると――蚊線香か、ハッカ水か。

 どちらも作ろうと思えば作れるアイテムじゃ。

 無論、使い方はしっかりと読んでもらわねば困るが。

 ワシの箱庭には錬金術が五人ほどいる。

 彼らに試しにハッカ水を頼めばよさそうじゃな。


 暫くは付与アクセサリー含め、これ等のアイテムでまずは様子を見るか。

 ハッカ水は売れるかわからんが、所謂、蚊に悩まされているのは間違いないことじゃろう。

 ハッカ水には蚊を寄せ付けなかったり、虫を寄せ付けない効果がある。

 何よりつけた時にスッとするのがええんじゃ。

 

 思いついたら即行動じゃ!

 ワシはハッカ水の作り方を薄い本にしてマリアンに「錬金術師達に作ってもらうように伝えてきてくれ」と頼み、その足で彫金師の下に向かい、ネックレスや指輪、ブローチなど、女性が喜びそうなもので沢山作ってほしいと頼んだ。

 隣りにある付与師のもとに今度は向かうと、アレの付与を頼んだのじゃが――。



「それは、ハヤト様のオリジナル付与になりますね……」

「俺達ではちょっと難しいです」

「む、そうか?」

「ええ、どうすれば化粧崩れしないのか、俺達には検討もつきませんよ」



 付与魔法は想像して作る付与が多い。

 しかし、【化粧崩れしない付与】とは、ワシのオリジナル付与らしく、他の者達にはわからんと言われてしもうた……。

 これは盲点じゃったのう……。

 付与自体は難しいことではない為、ワシがひとりで担っても問題はないが。

 

 

「ああっと、ハヤト様? オリジナル付与魔法でしたら、付与ギルドに行って申請しないと駄目ですよ!」

「申請は必須です!」

「む、そうなのか? 作れたらその時に申請を出しに行こうかの」

「それが宜しいかと」

「【化粧崩れしない付与】なんて、誰も考案してない筈ですから」

「そうか……では急いで作って申請してくるかのう」

「申請だしたら、箱庭の付与師には安く貸出し可能にしてください」

「そしたら私達も付与ギルドに行ってハヤト様の付与魔法を使えるようになりますので」

「付与魔法は基本的に、三ヶ月期間で借りられて、金貨20枚からのレンタルなんです。俺達には出来れば金貨10枚からで……お願いしたいっす」



 どうやら規約があるらしいのう。

 レンタルしたら使えるようになるのか……。それならワシにもまた金貨が舞い込んでくると言うことじゃな!



「分かった! もう少し気持ち安めに出来たらしておくから、数日以内に付与ギルドに行って登録してくるかのう。皆には頑張ってもらうぞ?」

「「「「はい!」」」」



 新しい付与と言うこともあり、付与ギルドで登録を済ませれば、他人でもオリジナルの付与魔法が使える……と言うのは、恐らく魔法契約かなにかがあるんじゃろうな。

 それで沢山の……とは言わんが、付与魔法をレンタルしてもらえれば、最高じゃのう。


 

「まぁ、付与魔法もスキルレベルに応じてしか使えないんですけどね」

「ハヤト様の付与魔法スキルは如何ほどで?」

「ワシか? ワシは10じゃな。カンストしとる」

「「……」」


 

 何か不味いことでもいうたじゃろうか?

 暫くすると、付与師のひとりが、付与についての説明をしてくれた。



「恐らくですが、付与スキル10ないと、ハヤト様の言う付与は行えないかと」

「むむむ」

「私達も頑張ってはいますが、スキルが高いものでも6が精々です」

「むむむ!」

「なので、ハヤト様の言う付与は……ハヤト様しか現在箱庭では使える者がいません」

「そ、そうか」

「爆発的に売れることも考えると、予約制にしたほうがいいでしょうね」

「ああ、ハヤト様がMP枯渇で干からびちまう」

「そんなにか?」

「「「そんなにです」」」



 力いっぱい言われてしまった。

 確かに付与魔法……今回は貴族用と思っておったから、付加価値はつけようとは思っておったが、予約制ならば、なおよしか。



「あいわかった。付与魔法は予約制にして、高く売るとするかのう」

「それが一番かと!」



 その代わり、ハッカ水はどんどん作ってもらって安くだす。

 それくらいはしていいじゃろうからな。

【化粧崩れしない付与】つきのアクセサイリーは高く、ハッカ水は安く。

 こうすることでバランスは取れるじゃろう。


 まずは、マリアン用とマリリン用とで作って、後はボチボチコツコツ進めていくかの。レディー・マッスルに所属する者には気持ちやすくしたい。

 お世話になっておるしな。

 箱庭の面々には、言われれば行おう。

 ただし、ひとり一度だけじゃが。


 そんな事を思いつつ、ワシはひとり彫金を行い、可愛い宝石のついたブローチを作り、マリリンとマリアン用に【化粧崩れしない付与】を行ったのじゃった。

 それらをマリアンとマリリンにプレゼントすると、大層喜ばれた。

 そして以外な人物から、依頼が来たのである。



 それは――マリリン同様ワシを保護してくれた、ミセス・マッチョス……の、夫達からであった。

 ミセス・マッチョス達……結婚しておったのじゃな。

 別の意味で、ワシは驚いたのじゃった。

 

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