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第二十二話 錬金術師作成


「ひっひっひ、儲けが戻ってきたねぇ」


 わたしが朝の支度をしていると、おばあちゃんがやって来た。


 クエストのゼンネル兄ちゃんは、まだ来ていない時間だ。


「でも、昔はもっと儲けが多かったんでしょ?」


「そりゃそうさね、でも、ま、今とは時代が違うのさ」


 わたしもその頃が懐かしい。


 前世の話だけど。


「それにしても、腕利きが赤い風に留まっているのが気になるねぇ」


 レベルの高い人達は、移籍してきていない。


 赤い風が、なんだかんだと余裕なのはそのせいだ。


「どうしたらいいと思う?」


「腕利きが欲しいのは、質の良いマジックアイテムさね」


 なるほど。


 料理の美味しさじゃ釣られてくれないのか。


「シルクが拾ってきたのを、気長に並べるしかないだろうかねぇ」


 いい物は、売らないで並べる。


 目先の利益よりも、欲しいのは腕利きだ。


 ママのパーティーとガブリーのパーティーは、明らかに赤い風のベテランよりも上だろう。


 その人達が取ってこられないようなマジックアイテムが、店に並んでいたら目移りするということか。


「後はなにかないかな?」


「腕利きは大抵ベテランさね、所属しているギルドに愛着もあるんだろうさ」


 それだと、引き抜くのは難しいか?


「でも、そうだねぇ、フラニールのパーティーは、リーダーが赤い風を嫌っているはずさね」


 フラニールさん、覚えた。


「赤い風を嫌っているの? どうして?」


「フラニールも、違う冒険者ギルドの跡取りだったんだよ、でも、潰れてしまってね、赤い風に冒険者を相当引き抜かれたからね」


「それなのに、赤い風に所属してるんだ」


「昔なじみ達が赤い風にいるからだろうさ」


 引き抜かれた人たちか。


「その人達の面倒を見る意味もあったってことだよね?」


「どうせ冒険者をやるなら、知った顔とやりたいと思ったのか、それはわからないけどねぇ」


 フラニールという人のパーティーはわけありと。


 話の流れからして腕利きっぽいし。


「ちょっと調べてみるよ」


「ま、腕利きは色々と移籍しづらいだろうさ、それよりは新しく冒険者になる若者をガッチリ引き込んだほうがいいかもねぇ」


 それも必要だ。


 同時進行かな。


 赤い風に100人くらいの冒険者がいたんだけど、そのうち、27人が移籍してきている。


 増えていなければ、赤い風には70人くらいの冒険者がいるはずだ。


 そして、うちには孤児院の子を除いて、35人在籍している。


 まだまだ差があるなぁ。


 せめて同じくらいにはしたい。


 前は、神官の人達を引き抜けたことで、上手くいったけど、今度は魔法使いでやってみようか。


 神官の次に人が少ないのは魔法使いだ。


 専門の勉強をしなくちゃいけないから、どうしても少ない。


「ありがとう、おばあちゃん!」


 朝ご飯が終わって、みんな出発の時間になる。


 マジックバックを貸したり、小物を売ったり割と忙しい時間だ。


 でも、わたしは仕事をしながら考え事をしていた。


「魔法使いの人を引き抜くにはどうすればいいだろう?」


 サーリャに聞いてみる。


 フランセスに聞いても、多分しょうもない。


「腕の良い錬金術士がいればアピールになるかも知れません」


「そうなの?」


「魔法使い、この場合は真名魔法ですね、人間が真名魔法を使うには触媒が必要になります」


「なるほど、わかった」


 モンスターは、触媒が身体の一部になっていたり、特殊なアイテムを持っていたりして真名魔法を使う。


 でも、人間にそんなものは無いので、触媒を持ち歩いて魔法を使うわけだ。


 そして、その触媒にも質があるわけで……。


「良い触媒を手に入れやすくなるから、錬金術士が良いと」


「そうですね」


 これは、やるしかないか、冒険者作成を。


 朝のごちゃごちゃが終わって、みんなが出かけると忙しくはなくなる。


 依頼の受け付けとか、昼から出かける人とかもいるけれども、基本暇だ。


 また忙しくなる夕方までにやろう。


「さて……<魔物作成>」


 やっぱり、女性だよね。


 人間の女性、16歳くらいかな。


 最低目標は錬金術SS!


 能力上限じゃなくて、現在値が高い人を若く作るのは難しいけど、やってみよう。


「ていっ!」


「うむっ!」


「はっ!」


 できた……。




【名 前】 エリシャ

【年 齢】 16

【職 業】 魔法使い(A)

【レベル】 62

【体 力】 C/B

【魔 力】 SS/SSS+

【信仰心】 D/A

【筋 力】 D/C

【生命力】 C/C

【素早さ】 E/C

【知 恵】 C/B

【幸 運】 AA/S

【成長率】 SSS+/SSS+

【スキル】 錬金術〈SSS〉、真名魔法(S)

【因 果】 田舎者

【装備品】 500年物の錬金釜(SSS)

【気持ち】 友達をいっぱい作りたい




 能力は、多分これで良い。


 魔力以外が低い気もするけど、贅沢は敵だ。


 でも、因果が田舎者か……どういうことなんだろう?


 来歴だと、秘境の奥で育った、500年前の技術を継ぐ最後の錬金術師ってなってるけど……。


 なんか、ちょっとすごい。


 銀の月冒険者ギルドで活躍すると、いつもの文言を付け加えた。


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