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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

短編

飽き性のお姫様と少女

作者: おいしいコーヒー

第4作目

最初、ファンタジー物を書こうとして挫折

とある作品に多少影響されて書いたのでちょっと似ている所があるかも知れません

場合によっては消します。

お姫様は飽き性だ

好きな服も好きな音楽、そして、恋人さえ


男でも女でも取っ替え引っ替え付き合っては別れるを繰り返している


彼女は所謂、お姫様系で守ってあげたくなる身形をしていて付き合う人は男前だったりボーイッシュな人が多い

お姫様を守る騎士(ナイト)様みたいな


そんなお姫様は私の幼馴染で初恋の相手だ――



オレンジに染まった放課後の教室

ふわふわ髪の小さい子と、ショートカットで背の高い女の子が抱きしめ合い顔を寄せ合っていた


ふわふわ髪の子は幼馴染の高瀬(たかせ)(あや)ちゃん、背の高い人は確か先輩だったはず

二人は付き合っている

だから二人っきりになり、キスをしてるんだ

地味で目立たない私が教室の前にいるのに気付かずに


せめて、扉ぐらい閉めてからやればいいのに


いつも私が先生の手伝いをしている時に限ってこういう事をする

見せつけるかのように


「綾ちゃん……」


このままじゃ私は帰れないので声をかける

綾ちゃんはニコニコ笑いながら私を見る、先輩は凄く驚いた表情をして振り向く


見慣れた光景、過去にも何度か遭遇したことがある

多分、綾ちゃんは狙ってこういうことをしている

誰とも付き合ったことの無い私に対して優越感に浸りたいのか


どうでもいいけど……

私が付き合いたいと思うのは綾ちゃんだけ

他の人と付き合うなんてもっぱらごめんだ

でも、告白する勇気は無い

幼馴染と言う関係が壊れそうな気がして

恋人になりたい、でも今の関係も壊したくない

どうしようもないジレンマ


「それじゃあね、綾」

「うん、バイバイ」


このまま先輩は帰るようだ

綾ちゃんは付き合っている人と帰った事は無い

聞いた話だけど、デートも1回あるか無いからしい

学校だけの恋人関係


そんなのに意味はあるのか?

だったら付き合っていないのと一緒ではないか?

それなら私と付き合えばいい

そんな事、言えやしない


「それじゃ、帰ろうか優奈(ゆな)


優奈、私の名前

ニコニコ微笑みながら名前を呼ばれると心臓が跳ねる

少し恥ずかしくなって顔を背け、自分のカバンを掴む

見られたくなくて足早に教室を出る


「あーん、待ってよー」


綾ちゃんの事がわからない

私の事には飽きないのか、好きなのか嫌いなのか

一緒にいてくれるって事は少なくとも飽きられてはいない

綾ちゃんにとって私は丁度いいアクセサリーなのかも知れない


私は騎士(ナイト)様にはなれない

でもお姫様のアクセサリーにはなれる


身に着けられるが隣にはいれない

お話しすることも出来ない

それでもいい、なんて思っている自分がいる


「ねーねー、駅前のクレープ屋に寄らない?」

「……えっ、あ、うん、いいよ」


少し考え過ぎてたみたい

びっくりして変な返答しちゃった

綾ちゃんもくすくすと笑っている

そして唐突に私の腕にしがみついてくる


綾ちゃんは無自覚なのかな

まったく、こっちの事も考えてほしい

でも、綾ちゃんは少なくとも私を嫌いではないと思う


ここまでやって嫌いなら相当変人だ

きっと、多分

そんな事を考えていたら少し笑えてきた


「なに一人でにやにやしてんのよー」

「別に、ほら早く行こう」


腕を組み、歩く

今が幸せ

これでいいんだ


綾ちゃんにお似合いの騎士(ナイト)様は私じゃない

お姫様を守る役目は他の人にくれてやる

私はお姫様を着飾るアクセサリー


その役目、全うしてやる


だから、どうか私に飽きないで




お読みいただきありがとうございます。


何かありましたら感想、またはマイページのメアドまでお願いします。


それではまた御縁がありましたらよろしくお願いします。

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