↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地位を奪われた元ダンジョンマスター、7歳のギルド受付嬢に転生して冒険者を作成し、自分の作ったダンジョンを攻略します  作者: 夕綺柳
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/97

第六十八話 新商品

久し振りになりましたが、つづきを投稿します。


14話なので短いです。


それでは、お楽しみください。


 天上の歌がアンデマンドの街から去って、半月が経った。


 冒険者達は順調にお金を稼いで強くなり、冒険者志願の若者も増えている。


 わたしの仕事も増えたけれど、嬉しい悲鳴だ。


 現ダンジョンマスターを倒すための仲間を育てなくてはならない。


 7年前、わたしがダンジョンマスターだったときに腹心だった、サーリャとトレイシーも集まってくれた。


 これからもっと頑張らなくちゃいけない。


 でも、変わったことと言えば……。


「しかし、このニューエールってやつは本当にウマいな」


「酒も入ってないのに酔えるってのがいいじゃねえか」


 見た目エールの飲み物を、冒険者たちが飲んでいる。


 そう、今、アンデマンドの街で流行っているのが、ニューエールという飲み物だった。


 飲み口が軽く、しっかりと酔えて、しかも安い。


 味も美味しいらしいけど、とにかく安いので、街の人にも大人気だった。


 アンデマンドは周りに比べると景気が良いので、商人の流入も多く、こういう新商品的なものは割と多い。


 女性の間で流行っているのは触り心地の良いモンスターのぬいぐるみで、ちちゃぐるみという名前だ。


 その匂いと独特の肌触りがストレス発散になると大人気だった。


 種類もたくさんあって、お気に入りのものを探すというのも、人気の要素になっている。


「チーズプリンのお店が出来たんだって! 行ってみようよ!」


「なんだ? チーズプリンって」


 ルルーナとエレンが話している。


 食いしん坊のルルーナが、どこからかデザートの情報を嗅ぎつけてきたんだろう。


 エレンは、精神年齢が高めだから、ルルーナと年格好は似てても趣味が違う。


 プリンには、あまり惹かれていないようだった。


「しょ、しょっぱくて、甘いプリン……おいしそう」


 エリシャは行く気満々だ。


 錬金術士だから、好奇心は旺盛なんだろう。


 コミュ障だったエリシャも、ギルドの人には打ち解け始めている。


 友達は欲しいみたいだったから、年齢の近いルルーナやエレンは丁度良かっただろう。


「コットンも行こう!」


「わたしはお仕事中です」


「えー」


 誘ってくれるのはありがたいけど、お仕事中なので仕方が無い。


 ギルドの受付嬢って、基本的に定休日がないから大変だよね。


「いいよ、行っておいで、ちょっと早い昼休憩だ」


「おばあちゃん」


 受付の奥からおばあちゃんが出て来た。


 このギルドのギルドマスターで、百戦錬磨のやり手だ。


「行ってきてください、コットンさん」


 最近、仕事に慣れてきたモルソー君もそう言う。


 冒険者の訓練を受けに来たんだけど、脱落してしまった子だ。


 元凄腕の教官ネジルさんに、冒険者の適正無しとされて、ギルドで商人の経験を積んでいる。


 もうひとり、ハダン君がいるんだけど、ふたりの棲み分けがされてきていて、モルソー君が受け付け、ハダン君が解体という具合になっていた。


 パパの商人実習には2人とも行くけど、商人になるには、まだまだ経験が足りないだろう。


「じゃあ、行ってきます」


「よし、しゅっぱーつ!」


 4人で街中を歩いていると、街に活気が戻っているのがわかる。


 7年前に比べれば全然なんだろうけれど、それでも、街の人の顔に笑顔が戻りつつあるようだった。


「あそこ、チーズプリン屋さん!」


 大通りの道を、一本横に逸れたところにお店はあった。


 平日の午前中なのに、外待ちのお客さんが3人もいる。


 生活に必要な物じゃない、言わば贅沢品にお金を掛ける余裕が出来てきたんだ。


 わたしは、ちょっと嬉しい。


「め、メニュー出てます」


 お店の外に看板が出ていて、そこにはチーズプリンの他に卵プリンとミルクプリン、フルーツプリンと書いてあった。


 お値段は全部一緒で、そんなに高くない……気がする。


 ママの手作りプリンの他に、あんまり食べたことがないから、値段の相場観がわからなくなっていた。


 でも、こういう相場のわからない商品を売るのが、商人としてはいいらしい。


 良く知ってる商品だと、コレはちょっと高いなってなるところを、少し高く売ってもお客さんは買ってくれるそうだ。


「卵かなー、卵が一番美味しそう」


 食いしん坊のルルーナは、お腹に溜まりそうな卵に惹かれているようだ。


「ミルクだな、新鮮なミルクのプリン、考えただけで舌がとろけるぜ」


 エレンは、採取で取れないミルクに惹かれているようだ。


「ち、チーズ、絶対にチーズ」


 エリシャは初志貫徹、チーズみたいだ。


「わたしはどうしようかなぁ」


「オススメはやっぱりチーズよ、お店の名前だしね」


 前に並んでいた、三十歳くらいのマダムがそう言う。


 ふくよかで、栄養状態の良さそうな人だ。


 こんな小さな発見でも、街が豊かになってきている実感がわいて嬉しくなる。


「よく通っているんですか?」


「毎日通ってるわよぉ」


 毎日か、結構余裕があるんだな。


 だからふくよかになってるのかな?


「やぁ、銀の月のみなさん」


 男の子の声に振り向くと、そこには、ルルーナのことが好きな赤い風の若い冒険者がいた。


 パーティーではなく、2人で歩いているから休日かな?


「うげ」


 ルルーナの顔がわかりやすく曇る。


 色気よりも食い気を地で行くルルーナには、全く興味がない人達だった。


「何を食べるのか悩んでいるなら俺が奢るぜ、全種類食べればいい」


「いらない」


「いらねえな」


「わ、私も遠慮します……」


「そ、そんな……」


 露骨に嫌がられて、男の子は怯んでいる。


 女性が苦手にならなければいいけど……。


「お、お前はどうだ? ギルドの受付嬢なんて給料良くないだろ?」


 みんなに断られて、わたしに穂先が向く。


「太るからやめておきます」


「太ってない、太ってないだろ?」


 待っているお客さんにギロッと睨まれる。


 年齢に次ぐくらいに、体重の話題も女性には御法度だった。


「そんな子供が太るとか気にしなくても良いだろ!」


「おい、行こうぜ、お前も懲りないよな」


 友達は冷静なようで、男の子を連れて行ってしまった。


 なんとなく圧を感じたのか、男の子はこちらをチラッと見るけど、残念そうに肩を落として歩いて行く。


「ルルーナ、モテるじゃん」


「お、男の子、怖くないですか?」


「モテ無いし、男の子なんて怖くないよ」


 恋バナになるのかなと思ったけど、あまり発展しなかった。


 まだ色気付くには早いのかな?


 そんなことないよね?


 お店の中に入ると、そこは女子を意識したかわいい店内だった。


 どのみち、男の子は入りにくかったと思う。


 それぞれプリンを注文すると、ちょっと待つ。


「さっきの男、ルルーナが好きなんだろーなー」


 エレンがからかっている。


「僕は好きじゃないモン」


「あれ……?」


 エリシャが何かを気にしている。


 店内の匂いを嗅いでいるみたいだ。


「どうしたんですか?」


「これ……ハチメイの香り」


「ハチメイ!?」


 わたしは、ちょっと驚いた。


「ハチメイってなんだっけ?」


 ルルーナは知らないみたいだけど……。


「おいおい、ハチメイって言えば……」


「は、ハチメイは、湿地に群生している花なんですけど……麻薬です」


「麻薬!?」


 わたしたちは、話を続けていった。


本日は、三話投稿します。


その後は、一日一話ずつ投稿しますので、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。