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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: うどん五段
第一章 伝説の箱庭師の箱庭を受け継ぐ
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第47話 米をゲットして氷をゲット! 最後は亜熱帯じゃな……?

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 マリリンに頼んでおった「米だけの庭を持つ男」二名から、まずは面接が始まった。

 米なんぞ誰も欲しがらないと思っていたのじゃろう。

 ワシが笑顔で「箱庭の中を見せてもらえるかのう?」と聞くと、困惑気味ではあったが、米がたわわに実った田んぼを見せてもらえたのじゃ。



「米を売りに出そうと頑張ったこともあるんですが……調理法も分からず、結局仕事は破産しました」

「俺もだな。俺の米もこんな感じだ」

「ふむ。米は収穫したらどの程度でまた収穫できる?」

「そんなの、収穫したら即生えてきて二時間後にはこの有り様ですわ」

「誰がこんな米を、」

「実に欲しい!」



 言葉を遮るようにワシは叫んだ。

 これだけの米が大量に収穫できると言うことは、白米食べ放題な上に、牛丼屋が出来るではないか⁉

 カレーライスを出す店というのもいけるのう!

 定食屋も行けるはずじゃ!

 ああ……となると、やはり調理師はすぐにでも集めなくてはならんな!

 まずは米を只管集めてもらうことにはなりそうじゃが、米を収穫したらまずは箱庭で皆に食べてもらおう!

 脱穀機に精米機……色々必要になってくるな!

 これはワシも頑張らねば!



「収穫はどうして収穫しておるのじゃ?」

「え? あ、えっと。普通に『収穫しろ』って念じたら……出来るよなぁ?」

「ええ、出来ますね。無駄……と思われる部分はなくなって、実? っていうんですか? それだけが用意すれば袋に入ります」

「ほうほうほう! それは、もみ殻がついてない白米でできるんじゃろうか?」

「もみ殻……?」

「白米?」

「うむ、ならこのアイテムボックスを持って念じてみてもらえぬか?」

「「え⁉」」

「ものは試しじゃ。出来たら収穫した分は支払おう」



 そうワシが言うと二人は念じて収穫すると、草原のように広い田んぼからシュン……と稲が消え、すっとワシにアイテムボックスを手渡してきた。

 中を見てみると――見事な白米が‼



「おおおおお! これじゃ! これこそが求めていたものじゃ!」

「良かったですね! ハヤト様!」

「えっと……こんな豚や牛の飯になりそうなものが……いいんですか?」

「豚や牛に食わせるなんぞもったいない! この米の旨い食い方を教えてやろう! ふたりとも採用じゃ! 箱庭にて雇うことにする!」



 そう言えば米の二人は表情を明るくして「ありがとうございます!」と頭をさげた。

 そうじゃよな……。米なんぞこの世界の人間は食ったことがない代物じゃろう。

 あったとしても、文献によれば、リディアがいた頃に食べることが出来たと書いてあった。

 それを再度ワシが作るんじゃ。

 再度――旨い食べ物屋を!


 そうなると店を作らねばならんな。

 買うことにしてもええが、店がないと始まらん。

 やはり大量に調理師を雇う必要があるのう。



「マリアン、調理師は五十人程度集めてくれると助かる」

「それは最低でしょうか?」

「そうじゃな、最低じゃな」

「わかりました。手配しておきます」

「後は広い店がほしい。中規模でもええが」

「母に相談して参ります」

「すまんな」

「なんでしたら、酒場と提携する……というやり方もありますよ」

「酒場か……それもええな」



 そう会話しつつ、米二人をゲットし、もう一人の米も箱庭に入り、同じようにアイテムボックスに入れてもらったら購入してお金を払った。

 今後、定期的に収穫してもらう為、箱庭での生活を頼むと「住む場所がなかったので助かる」と言われてその日に箱庭に入ることが決まった。

 


 

 続けて氷だけの箱庭じゃが、中はあまりにも寒かった。

 冷凍庫の中のようじゃ。

 本人も中にはいるときは防寒着を着なくては入れないそうで、ワシがあらかじめ用意しておいた容器に氷を入れられるかと聞くと、それはすんなり可能じゃった。

 かき氷を作るための容器じゃったが、これは即採用となり大変驚かれた。



「そう驚くこともあるまい。これは商売になるぞ!」

「この氷が?」

「うむ、新たなる甘味の誕生じゃ!」



 リディアの時ですら「かき氷」は無かった。

 これはワシの見つけた、この異世界ではオリジナルと言って過言ではない。

 売れる、売れないはやってみないとわからないが、コーヒーフローズンなんかは絶対に売れるじゃろう。



「うむ……うむ! 夢が広がるのう!」

「この氷に価値が……? 信じられません」

「なに、否応にもその価値を分からせて見せる。この世界にはない食べ物じゃからな」

「この世界にはない食べ物……?」

「ふふふ、驚くとええ。色々終わってからになるが、ちゃんと食べさせてやるわい」



 そういたずらっ子のように口にすると、氷だけの箱庭の女性はキョトンとした後、クスリと笑って「期待しておきます」と口にした。

 きっと〝かき氷〟や〝フローズン〟を食べたら、目を見開いて驚くじゃろう。

 是非最初に食べてほしいものじゃな!

 

 こうして三人の起用が決まったわけじゃが、最後の一人……さてさて?



「俺の箱庭はちっと暑いぜ?」

「うむ、亜熱帯じゃったな」

「ああ、亜熱帯地方は人もそう住んでいない地域だって聞いている。それこそ、領地でもらおうものならハズレだともな。そんな亜熱帯の箱庭だ。アンタのお眼鏡に叶うとは思わねぇけどな」

「まぁええから見せてみてくれ。決めるのはそれからじゃ」



 こうして亜熱帯の箱庭の中に入ると、そこはまさに楽園。

 ワシは感嘆の声を零した――。

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