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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: うどん五段
第二章 マニキュアや他の商売も軌道に乗るんじゃがの?

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第55話 新たなる雇用と、保育園と小学校の開設じゃ

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 まずは、早急に保育園となる箱庭と学校の箱庭をスタートさせるところからじゃ。

 箱庭師二人に連絡を入れ、ワシの箱庭から〝保育園〟〝小学校〟の、ふたつの箱庭と繋いでもらった。

 これにより、仕事に来た調理師たちの子供たちが、保育園や小学校に入れるようにしたのじゃ。


 更に、保育士と教員も雇うことは出来た。

 明日、軽い入学式は行うが、簡略化されたもので終わらせる予定じゃ。

 直ぐに仕事に入って欲しいらのう。


 次に、丼物の土地は購入し、この一ヶ月で店構えも作ってもらった。

 全て、木材などは箱庭産で賄ったので、そう工事費の値段は高くない。

 丼物チェーン店も考えたが、まずは一箇所で丼物専用の店をオープンさせる。

 マリリンの店では、一般客は入れないからじゃ。

 

 早くて旨い。


 それなら一般客からも指示は得られるのではないじゃろうか?

 と言うのがワシの狙いじゃ。

 貴族相手の店は一店舗で今は十分。

 おいおい増やそうと思えば増やせるが、今は取り敢えず冒険者と一般市民を得たい。

 その為の調理エリアは更に増設した。


 その調理師エリアでは、今後店を開こうと思っている〝魚屋〟の為のエリアと、甘味としてチョコレートを題材にした〝甘味エリア〟を用意。

 チョコレートは上手く作れればロストテクノロジーで作り出した箱に入れてもらい、時間の止まるアイテムボックスにしまっていく感じじゃな。

 魚に関しても同じじゃ。

 刺し身等、そうそう食べられる食材ではない為、マリリンの経営する酒場でまずは提供してみることにしている。

 無論、焼き魚や煮魚もじゃ。


 試しに食べる毒見役は、箱庭にいる皆にもして貰う。

 海鮮丼等作れた日には、おいおい丼物やでも出していきたいところじゃ。

 

 このムギーラ王国は、内陸にあるため、新鮮な魚と言うのを食べたことがない。

 ゆえに、新たな挑戦と言えるじゃろう。

 それに、冒険者とは新しい食べ物には目がないんじゃ。

 必ずどのような結果になるにせよ、あらゆる結果は得られるじゃろうからな。


 その為に、魚屋エリアの調理師達は、酒場や丼物屋に派遣するつもりじゃ。

 是非、腕を磨いて行ってもらいたい。



「と、大筋はこんな所かのう」

「今後の予定は把握いたしましたわ。それから、〝マニキュア店〟に関する情報ですわ。店は大盛況なんですけれど、絵師言うべきか技師と言うべきか、そちら足りていない状態ですの。絵師を更に増やす方向で現在動いておりますわ」

「それは助かるのう。マリアンの手腕には驚かされるわい」

「お褒めに預かり光栄ですわ! ムギーラ王国でも絵師はかなり多いんですの。絵で食べていけない者たちは、こぞって求人に募集しているところらしいですわ」

「なるほど、ならオネェ軍団に【マニキュア講座の講師】をして貰うことで、こちらはスピード感を出すかのう」

「マリーエリーリリーさん達ですわね。既に伝えてありますわ」

「流石じゃ」



 痒いところに手が届く。

 それをやって見せるマリリンの手腕は、毎度驚かされるばかりじゃ。

 


「後は一週間経ったことじゃし、エルフ王国と獣人王国からも〝マニキュア〟を取得する為に人が送られてくるはずじゃ」

「「あのー」」

「ん?」

「私達、ハヤト様に保護されてますけど……」

「伯父様や」

「叔父様に見つかったらどうなるんでしょうか……」

「「出来れば帰りたくないのですが……」」

「ミアとテトは今や私の手足のような存在……帰らなくていいですわ」



 そうマリアンが優しく伝えると、二人はホッと安堵した表情を浮かべた。

 今更王国に帰ったところで、つらい現実が待っておるのじゃろうな。

 


「ワシもマリアンと同じ意見じゃ。二人がいてくれるからこそ、マリアンがスムーズに動けることはとても多いじゃろう。何か言われたら、ワシが保護したと言うわい」

「「ありがとうございます‼」」



 実際に言われてきたら、ワシがかばう予定にはしておるが。

 流石に教えてもらう身でありながら横暴な真似はすまい。

 もし、そのようなことをすれば、王達に対して〝マニキュアの話は無かったことに〟とすればよいだけじゃろう。

 そもそも、こちらに来るための宝石も、ふたつしか用意しておらん。

 何度も来られては、煩いからのう。



「恐らく、もう暫くしたらエルフと獣人の国から人は来るじゃろう。その際、ミアとテトには案内役をお願いしたい。何故ここにいるのかと聞かれたら、ワシに保護されて今はマリアンの右腕として働いていると言えば良い」

「「かしこまりました」」

「獣人やエルフの事は詳しいものにお願いするつもりじゃったしな。もとより、本国に戻りたいなら止めはせんとは思っておったが」

「とんでもありません!」

「箱庭での生活が性に合ってるんです! 今更本国になんて戻りたくないです!」

「ははは! そうかそうか!」

「それに、マリアン様の仕事量凄いんですよ⁉」

「私達なくしては無理です!」

「う、うむ」



 こうして、最後はあまりの気迫に頷くしか出来なかったが、マリアンはクスクスと笑い「そういうことですから、お二人のことは心配ありませんわ」と笑顔で言ってくれた。

 これにはホッと一安心じゃ。

 しかし、確かにマリアンの仕事量は凄まじい。

 ミアとテトが居てくれて良かったと思う量じゃ。

 

 ワシはワシでアイテム製作に忙しいが、それ以外の事をマリアンが引き受けてくれているからこそ、スムーズに動くところはかなり多かったのじゃ。


「ワシはマリアンなくしては生きていけんのう」

「ふふふ、それは身に余る光栄ですわ!」



 ――こうして翌日、子を持つ〝調理師〟達が集まり、保育園と小学校の入学式が軽く行われた。

 箱庭での仕事が終われば、子を迎えに行くスタイルでやっていくことになっておるし、問題はない。

 小学校で勉強を教えると言う、あまりにも高待遇で、親たちは終始恐縮しっぱなしじゃったが――。



「教育は誰もが自由に受けられるべきじゃとワシは考える。ゆえに、ワシの箱庭に務める者たちの子供たちには、本人の頑張り次第では勉学もスムーズに覚えるじゃろう」



 そう笑顔で伝え、子供たちもまた、またとないチャンスに頑張るのであった――。


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