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第三十三話 生体機械


 真祖が帰った翌日の朝、ガブリーのパーティーが出かけずに、三人で話し合いをしていた。


 冒険者は、毎日は働かない。


 命がけの仕事だから、しっかり休むし準備のために時間を取ることもある。


 でも、ガブリーのパーティーは機械兵がふたりだから、休みが極端に少なかった。


 フランセスは良くついて行っていると思う。


「何を話しているの?」


 朝の忙しい時間が終わると、わたしは話に混ざっていった。


「マスター、新しいダンジョンのことなのデスが、50レベルのダンジョンを3人では厳しくなっテきました」


「不甲斐ないことですが……」


「しょうがないじゃん、みんな頑張ってるでしょ?」


 割とフランセスは余裕だ。


 何も考えてない可能性もあるけど……賢者でしょ、君。


「ワイバーンがいるくらいだからね、さすがに厳しいか」


「いえ、モンスターはまだなんとかなるのですが……」


「罠や仕掛けに苦戦シテいます」


「そういう方向か……」


 高レベルのダンジョンともなれば、罠や仕掛けがいっぱいだろう。


 下手なモンスターよりも苦戦するはずだ。


「現在は、更に下層まで下りていて、おおよそ60レベルくらいの難易度になっています」


「それだと、並の冒険者じゃ足手まといになっちゃうね」


「難しいところです」


 それでも、スカウトやレンジャーが欲しいのだろう。


 さすがは、今のダンジョンマスターが作ったダンジョンなだけはある。


 ガブリーが苦戦するくらい、意地の悪い仕掛けがあるんだろう。


「ちょっと考えておくから、今日のところは休憩にしたら?」


「おおっ、ありがとうゴザイます、マスター」


「わーい、お休みだー」


「では、私は装備の手入れをしましょう」


 さて、もちろんだけど、そんな高レベルのスカウトにあてはない。


 そうなれば、わたしとしては作るしかなかった。


 じゃあ、久し振りにやりますか。


 職業はスカウトで、種族は機械兵がいいかな。


 性別は……まあ、どっちでもいいか。


 機械兵だしね。


「それじゃあ……<魔物作成>」


「むうっ」


「はっ」


「ていっ!」


 よしよし。


 五回目で、かなりいい感じの冒険者が作れた。




【名 前】 アイヴォリー

【年 齢】 17

【職 業】 探検家(B)

【レベル】 70

【体 力】 AA/S

【魔 力】 C/C

【信仰心】 C/C

【筋 力】 AA/S

【生命力】 AAA/SS

【素早さ】 S/SS

【知 恵】 AA/S

【幸 運】 B/AAA

【成長率】 A/S

【スキル】 危険感知〈A〉、罠解除<A>、機械技師<A>

【因 果】 忠義

【装備品】 信義のナイフ(A)、工具セット(C)

【気持ち】 主様の命令をこなしたい




「種族が、機械/人間になってる」


 半分機械で、半分人間なんだろうか?


 どうしたらこんなことになるのかわからないけど、ちゃんと成立してる。


 腕とかを機械で強化してるとか?


 それに、魔力や信仰心もあるみたいだ。


 もっと突き詰めれば、人間よりもずっと強くなる予感がする。


 こんなのわたしは作った記憶がないんだけど、今のダンジョンマスターが作っているんだろうか?


 まぁ、いいか。


 探検家という職業も気になるけど、ガブリーの求める冒険者で間違いは無いだろう。


 最後に、銀の月冒険者ギルドで活躍すると付け加えておく。


「作成っと」


 がくっと、ポイントが減った。


 またちょっと無茶な作成だったのかも知れない。


 今のポイントが12875だから、作成に3000ポイントくらい持って行かれた。


 ちょっと、ポイントが減ってきたかな?


 あまり乱造は出来ない。


「仲間が呼んでいまス」


 ガブリーが立ち上がる。


「え? 仲間? どうしたのガブリー?」


 フランセスが驚いている。


 でも、機械兵同士でなにか繋がっているらしい。


「ちょっと出て来ます」


「私も行くー」


 ふたりはギルドを出て行った。


 今頃、街のどこかに現れていると思うので、連れてきてくれるとありがたい。


 そしてお昼頃、ガブリーとフランセス、それに知らない人間の女性がやってきた。


「マスター、彼女を連れてきました、新しい冒険者デス」


「どうもッス、アイヴォリーッス、こっちのマスターもよろしくッスね」


 なんか軽い感じの人だ。


 機械兵なの? 本当に?


「こっちのマスター?」


「そうなのデス、フランセスのことも、マスターと呼ぶのデス……」


「でも、人間だからなー、呼ばれてもなー」


「あっしは半機械、半人間の生体機械ッスよー」


「そういうんだけどさー」


 なんとなく、フランセスに似ている気がする。


 マスターと呼ぶのは、似ているから?


「とにかく、彼女はこちらが求めていた戦力になりそうです、ありがとうございまシタ」


「良かった、じゃあ、冒険者登録しようか」


 アイヴォリーを加えて、ガブリーのパーティーが強化された。


 エリシャは、ママのパーティーに入ったから、バランス的に丁度いいだろう。


 なんか、謎のある冒険者だけど、まぁ、いいか。


 食べ物とかはどうするのか気になりながらも、この場はよしとした。


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