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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: うどん五段
第一章 伝説の箱庭師の箱庭を受け継ぐ
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第5話 ワシの守護ナイト、メインクーンのアンジュ爆誕

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 卵が孵ると聞いて、ワシは鞄から卵を取りだし、膝に乗せて生まれてくるワシのペットが何なのかを楽しみに待った。


 出来れば強いペットがいい。

 あのドラゴンの爪すらも通さぬ体に、一筋でも傷を与えられるようなペットが。

 ワシを守ってくれ、産まれてくるペットよ!


 

『ハヤトと心と体がリンクして生まれてくる魂であり、貴方が生前飼いたかった動物かもしれませんよ』

「そうなのか?」

『まぁ、何を望んだのかは何となくわかりますが。狂暴な魔物でない事だけは祈りたいです……』

「か弱いワシを守れるペットならなんでもええ。じゃが、欲を言えば――」


 

 欲を言えば、ワシは生前【メインクーン】という大型の猫が飼いたかった。

 無論、毒親が許す筈もなく、ワシは諦めきっておったが、もし叶うならば――。

 そう思った時、卵が割れて、ふわりとした長毛種の長い尻尾が見えた。

 よもや、もしや!


 バリバリバリ‼


 そう音をたてて卵から孵ったのは――1匹の成人した巨大猫。

 憧れの黒と白の毛並みの美しい【メインクーン】じゃった。


 

「おおおおおおお‼」

「にゃ――ん」

「これは可愛いのう! かわええのう!」

「うにゃーん!」


 

 どうやらワシの行っている言葉が解るようで、頭を摺り寄せて甘えてくる姿がなんとも可愛らしかった。

 ペロペロと顔を舐められると、大きくザラザラとした舌が何とも言えず愛おしく思い、巨大なメインクーンを抱きしめると、「にゃ~ん♡」と声を上げて喜んでおる。



『この子、女の子のメインクーンのようですね』

「女の子か、名前を早速付けてやらねば……。しかしかわええのう……。お主の名はそうじゃな……ワシに幸を運んでくるように【杏】に【寿】でアンジュ。アンジュにしよう」

「にゃあああああん♡」


 

 そう言うとアンジュはワシと一緒に光り、何事かと思ったら――ナースリス曰く、ワシと魂などが融合し、ワシが食べるもので栄養や水を得て餓死する事はなくなったそうじゃ。

 これからは一層、アンジュの為にワシは身体を気をつけねばならんな!


 

「アンジュ~♡」

「にゃぁん♡」

『ふふ、ハヤトさんメロメロですね。でも大きな猫ちゃんですね。ハヤトさんが小さく見えます』

「メインクーンは大型猫なんじゃよ。なんとも、愛らしいじゃろう?」

『そうですね、とても愛らしいです。ちなみに神から与えられた卵を使っているので、一応魔物判定ではあるんですが、見た目がこの猫なら問題無く、ただの猫と思われるでしょう。こんな見た目ですが、ドラゴンくらいなら簡単に倒せますよ』

「おおおおお」

『強さ的に言えば、この異世界ルルティアに生息するフェンリルと同等かと』

「それがイマイチ分からんが、なんとも愛らしい我が家族じゃ。アンジュ、これでワシは寂しくないぞ」


 

 無論、ナースリスが何時もいるので寂しさは感じなかったが、やはり動物とはええものじゃ。

 ワシが向かう場所向かう場所、護衛のようにくっついて歩いてくるアンジュは愛らしいし、ここは猫の首輪を用意したい所じゃ。


 

「ワシの生活基盤を整えるのも大事じゃが、アンジュの生活基盤も整えんとな」

「にゃーん?」

「猫と言えば爪とぎ板に、猫草……鈴のついた首輪かのう」

『アンジュの場合、爪とぎ板は必要ないですね。猫草も必要ありませんよ?』

「むう、そうなのか」

『首輪くらいはあった方が、可愛いかもですね』


 

 だとしたら、可愛らしい首輪を用意しよう。

 黒と白に映える綺麗な赤の首輪がいいじゃろうか?


 

「リボンも捨てがたいのう」

『リボン、いいじゃないですか! 絶対似合いますよ!』

「ぞうじゃな、赤いリボンを巻いてやろう」


 

 ともなれば、質が良くて壊れにくい布で出来た付与魔法着きのリボンがええ。

 付与魔法は1つの素材につき1つまでしか付与できぬから、考えながら作らねばならんな。

 しかし、どんなのがえじゃろうか?

 そう言えば生前ペットの言葉が解る「バウリンガル」なる物があったな。

 それを搭載してみるか? アンジュとも言葉が交わせれば最高じゃからのう。


 

『バウリンガルなんてあちらの世界にはあるんですね』

「眉唾モノじゃがな」

『いえいえ、この世界は異世界。きっと役に立ちますよ』

「ふむ、取り敢えずいい布地で強い布地を探すか」



 そう言うとワシは「裁縫部屋」と書かれた作業小屋に入り、中に入っておる生地をチェックしていく。

 そこに、綺麗な赤の布地を見つけたんじゃ。

 光沢もあり、中々に美しい布地じゃった。


 

「これは……美しいのう」

『これは、この世界の魔蜘蛛からとることの出来る、貴重な糸で作られた布ですね。綺麗なリボンに出来ると思いますよ』

「にゃん♡」

「ふむ、アンジュも気に入ったか? ではこの布地と糸で模様も縫って、付与魔法を2つ、付けようかの。……この世界で言う所の言語理を付与してアンジュにつけさせようかの」


 

 そう言うとワシは裁縫小屋にて布をアンジュ用に貰い、付与魔法をかけていく。  【言語理解】は高等魔物が持っているスキルでもあるらしく、まだ生まればかりのアンジュには備わってはおらんらしい。

 その為、暫くはこのリボンを通してアンジュと会話をする事を楽しむことにしたんじゃ。


 

「よし、出来たぞ。アンジュおいで」

「にゃーん!」


 

 ワシの膝に丸まったアンジュの首に、赤い魔布で出来たリボンを巻いて行き、首が苦しくないように調整しながら背中にリボンが行くように付けると――。


 

「わぁ……この魔糸凄く濃厚な魔力を感じるにゃん♡」

「おおおおお。これがアンジュの声か」

「主、お疲れさまにゃん!」

「かわええのう!」

「主大好きにゃん! アンジュは主を護り通すナイトになって見せるにゃん!」

「ははは! 期待しておるぞ!」


 

 こうして、ワシは言語理解を手に入れたアンジュにチュッチュと鼻先を押し付けられて幸せな時間を過ごし、その間は筋肉の事など忘れる程幸せじゃった。

 それからの日々はと言うと――。


 

『では、次に何を作ります?』

「そうじゃな……。色々【ロストテクノロジー】で作れる物を調べながらといこうかの。異世界テレビにの場所に行ってから考えるか。それに、リディアの店と言うのも一応覗いておきたい。何を売っているのかの基準になるからのう」


 

 果たして異世界にあちらのアイテムがどれだけ普及しているのか。

 それは見極めねばならぬ事じゃろう。

 

 さて、何があるかのう?

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