7話:目覚めと鼻歌
「いいね」ありがとうございます。
「……ふあ〜」
窓から差し込む木漏れ日と微かに聞こえる鳥の声で目が覚める。
昨晩は新しい学校に行って疲れた事や大人組が飲んだお酒の匂いにやられていつの間にか寝てしまったらしい。
眠気まなこで軽く伸びをして身体を起こすために手をつく。
むにゅり。
「……ん?」
床とは違う何やらとても柔らかい物に触れる。
(……なんだろう?柔らかくって気持ちいいなぁ〜)
そんな事を考えているともっと柔らかさを感じたくなり顔を埋めてみる。顔が柔らかい感触に包まれとても心地よい。
「あんっ♡」
顔を動かすと頭の上から声が聞こえる。
聞き覚えのある声だ。それにこの感触もなんか覚えがある。
段々と意識が覚醒し出し恐る恐る顔をあげてみる。
と、
「そんなにあたしのおっぱいが好きなの?葵もまだまだお子ちゃまだねー♡」
愛おしげな表情の美乃と目が合う。
「よ、美乃!!」
慌てその場を離れる。
「あ……そんな勢いよく離れなくてもいいのに……」
何故か残念な顔をしながら言う。
「な、何してるの?」
「葵に裸で添い寝してた」
「な、なんで?」
「葵が起きたらどんな反応するかなと思って」
「やめて!!」
「葵、うるさいよ。もう少し寝かせて」
大きな声でツッコんだら晴美が起きて怒られる。
朝とはいえ、まだ早い時間である。まだ寝たい人もいるのだろう。
「あ、ごめんね」
謝ると晴美はまた眠りにつく。
「美乃、そんな悪戯やめてよ」
「いやー、葵の反応が可愛すぎるからついやっちゃうんだよ」
「やめてよ。美乃スタイル良すぎて目に毒だよ……」
「お、おぉ。でも一緒に風呂入ってるんだからあたしの裸なんて見慣れてるだろう?」
「それ小学生の頃の話でしょう」
葵と美乃は小学2年生まで一緒に風呂に入っていた。
だが、小学校後半で美乃が成長しだしてから葵が恥ずかしがって入らなくなっていた。
確かにお互いの裸は何度も見せ合っていたが、大きく成長した今では勝手が違う。
特に美乃はグラビアモデル顔負けのスタイルの持ち主である。葵が慌てるのも無理はない。
「ま、それもそうか。……ふぁ〜なんか目が覚めちゃった」
そう言って伸びをしながら美乃が起き上がる。
まるで映画のワンシーンのようだ。
「……美乃、いい加減服着なよ」
葵が両手で顔を隠しながら言う。
「昨日風呂入らないで寝ちゃったからシャワー貸してよ」
「う、うん。いいよ」
葵から許可を得た美乃は立ち上がって風呂場に向かって歩き出す。
「全く、何考えてるんだか……」
ドキドキしながらも美乃の行動に呆れる。
と、美乃が部屋の入り口から顔を出す。
「葵、久しぶりに一緒に入る?」
「っ!!早く行って!!」
「はいはーい」
顔に薄ら笑いを浮かべて去って行く。
「全く、美乃にも困ったものだよ……」
怒りながら不意に床を見ると何やら目に入る。
「……こ、これは」
葵の目に入ったのはとても大きなサイズのブラジャーだった。
「美乃ー!下着忘れないでーー!!」
「葵!うるさいよ!!」
閑静な住宅街に葵と晴美の叫び声が響き渡る。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふんふんふ〜ん♪」
米谷家の風呂場でシャワーを浴びる。
他人の家の浴室だが、何度も使っているので勝手は分かっている。
「葵、あたしの裸に興奮してくれていたな〜。まだまだ堕とすチャンスはあるな」
そんな事を考えながら上機嫌に鼻歌を歌う美乃であった。
読んでいただきありがとうございます。
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今回は美乃がずっと裸でした。
それでいいのか幼馴染ヒロイン。
葵は可愛い顔して意外とスケベです。だって男の娘だもん。///