表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

4話:帰宅と家族

前回の投稿で意識しましたが……1年近く新作を投稿していませんでした。

ブックマークしてくださった方々、アクセスしてくださった方々大変申し訳ありませんでした。


後、今は治しましたが、ミスしてすみません。

「……」


「美乃、さっきからどうしたの?」


「……なんでもないって」


教室を出たあたりからずっと難しい顔をしながら歩く美乃と、そんな彼女に不安そうに声を掛けて歩く葵。

そんな奇妙な光景が通学路で繰り広げられていた。


「学校出てからずっとそんな顔してるけど……もしかして新しい学校不安なの?

もしそうだとしても大丈夫だよ。美乃ならすぐに友達ができるよ。それに僕だっているよ。今までみたいに一緒に楽しくやっていこう!」


「いや、友達の心配はしてないよ……寧ろあんたが不安の元っていうか何ていうか……」


「え?ごめん、最後の方何て言ったの?」


「何でもない!!とにかくあんたに心配される事は何もないよ。安心しなさい」


不安そうにしながらも自分を心配してくれたことに感謝の意を込めて葵の頭を撫でる。


「えへへ〜」


「キュン」×∞


頭を撫でられた葵は満面の笑みを浮かべる。

そしてそれを見た美乃(と通行人複数名)は心をときめかされる。


葵を褒めたり、不安を無くさせたり、慰めたりする時は必ず頭を撫でる。これは葵を安心させる為の行為である。なので行動を共にする人は皆が分かっている事であり、皆がやっている事である。

特に幼い頃からずっと行動を共にしている美乃は頻繁にこれをやり、その度にこの天使スマイルを見ている。だが、その可愛らしい顔には全く慣れず毎回心をときめかされているのである。


「と、とにかく早く帰ろう!おじさん達もう着いてるかもよ。待たせちゃ悪いよ!!」


顔を若干赤らめながらも何とか冷静になり、足早に美乃は歩き出した。


「は、はぁ〜い」


そんな彼女を葵が慌てて追いかける。


2人が去った後には放心状態の通行人が大勢残っているという、奇妙な光景が広がっていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「じゃあ着替えたら母さんとそっち行くから」


「うん。待ってるね」


無事に帰宅する二人。

今日は葵の家で美乃を含めた高校入学祝いの会をやるが、美乃は私服に着替える為一度別れることになった。


「ただいま〜」


「葵〜♡おかえりなさ〜い♡」


自宅の玄関を開けるとダダダダダという足音を立てながら一人の女性が走って来て葵に抱きついた。


「むぐっ!!」


「待ってたよー!今日も無事に可愛く帰って来てくれて嬉しいよ!!マイラブリーエンジェル葵!!!」


女性は葵を大きな胸のそれはそれは深い谷間に埋めるように抱きしめて真っ白な綺麗な髪の生えた頭を少し乱暴に撫でる。


「むーむー!!」


葵は頭をホールドされて息苦しくなったため離してくれるよう抗議する、が頭をガッシリホールドされていて全く気づいてもらえない。


「こら晴美、葵が窒息死するだろ」


「あ痛っ」


そんな二人を見かねてからいきなり現れた男性が女性の頭に手刀を喰らわせる。

それにより葵へのホールドが終わり何とか解放された。


「いきなり痛いでしょ兄さん!せっかく可愛い甥っ子とスキンシップとってたのに!!」


「その可愛い甥っ子が苦しがっていたら止めるのは当然だろ」


「葵が可愛いすぎるんだから仕方ないじゃん!!」


「葵のせいにするな」


二人が言い争う。


「けほっけほっ、お父さん、助けてくれてありがとう。それから二人とも、ただいま」


「おかえり葵」


「おかえりー」


解放された葵は息を整えてから二人に挨拶をする。

そうすると二人も返事をする。


葵をホールドした女性は米谷晴美(よねやはるみ)。21歳。

毛先がウェーブした明るい茶髪と色白の肌、大きな目が可愛らしい女性だ。若干童顔で顔だけみたら実年齢より若く見られそうだが、顔と不釣り合いな大きな胸と長身をしており、街を歩けば嫌でも人の目を惹きつけている。

現に彼女の通う大学にはファンが多く、読者モデルをしたことも何度かあった。


葵を晴美から助けた男性は米谷信介(よねやしんすけ)。40歳。

ぱっと見は普通より少しカッコいい感じのおじさんだが、男性としては少し背が低めである。

葵は自分の低身長はこの人の遺伝だと思っている。


「葵、新しい学校はどうだったか?それも含めて美乃ちゃん達が来たら教えておくれ」


「うん。じゃあ着替えてくるね」


「あぁ。まだエリゼが帰って来てないし、ご飯の支度も終わってないから急がなくていいぞ」


「はーい」


「あ、着替えるならお姉ちゃんが手伝ってあげようって痛っ!!」


「やめろセクハラ妹!!お前は料理の支度を手伝え!!」


「兄さん元一流コックなんだから一人で充分でしょ!!」


「お前が俺の大事な息子にセクハラしないように手伝わせするんだよ!!」


「うわーん!!鬼兄貴〜」


そう言って信介は晴美を引きずって台所に戻る。


「ははは……」


そんな二人を葵は苦笑いしながら見送るのであった。



読んでいただきありがとうございます。

感想・評価・ブックマークお願いします。


次回は葵のお母さんと美乃のお母さんが初登場

……できたらいいな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ