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2話:入学式と自己紹介

「え〜これから〜皆さんは〜、新しい生徒として〜この学校を〜より良くして〜」


体育館の壇上で校長が新入生を相手に挨拶をしている。


「……長い」


「話し方間延びしすぎ……」


「座れてなかったら何人か倒れちゃうよ……」


校長の(無駄に長ったらしい)挨拶を聞きながら新入生達は口々に言う。

そして声にこそ出さないが全員が同じことを思っていた。


(この学校、校長は大ハズレだな……)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


(校長の長話でイライラしつつも)無事に入学式を終え、新入生達はそれぞれに割り当てられた教室に入って行く。


「葵、今年も同じクラスだね」


「うん。美乃よろしくね」


美乃と葵が言葉を交わし合う。

この二人は物心つく前からの友人同士所謂幼馴染で、幼稚園の頃から現在までずっと同じクラスで過ごしている腐れ縁というやつである。

家が隣同士なこともありいつも一緒におり、おそらくお互いの両親(美乃は両親が離婚しており、6歳の頃から父親がいない)よりも過ごした時間が長いと言っても過言ではないであろう。


「それにしても……流石元女子校、(あんた)以外みんな女子ね」


美乃が辺りを見回して言う。


「うん。でも女の子が多い方が男らしさの見せがいがあるよ」


葵は笑いながら言う。


「いや、それだとライバル増えてあたしと一緒にいる時間減っちゃうじゃん……せっかく同じ学校入れたのに……」


「へ?今なんか言った?」


「なんでもなーい」


「そ、そう?(美乃ってたまに小ちゃい声でなんか言ってるんだよなぁ)」



「はーい。席着いてー」


皆んなが話をしていると教室の扉が開き担任教師が入って来た。


「皆さん入学おめでとう。私が1年間皆さんの担任を務める(さき) 京子(きょうこ)です。担当教科は歴史で水泳部の顧問やってるよ。後、この土古花乃高校の卒業生だよ。これからよろしくねー」


そう言って担任もとい先教諭が挨拶と自己紹介を済ませる。

黒髪をショートカットにしており、活発な印象を持たせながらも目鼻立ちのクッキリした美人である。

フレンドリーさを感じさせる話し方と笑顔から固い印象はなく、なんとも親しみやすそうな人だ。


(よかった。担任は当たりだ)


クラス全員がそう思った。


「あ、ちなみに独身で彼氏いない歴=年齢です。好きな物は酒とタダ飯とお金だよー」


(……やっぱりハズレかも……)


クラス全員がそう思った……。


「ーーーーでは学校と今後の予定の説明は以上でーす。

じゃあ親睦も兼ねて自己紹介してもらおうかな」


という事で自己紹介が始まった。


「久我美乃です。○○中から来ました。好きな物はゲームとジャンクフードです。これからよろしくお願いします」


パチパチパチ。美乃の自己紹介に皆が拍手をする。


「あの人美人だね」


「胸すっごい大きかったよ」


「背高くてモデルさんみた〜い」


皆が口々に言う。


「えっと、米谷葵です。好きな物は甘い物と柔らかい物です。よろしくお願いします」


「あの子可愛い〜」


「妹にした〜い」


「なんで男子の制服着てんだろう?」


葵の自己紹介を聞き皆が口々に言う。


「あ、後僕はこんなだけど男です。男を磨きたいので何かあったら遠慮なく頼ってください」


「……え?」×美乃以外のクラス全員。


「え、リアル男の娘?」


「女の子だと思ってた!!」


「男なのにこのクラスで一番可愛くない?」


「わかる」


葵の発言にクラス中が騒ぎ出す。


「う、うわぁ!!」


葵は急な騒ぎに驚いてしまった。

葵は果たして男らしくなり彼女を作るという目標を達成できるのであろうか。




「へぇ、面白いこがいるじゃん」


……何やら不穏な空気である。

読んでいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] やはり男の娘ちゃん×幼馴染ちゃんは尊いですね 葵ちゃんかわいい
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