第0.5話 どっちもイケる廊下の妖精
英語のノート1ページ目
名前:雅人
特徴:髪の毛はいつも黒いバンダナを縛っている。毛は黒。身長は二号・三号と同じぐらい。大体180cm。常に睨みつけてるみたいな目をしているが、バンダナのせいで目が隠れているだけで素顔は親以外知らない。
好きなもの:甘いもの全般、ねこ
俺が何かを失ってから、もうどれだけの月日が経っただろうか。本当は短いはずなのに、とても遠い日のような気がする。君に裏切られたあの日、僕は大切な気持ちを落としてきたんだよ。
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「起きて〜雅人くん!朝ですよ〜」
「うん………んっ…」
何かに揺すられる感覚。目を擦りながら上体を机から起こすと、俺の肩に手を置く見なれた男の顔がある…俺の顔から数センチの位置にだ。
「おい礼治、お前は一体なにをしてるんだ?」
「いやぁお前の寝顔が可愛くてな
「死ね(ドスッ!)」あ゛っ!?」
俺に顔面を殴られ椅子ごと床に倒れる礼治。
鼻を押さえながら悶えているところを見ると、俺の拳はヤツの鼻にヒットしたらしい。このオレンジ色のツーブロック(坊主の部分は黒)頭で黄色いメガネをした派手な男は、親友の礼治。なぜかいつも俺に気持ち悪く絡んでくるが、根は良いヤツだ…と思う。いや、思いたい。因みに余談だが、コイツは男も女も両方イケるらしい…俺談だが。
「おいおい、あんまりやりすぎるなよ。お前のその拳で殴り続けたら、そいつのアホ面がヒドいことになるぞ?」
そう言って俺の右の席から話し掛ける男、コイツの名は翔。茶髪の中分けのコイツもまた、このクラスにおける大切な友人である。
「ぁんだと!?そいつぁ聞き捨てならねぇな!?」
翔のその一言に、納得の行かない礼治は立ち上がり抗議の声をあげた。
『そうだぞ!』
複数のクラスメートたちがそれに賛同するように言った…かに思われたのだが『バカにバカっていっちゃダメだろ!?それと一緒だ!』と言うクラスメートたちの言葉に、涙を流しながら床にのの字を書き始める礼治。
バンッ!バンッ!
と、そんなやり取り見ていた教師が、教卓を叩き場を静めた。
「おいお前たち!仲が良いのは大変よい事だが、今が授業中だということを忘れるなよ!?特にお前ら学年成績トップ3(俺・礼治・翔)なんだから、他の生徒の見本にならなきゃダメだろ!?」
今この教室で授業を行っているのは、我がクラスの担任兼英語教師のみどり先生。特徴は、黒髪ロン毛の吊り目でかなりの美人。いつもスーツを着ていて、とても堅そうな人間に見えるが、案外ヌケてるところがありそういったギャップから生徒の人気が高い。因みに独身。
「おっと、そんなことよりも大事なことがあった。そうなんです、俺たち実は頭が良いんですよ。まぁ翔は当たり前なんですけどね」
おい礼治?お前いつ立ち直ったんだ?つかてめぇ俺の仕事取りやがったな?
「よぉし馬鹿二号(一号が俺で三号は翔)、廊下に立ってろ」
「うぃ〜っす」
みどり先生にそう言われると、礼治はトボトボと廊下へと旅立った。礼二は毎時間この授業を受けるたびに廊下に立たされている。そのため廊下の妖精といっても過言ではないと生徒Aが言って『ないよ』…生徒Bが言って『ないわよ』……みどり先生が言って『ねぇよ』………あれ?俺が言ったんだっけ?まぁそういうことにしとおこうか。
こんな状況が俺たちのクラスいつもの授業風景。はぁ、これなら起きなきゃ良かったなぁ。
この授業風景がイヤだから、俺は寝てたんだけどなぁ。あぁ〜あ、また退屈な1日が始まる。何一つ変わりの無い、退屈な1日が…
第0.5話、どうでしたか?久しぶりの投稿で上手く書けてるかとても不安ですが、楽しんで頂けたのであればとても励みになります。他の投稿作品もそのうちちゃんとしますので、温かい目で見守って下さると嬉しいです。では、また一話でお会いしましょう。さようなら。