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老成転生~少年ボディで箱庭スローライフ~  作者: うどん五段
第一章 伝説の箱庭師の箱庭を受け継ぐ

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第12話 初めての納品と、温泉に食らいつく筋肉たち

ブックマーク、評価、感想、誤字脱字報告ありがとうございます。

 あれから数日かけて、ワシはS、M、Lサイズに、その上のサイズを2種類と、子供用サイズ肌着も半袖用とタンクトップ用で100着ずつ作った。

 その頃にはMPもかなりの大幅アップを果たしていたようで、温泉に入る頻度は少しだけ減ったが、それでもまだまだ目標とするリディアに比べると、とても遠い。


 

「取り敢えず自分の中では、無茶をしない程度に作ったが、どうじゃろうか?」

「これだけの量を5日で作るのは丁度いいと思いますにゃーん♡」

『無茶をしないというのが大前提で見張らせて貰いましたからね。当然です』

「皆は過保護すぎると思うぞい?」

『ハヤトはまだ体が出来上がってないんです! 無茶をさせられませんよ!』

「そうですよハヤト様。はい、御休憩のお茶です」

「うむ、悪いのうマリアン」

「い、いえ、この程度しかお手伝い出来ず……恐縮です」


 

 控えめなマリアンは、ワシの欲しいと思うタイミングでお茶や甘いものを持ってきてくれる完璧さがあった。

 なんとも嫁を貰ったかのように感じたが、ただの気の所為じゃな。

 

 そして、マリアンもまた【小説家】として活動しておるらしく、ワシの世話をした後は食事処で小説を書いておった。

 なんでも、色々な事が閃いて大変だったと笑顔で答えておったので、良い事じゃと微笑んでおいた。


 

「後はこれをマリリンとカズマ達に手渡すだけじゃが、どうしたらええのかのう?」

「アイテムボックスに入れて持って行けばいいと思いますにゃん♡」

「それもそうじゃな。マリアンと一緒に行けば問題はないか」

「はい、私と一緒に行きましょう」


 

 こうしてマリアンと一緒に箱庭を出て、一応ワシの部屋として借りている一室に出ると、マリアンと一緒にマリリンの部屋へと向かう。

 ノックをするとカズマの声が聞こえた為、夫婦でおるのじゃろうと中に入ると、更なるマッチョがおった。

 この部屋、筋肉率高くないか?


 

「おお、この前の子供か! 息災で何よりだ!」

「ジャックとマリリンが保護をしたと言う少年だな。初めまして、俺はマイケル。このレディー・マッスルのある意味総括をさせて貰っている」

「初めましてですじゃ。ワシはハヤトですじゃ」

「ふむ、異世界転生と言う事が稀にあると聞いたことはあったが、実際に目にすると不思議な気分だな」

「ははは、そうそうあってたまるか案件じゃわい。ところで、肌着を持ってきたのじゃがどうしたらいいじゃろうか?」

「お、肌着を持ってきてくれたのか! 是非受け取ろう!」


 

 こうしてマリリンの執務室にあるもう1つの大きな机の上に、各種100枚ずつアイテムボックスから出して置くと、カズマが1つを手に取ってチェックしておる。


 

「凄いな……これが【ロストテクノロジー】の力か……。マリリン、僕のいた世界と遜色一切ないよ。完璧だ」

「凄いじゃないかハヤト!」

「特に凄いのはこのタンクトップタイプだな。俺達のような美しい筋肉を誇る者達にとっては、腕があると窮屈でな」

「言えている。肌着はタンクトップに限る」

「ふむ、この一番大きなイサイズなら私達の身体にもフィットしそうだな! 是非とも言い値で買おう!」

「いやいや、こちらの値段設定は分かりませんからの。カズマにお任せしますじゃ」

「そうかい? ならこちらの相場にプラスしてになるけど――」


 

 こうして肌着の値段をつけて貰い、初めての金貨を貰う事が出来た。

 こちらの世界では、銅貨、銀貨、金貨とあるらしく、その上はないらしい。

 ――この異世界に来て初めて得たお金。

 多めにお買い上げ頂いたので金貨1も貰ってしまったが、皆嬉しそうにしておった。


 あちらの世界に居る時1万円を持つのも苦労したというのに……。

 この異世界では自分の力で金にする事が出来る。

 何に使うとかは特に考えておらんが……確かに商売を考えるには十分過ぎる金の威力はあったのじゃ。


 

「これからは肌着難民にならずに済む……」

「そうだねマリリン。君の柔肌はちゃんと包んで守らないと」

「カズマったら♡」

「ふふ」

「ふふ、お父様もお母様も仲良しさんですわね」

「マリアンはハヤトの世話をしているんだったな。楽しいか?」

「はい! とても遣り甲斐が御座いますわ!」

「それは良かった」

「それに、ハヤト様がパンイチになる姿は……ジュル……眼福ですの~~‼」


 

 今、涎の音が聞こえたが⁉

 そう思った途端、男性陣の血走った目がワシに向いてドキリと心臓が跳ねる!


 

「パンイチ? パンイチだって?」

「ハヤト、どういう事かな?」

「まさか、マリアンを見て興奮等」

「違いますにゃーん♡ 疲労回復の温泉に入ってMPを回復するのに、面倒になってパンイチですにゃん♡」

「「「疲労回復の温泉」」」

「素晴らしいあらゆる効能のある温泉ですにゃん♡」


 

 そうアンジュが口にしたその時だった!


 

「つまり、子宝の湯はあるのだろうか‼」

「子宝の湯はまだないですにゃん♡ マリリンさん食いつきがすごいですにゃん♡ ビビりましたにゃん♡」

「実は私は過去日本に赴き、子宝の湯を飲んでから子供がポポポポーンッと出来たものでね!」

「マリリンとの間にまだ子供は欲しいけど、そろそろ体を労わって欲しいよ?」


 

 カズマに身を案じられて頬を染めるマリリン……この夫婦愛を見ておると、我が家の元父親と母親は爪の垢を煎じて飲ませたら随分違ったんじゃろうか……と思ってしまう。


 

「しかし、温泉があると聞いて黙ってはいられん! 私も入りに行くぞ!」

「そうだね、温泉には入りたいね。男女で別々なのかな?」

「仕切りもあるし、小屋も別々であるのは確かじゃな。中の掃除は、」

「しておきましたわ」

「流石マリアンじゃのう」

「ふふ、私もコッソリ入ってますのよ」

「そうじゃったのか」

「美肌効果もあるんですって」

「うおおおおおおお‼ マリアン! 母も入るぞおおおおお‼」

「ええ! お母様も是非!」


 

 こうして納品したその日の夜、ワシの箱庭には追加でジャックさんとマイケルさんが入れるようになり、温泉を楽しむ事になるのじゃが……。

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